地域

鈴木知事と共に気合いを入れる選手たち

 今月12日~14日、伊勢市の三重県営サンアリーナで行われる第18回・全日本ユース(U─15)フットサル大会出場の『津ラピドFC』が昨年12月25日に三重県庁の鈴木英敬知事を表敬訪問した。
 津スポーツセンター=津市神戸=を拠点に練習を重ねる同チーム。U─12時代に全国優勝を経験したメンバーを有する強豪で全国大会出場は3年連続3度目。この日、知事室を訪れたのは同チームの選手15名と世古和正コーチ、三重県サッカー協会の高井幸郎副会長、杉本熊野県議ら。鈴木知事を前にキャプテンの末光幸太さん=南が丘中3年=が「楽しみながら一戦一戦を戦い、全国制覇の夢を成し遂げられたらと思う」と抱負を語った。それを受け、 鈴木知事は「伊勢神宮の式年遷宮があるので三重県にとって大切な年。その最初を優勝で飾ってほしい」と激励した。

鈴木英敬知事

前葉市長

  草深支部長 津市には、工業団地が久居、安濃、サイエンスなど色んなところにあります。まだ多少の空きがあり、我々、不動産業者としてご紹介などで、ぜひ誘致活動に協力したいということで今回のテーマにさせて頂きました。
 円高の問題や、空洞化現象、企業の海外進出は、今に始まらず、過去において色んな企業が外国に進出していますが、中国の問題等を考えてみますと、国内に産業の核となる工場があるべきであろうと思います。その中で、日本の中心である津市に誘致することは雇用対策など、税収面においても有意義なことであろうと思います。
 市長は誘致活動においてはトップセールスで色々と活躍のことと思いますが、今後も新しい工業団地という話もちらほら出ていると思いますが、その辺のところも今日は詳しくお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
   市長にお聞きしたいのですが、現在、16ある工業団地の中で、久居とサイエンスシティのみ、まだ空きがあります。今、草深支部長さんが言われたように製造業の空洞化を打破するため海外進出する企業に対して誘致されていますが、現状とお考えをお聞かせください。
 前葉市長 お手元に資料をお届けしましたが、中勢北部サイエンスシティは未分譲面積が25 、ニューファクトリーひさいは3・6haあります。津市の工業団地は16カ所あり、全部で568haという非常に大きな面積が分譲済みです。比較的、新しいのが中勢北部サイエンスシティとニューファクトリーひさいで、この2つ以外は分譲済みです。
 この2つは、非常に長い年月をかけて開発してきた土地で、ここに来て、先人の力のおかげで中勢北部サイエンスシティがあって良かったという気持ちです。というのは、特に震災直後の23年度の数字ですが、資料でご覧頂いている通り、非常に好調なんですね。これらはクラボウさんを除いて震災の後に誘致が計画され決定したものです。
 この地形図をご覧頂いてもお分かり頂けますようにだいだい標高が20m以上のところでございまして、津波とかの心配が全くない。それから交通至便地でありまして、高速道路と国道23号の中勢バイパスがありますので、アクセスが非常に良いということで、お客様からは、第二名神のおかげで京都との距離が近くなって非常に交通の便が良いと評判ですから、安心して検討頂ける土地です。
 加えて、近鉄特急のアーバンライナーが全て津市に停まることになり、津市が都会的な雰囲気を持つことになった。難波から30分ヘッドで必ず停まる特急があるというのは、ミナミで遊ばれる皆さんにとっては、非常に利便性が高まったと思います。…ここでちょっと笑わなければいけないところなんですが(笑)。
 加えて、名古屋と大阪の間でポッと津にだけ停まるというのが、都市としてのイメージアップに繋がっておりまして、特に大阪の会社の社長さん達が言われるんですが、津がいかにも名古屋と大阪の間でひとつの拠点というポジションであると、イメージだけかも、と言われますが(笑)、そういう風にとれると言われます。
 そのようなことを含め、津の企業誘致の将来性については、まだまだ可能性が高いんじゃないかと思っておりまして、宅建協会の皆様方が、今後、津の企業誘致に関して何かお話があればぜひご協力を頂きたいと思いますし、津の経済活性化のためには外からの企業もたくさん来て頂きたい。
 リストを見て頂くとわかりますが、古くからこの地で操業しておられてビジネスを拡張したいという方々が立地を決定される場合が結構あるんです。例えば白塚の中勢製氷さん、納所町の近機健康管理センターさん、一身田の三重電業さん、芸濃町の佐藤ライト工業さん、津寄りの松阪にあるホンダパーツ中部さん。こういう企業が地元で今のところが手狭になったときに、基盤の整った工業団地で、2倍とか3倍の面積でビジネスを広げられています。佐藤ライト工業さんは椋本にある拠点を残しながらの拡張です。
 もう一つの特徴は、例えば福山通運さんのように、近藤康雄市長の時代からトップセールスをやってきちんとフォローしてきたが故に決定した点。従って、地道な努力もしているということです。
 最後に、ブランカさんの場合ですが、この中にもこのプロジェクトについて非常に大きな力を頂いた方もいらっしゃるんですが、鳥羽のお菓子の会社で、伊勢で事業を展開されて、そして津へということで。津はお菓子の激戦地です、と、なぜなら古くからの城下町でお菓子の文化が発達してきた。さらに贈答品やお土産としてお菓子がやりとりされることが非常に多い。
 その激戦地に入って既存の皆さんと商売することにワクワク感をお持ちです。そのように、津というまちが、ある種、経済人にとって魅力的に映る場所として立地をお決め頂いたというのが、市長としてはものすっごく嬉しいですね。ぜひ津市がワクワク感のあるエリアとして、さらに発展する、そのためには企業誘致を一生懸命進めなければいけないし、そのための土地もしっかりと準備しておかなければならないと考えています。 

スピード感が奏功 地域の発展は交通から

 森
 中勢北部サイエンスシティは、造った当初と比べ経済状況が変わり苦しい時代もありましたが、震災後の防災意識の高まりや交通網の整備でかなり優位になってきていますね。
 前葉市長 それらに加えて知事と一緒になってトップセールスをやり引っ張って頂いた。ニューファクトリーひさいは、県の土地開発公社所有で、県の方で自らの土地として一生懸命PRされました。
  鈴木知事は通産省出身ということで経済政策についても非常に明るいと聞いております。県から見た津市の工業団地、産業政策も含めて思うところはありますか。
 鈴木知事 三重県全体で言うと、愛知・岐阜県が、東海環状道の東回りができたことによって、豊田から例えば岐阜の関まで1時間で行けるという好条件のなか、全国的にも工場立地を伸ばしてきています。そのなかにあって、インフラ整備が少し立ち遅れている三重県ですが、平成24年度上期は少しきついものの、23年度に好成績を収めることができたのは、ひとえに前葉市長の熱意。私も一生懸命走らせて頂きましたので、そういう努力が実ったのかなぁと。努力が実った秘訣の一つで、各企業からよく褒められるのはスピード感です。物事の値段を安くするかどうかという時に、関係者の合意をすぐとらなければいけないが、皆さんが「お前が決めてきたんだからそれで行け」と私なり市長というトップに権限を与えてくれたのがスピード感を生んだ要因かなと思っています。
 ニューファクトリーひさいについては、あと1区画となっていますので、何とかして25年の早期に埋めたいと思っていますし、そうできると信じています。
  竹林会頭、工業団地への企業誘致がこのように進められているなか、商工会議所として、市の産業振興や商業の面も含めて、今後、どういった展開を考えておられますか。   
 竹林会頭 地域の発展は交通から、さらに地域の発展は工業・商業の発展にあると思います。津市、三重県が工業団地への企業誘致に取り組んでおられますが大々的に色んなことをやって頂いてこそ、そこに人が集まり、それが核となって色々なことが進んで行くんだと思います。
 我々、商工会議所は、商工業の発展と、そこに関わる人達の福祉の向上、ひいては地域の発展、明るく豊かな調和のとれた津市を目指しており、企業誘致はその元になることなので大いに進展して頂きたいと思います。
 私事ですが2、3日前にミッションとして行っていたベトナムから帰って参りました。現地では国・県・市の皆様とお会いし、こちらから「インターナショナル、グローバルにやって行くためには色んなことがあるわけですが…」ということで質問し、その返答を待っていました。
 そんななか、工業団地も2、3カ所見せてもらいましたが、大変素晴らしかったです。工業団地はだんだん大きくなれば、学校や医療も必要になってくると思います。その前段階として私たちがその設備を十分に整えることが地域の発展に繋がると思いますので、皆さんと一緒に進めて行きたいと思います。
 良い社会とは笑顔のこぼれる社会です。そのためには、皆さんが色んなことについてもっと話し合いをしながら前に進めて行けば、全体が進んで行くんだろうと思います。
 これからは環境づくりと元気を出すということが一番だと思っております。
 いつも言っておりますが「ATM」。金銭自動支払機のことですが、私のATMは「明るく、楽しく、前向きに」という意味です。どうぞ明るく振舞い、楽しい人生を送ってください。それには世のため、人のためというものが入ってこそ人生は楽しいんです。皆さんと一緒に、ハチ公の銅像を作ったり色んなことをやってこそ世のため、人のためになるのだと思います。
 皆さんと一緒に元気づけをしながら企業の誘致に取り組んでいけば、もっともっと良い社会が生まれるんだろうと思います。皆さんと一緒にやって行こうというのが私の主義です。
  そうですね。元気のある人が集まってこそ、活力のある地域になると思います。 

成長分野を積極誘致 防災面で宅地部分も有利

 鈴木知事 さっきの補足ですが、ニューファクトリーひさいで、23年度に誘致したのが、ファナックサーボという工業機械のモーターを作る会社と、住宅用断熱材で世界一のシェアを持つ仏のサンゴバングループのマグ・イゾベール、リチウムイオン電池の最先端の外装材を作るT&Tエナテクノ。工業団地や企業誘致は、もちろん埋めることが大切ですが、単に埋まればいいというものじゃなくて、産業政策上はやはり、地域に波及効果がある、あるいはこれからも伸びて行く余地のある産業であるということが重要であって、その意味では前葉市長と取り組ませて頂いている(これらの誘致は)、単に埋まったというだけではなく価値のあることなんじゃないかなと。
  環境などこれからの成長分野に関わる企業を誘致できていることは、長期に亘る波及効果に繋がるので非常に良いことだと思います。草深支部長、企業が誘致されれば当然、人も多くなりますし、人的交流も図られると思いますが、宅建協会としてその辺りとの関わりはどうなっていくのか、ご意見頂きたい。
 草深支部長 我々は地元で生まれ育って生活しているので、雇用が新たに生まれる、人が増える、消費が増える、税収も伸びるという理想的なまちになるべく協力できることは得られる手数料以上の喜びがある。
  なるほど。サイエンスの場合は宅地部分もありますね。だいぶ埋まってきていますが、宅地に関係する部分は宅建協会としてはどうですか?
 草深支部長 特にインフラ関係、学校や買い物のための交通は多少弱い面があるかなという所ですが、住宅は、海岸沿いのほうは動きが芳しくないという状況のなかで、市長もおっしゃられたように標高20m以上というメリットは感じています。

線引きに違和感が 工業専用地域の見直しを
 
 長年、不動産業に携わっておられますが、今までの知事、市長、支部長、会頭の話をお聞きになり、どのようなご意見ですか。
後藤相談役 サイエンスを造るときから参加させて頂き、仲介業務の協定も結んでおります。お世話するにしても、直接、一業者との契約はなかなか難しかったので、少し改善が必要なのかなというのはあります。お世話できるような体制に完全に入っていなかったので、世話しにくかった所がありました。
 昭和45年から津市により市街化区域と調整区域が線引きされました。市街化区域の中に、工業専用地域というのがありますが、昔、土地改良したときの線引きのままなので、工業を誘致にしても、周りの道を広げなければならないなどの規制があります。河芸や雲出本郷などもそうですが、工業専用地域なのに田んぼのままになっています。
 私事ですが、去年2月に父親が他界し、財産相続した土地が工業専用地域なんです。何も使っていない田んぼなんですが、持っているだけで、どんと税金がかかります。できれば工業専用地域を工業地域にして住宅や共同住宅を建てても良い土地に変えて頂くと、我々の仲介業務も、もう少し幅広くできるし、そこに家が建つことによって町並みが良くなったり人が集まる。雇用創出にもつながります。税金の使い道としてお願いしたい。
 去年から河芸・久居・香良洲で都市計画税がかかってきたということで、地元の河芸では「市町村合併したらえらい目にあった」と
言っているのが現状です。もう少し幅広く利用できるようにしてほしい。
 サイエンスに誘致することも大事ですが、工業専用地も早く埋まるようにして頂きたい。(3面に続く) 
  その辺は簡単には変えられないんですか?
 前葉市長 これは、色を塗ってしまうとなかなか変えられないんです。もう一つ、調整区域と市街化区域の考え方についてですが、去年のこの新春放談会でも問題提起させて頂いたんですが、人口減少社会のなかで市街化区域を新たに造っていくことが難しい。
 ただ、土地は生き物、経済は生き物。どんどんどんどん状況は変わっていくんですね。
 今の後藤さんのお話も、以前に色を塗った所がそのままで良いわけはないと思うんですが、さらに言うと市街化区域全体の中で、調整区域にも市街化した方が良いものがある。国はそれを拡大と捕らえるんですが違うんです。もう一度、まちづくりをやろうという話なんです。しかし、国の制度はその辺が柔軟じゃないんです。最前線の自治体の長としては非常に苦慮しています。
 鈴木知事 工業専用地域のお話でしたが、色塗り全般に関しては、静岡県が新東名ができたので、インター周辺が農業振興地域とかばっかりなので色塗りを変えることを包括的に申請すれば、あとはもう自治体に任せてくれという特区を申請していましたので、それはなかなか面白いなと。
 津においても、津インター周辺は、一応、優良農地になっています。静岡からの情報収集もしましたので国との協議の状況を見守っていますが、これがもし、うまく行けば、市長もおっしゃってましたが、一つ風穴が空くのかなあと思います。28年には新しい体育館ができるので色んな色塗りのことで面白くなってくるのかなぁと。
  新しくまちづくりの線引きを考え直すということだと思いますが、確かに都市計画道路にしても何十年も前に引かれて、実際には図面だけという所もありますし、時流というか現状に合った線引きが必要ですよね。
 前葉市長 見直しをする決断をするのは難しいんですよ。じゃあもっと早く決断しても良かったんじゃないのと言われるかもしれないとか。
 ただ、現状、背に腹は代えられないという所は、ある程度、果敢に行かんなあかんなと思ってまして。都計道路の見直しについては津市議会でも色々議論が出ており、しっかりと受け止めたいと思っております。
 鈴木知事 3・11の東日本大震災が大きな節目だったんじゃないかと。例えば、沿岸地域で企業や医療をするのは大変で内部に移ったほうが良いんじゃないかと。そこは国に対しても色々と言っていかなければいけないと思うし。3・11は国家としても大きな節目だったのだと国に対しても言っていかなければならないと思っています。
  あの日以来、人々の考え方も変わっていますしね。原点に戻って考え直さなければならないことがたくさん出てきてるように思います。

地域に密着した活動と地元に浸透した企業活動を

 森 草深支部長、産業振興についてご意見はありますか。
 草深支部長 日本の昔の優良企業と言われている電気メーカーが今、非常に危機的な状況。製造業全般に関しては、もっと改善し利益が上がる余地があると思っていますが、一定の業種では世界に太刀打ちができていない。そんな中で立派な成長性のある企業を誘致して頂いたということで、びっくりしました。
 森 確かに、工業団地の企業は、単なる製造業ではなくソリューション事業とか物流など非常にバリエーションに富んだ構成になっています。それは狙い通りのことなんでしょうか?
 前葉市長 そうですね。サイエンスシティは、流通ゾーン、製造業、オフィス、住宅、子供達に人気の公園まであります。「いつでもご準備させて頂いております。どうぞ」と言えることがものすごく強みです。
 鈴木知事 三重県は南北に長くてインフラの整備率が低いので、ポイント、ポイントに流通設備を置くのが産業政策上も物流においても重要ですので、サイエンスシティにも物流施設がちゃんと入っているというのは県全体のことを考えても評価が高いし、ありがたいと思っています。
 今後は、さっきおっしゃって頂いたような成長産業も、そう(誘致したい)です。また、ものづくり一辺倒の大きい工場をポンと置くのでなく、例えば芸濃町に米国のキャボット・マイクロという会社があるんですが、元々、工場じゃなく1人、2人の営業所から来たんです。そこで地域の人と人間関係を作り、ここって結構ええやんか、ということになって200人雇う工場になったんです。
 半導体の研磨材でかなりの世界シェアを持っている会社なんですが、大きい工場の誘致も、もちろんですが、今後、伸びて行く可能性のある、最初はちっちゃい営業所でも良いから三重県で何か事業をスタートしてくれ、という門戸の開き方がキャボット・マイクロの実績を見ても重要なのかなと思っています。
  県の産業政策全般から見ても、各工業団地の繋がりや、一つの物を作って終わりではなく、そこから新たな仕事が生まれるなどで工業団地同士がネットワークされたら理想的かなと思いますけど。 
 それでは、この2つの工業団地の今後の課題についてご意見はありますか。
 前葉市長 引き続き、誘致に全力を尽くして参ります。それから今日もお話が出ましたが、新たに来て頂く企業さんと地元の企業さんとの流通などのお取引もやって頂きたいなと。ポッと来て、全く地元と関係しないで商売するのではなく、地元と結びついて頂きたいなと思っております。
 例えば、クラボウさんが知事にご尽力頂いたこともあって戻って来て頂いて、地元の方が「あのクラボウさんが新しいことをされるんなら、息子や娘を働かせたい」という声があり、たくさんの方が応募されたようです。
 今度、マグ・イゾベールさんが新たに工場を作りますが、外資ですから地元とはほとんどご縁がありません。これから募集をされるということで、地域に密着した展開をして頂き、〝三重の企業〟になってほしいという気持ちです。
  知事は、三重県から見ていかがですか?
 鈴木知事 ニューファクトリーひさいの分譲地は、津市の給食センターが入って頂いたおかげもあり、残り1区画なので、津市と連携し、平成25年のなるべく早期に埋めたいと思っております。
 中勢北部サイエンスシティには、研究・開発機能を持つ「あのつピア」もありますので、組立て型のものづくり工場を誘致するだけでなく、色んな企業や人とのインターフェイスが必要で、県内の研究機関との連携や、人の交流を進める中で、サイエンスシティに良い区画があるんだと知ってもらえるよう、ネットワークづくりや橋渡しをしっかりやって行きたいと思います。
  様々なバッググラウンドを持った企業や人材が集まることで、アイデアに富んだ発展的な戦略ができると言われますので、多様な要素による集合体としての工業団地が、一つの大きな魅力になっていくということでしょうね。 

宅地分譲に協力します ハチと上野博士の像で活性化

 森 昨年、多田さんの地元である久居で大きな動きがあったようですね。
 多田 久居はご存知の通り、駅前が非常に寂れていて前葉市長が一生懸命取り組んで頂いており、間もなく良い結果が出るかと思います。企業誘致については鈴木知事と前葉市長がトップセールスで素晴らしい業績を上げていらっしゃって我々の出る幕はありませんが、それに絡む宅地もありますので、そちらの方で我々が頑張れれば良いんじゃないかなと思っています。
  昨年は久居駅東口前に忠犬ハチ公と上野英三郎博士の一対の銅像が建ちましたし、これからは市外、県外からも人々が集えるような場所になっていくのではと思います。
 多田 はい。昨年10月20日にめでたく、忠犬ハチ公と上野博士の銅像が建立できました。渋谷とか東京に比べて人口が少ないので、あれからそれほど人の動きはありませんが、記念撮影などで人気の観光スポットになってきました。今後とも県・市のご支援を頂きたいと思います。 

中勢グリーンPが人気 市民の憩いとイベントの場に

 土性 中勢北部サイエンスシティは当初、〝産・学・遊〟というコンセプトで始まりましたが、〝学〟と〝遊〟についてはどうなっていますかね。その点についてお聞かせ頂きたい。
 前葉市長 サイエンスについては「中小企業基盤整備機構」と一緒になって開発しているので、オフィスアルカディアというゾーンがインキュベーションも兼ねております。
 具体的には、「あのつピア」に「津サイエンスプラザ」という第3セクターの会社があり、ここでインキュベーションをやっています。そこでは例えば、大学からアントレプレナーシップで出てきた企業が小さなオフィスを借りると言うようなことをしています。
 〝遊〟についていえば、先日、フリスビードッグの日本選手権があり、サイエンス内にある広々とした中勢グリーンパークをフリスビーをくわえた犬が駆け回ったという素敵な風景が見られました。中勢グリーンパークは非常に愛される場所になっており、ああいう場所も含めて、今後、充実させて行きたいと思っています。
 それから鉄道の関係ですが、JRと色々お話をするんですが、今は、名古屋との、伊勢鉄道を含めた利便性を主に考えられているようですね。「快速みえ」が以前に比べると利用者がかなり増えており、おそらく都市間輸送の充実がJRさんが考えておられるメインのテーマかなと思います。
  中勢グリーンパークは市民の憩いの場としてすっかり定着しましたね。これからイベントもどんどん開催されると良いと思います。

娯楽や息抜きの施設も サイエンスを一つのまちに
 

 服部 私は、サイエンスシティ内に移転した企業様の従前の土地・建物の売却処分に関わらせて頂き、移転後の感想をお聞きする機会がありました。
 所長様をはじめ色々な方とお話ししたところ、サイエンスに来てから仕事で缶詰状態になっているそうです。来訪者があったときにちょっとご飯行こかということができず、お昼休みに同じ部署の人同士でランチに行くこともなくなったので、面白くないと言いますか、ストレスが溜まっているそうです。
 隔離されたような所にありますので、その辺が古いんかな、とおっしゃっていました。
 サイエンスを一つのまちと考えると、娯楽とか息抜きのための施設もないと、働いている方々がかえって作業効率が悪くなったりするので、もう少しそういう施設があってもいいんじゃないかと思いました。
 団地に入った時にちょっと冷たいような印象を受けますし、隣の企業さんが何をされているのか知らないし、挨拶もしない。一つひとつの土地が広いので関わることもない。ちょっと離れ小島のような、冷たい印象です。 

地元商店街の活性化を 望まれる景気向上の一手

 平賀 工業団地の発展と日本経済は結びついているわけですが、不景気で、岐阜県のソニーの工場閉鎖などを聞くと、非常に厳しいものがあると思う。
 日本経済と工業団地の関係は、要は景気が良くならないと工業団地も発展しないと。言われましたように〝産・学・遊〟。リスクを分散するという意味で、工業だけでなく、学研都市・遊びの部分での誘致もしなければならないんでしょうが、何れにしましても不景気が直らないといけない。
 また、イオングループなどの大手により産業構造が変わってきたのは致し方ないことですが、地元の商店が活性化するイコール、我々宅建業も活性化するわけです。量販店への規制の見直しは津市としては全くないんですか。
 前葉市長 そこは、まちづくり3法ができて、大店法(大規模小売店舗法)が変わり、今は大きな店舗はほぼつくれないような状態になっています。例えば、久居インター周辺にはその前の駆け込みでつくられたわけです。
 大規模小売店舗についてはむしろ、スーパーさんらからの声の方が遥かに大きくて、市民からは大規模店舗がどんどんできてくるから商店街が困っているという話よりも、もっと買い物を便利にしてくれという声の方が私どもに多く届きます、これもまた難しいところでね。
 大門商店街が一番難しいのは生活の場でもあることです。例え商売をやめてもそこに住民が住んで手放さない。さらに古い建物なので、地価が下がっても、固定資産税が払える(額)ので、なかなか展開がない。 

LRT導入の検討を できる事からやっていく

 北村 産業に関しては旧地域振興整備公団が指導したサイエンスと松阪中核工業団地、伊賀市のゆめぽりす伊賀クリエイトランド。このうち、ゆめぽりすはサイエンスに比べると当初から売れ行きが良く住宅もいっぱい建って、今度はゆめぽりすの後背地を開発するかということで幹線道路の具体的な計画が進んでいるそうですが、地域振興整備公団などが中小企業基盤整備機構になりましたが、サイエンスも7割方埋まり後背地に丘陵地が広がっている。第2段階の計画には入っているんですか。
 前葉市長 まだ入っていないです。
 北村 昨年、低炭素化に関するCOの削減のための法律が新たにできて、このなかには都市機能の集約を図るための拠点形成という大きなテーマがあります。
 そのなかには交通体系、津市の三重大学とのコミュニケーションの中でも案が出ているそうですが、LRT(次世代型路面電車システム)。メッセウイングみえから、津市役所、三重会館の辺りを通り、津駅、県文、新しくできる博物館、欲を言えば更に三重大まで延ばしたら良いかと思うんですが、そういうセンスのある市電タイプの導入も良いんじゃないかと思うんですが。三重交通バスとの競合という(問題も)出てくるかもしれませんが大量輸送・CO削減のためにそういう施策をぜひ検討して頂きたいなと。
 森 製造コスト、ランニングコストの問題もありますね。
 前葉市長 都市づくりといえば、私が京都市に勤務していた頃、地下鉄1㎞200億で、昔、京都市電というのがありましたが、今もう一度建設し直したら1㎞2億で、全然コストが違うわけです。
 ですから、100分の1でできることからまずやって、それで足りないから地下を掘ろうということになったわけでしょ。ですから今、京都は本当はそれこそ低カーボンということを考えれば、市電に戻るべきなのかもしれない。
 都市づくりの大きな計画というのは本当に難しいですね。 

企業誘致の要は「水」 流通コストも重要な要素

 多森 工業団地、特にサイエンスは完成当初から色々問題がありましたが、見通しが立って非常に喜ばしいことだと思います。これを継承するということではないが、今後、内陸型の工業団地をつくる時には水を最重要に考えて頂きたい。
 私は、サイエンスができた当初、企業誘致に動いたんですが、硬水の単価が非常に高く、日量2万t使いたいという企業だったので、なんとか硬水が10円台にならないかということでした。地下水は県の条例で断念したということがありました。
 もう1点は、日本の国の生い立ち。海外から物は港から入ってきますが、三重県では四日市市が非常に強い。四日市港から津まで外国の自動車メーカーが日本向けの内装を持ってきて、組み立てをします。その中でサイエンスに誘致したんですが、四日市から津まで車両を陸送するのはどうですかと。当時、国道23号のバイパスができていなかったから断念された。そういうところを検証して、今後やって頂きたい。
 それから震災後だけに余計そうなんでしょうけど、海岸線の整備をし、海外から物が簡単に入ってこれるようにして頂きたい。内陸部の開発をする場合にも海岸線の整備を。
 芸濃町である企業を誘致した時もやはり水が原因で引かれたんですね。やはり水というものは切っても切れないものだと思います。
 前葉市長 色々と旧津市時代からの話を聞いていますと、今も多森さんがテーマをいくつか挙げられましたが、どうやって未来に対する責任を果たしていくかっていうのは、ものすごく難しいというか悩ましい。 かなり大きなリスクがあり、大きなまちづくりビジョンとしては、どう考えていくかということになります。まだ、今のところ、答えとしては決まっていません。
  シャープの工場もそうですけど、時代によって状況が変わるので、リスク分散しないと何か変化があった時に対応できない。
 前葉市長 はい。物が無ければ売る物が無いので誘致のしようがない。物があって良かった、というラッキーな状況が今は整っているわけですが、過去においては苦しい状況がありました。 
 多森 水の問題で、繰り返しになりますが声を大にして言いたいのが、伊賀上野、名張。西名阪沿いに工業団地をずいぶん作ったんですが、上野は水が無いのでほとんど地下水で賄っている状態です。その当時は西名阪が無料ということに魅力を感じて相当の企業が進出しましたが、最終的には水で行き詰って歯抜けの状態になってきています。
  製造業者にとって工業用水は非常に重要な要素です。
 多森 私がサイエンスで誘致のために動いた企業は食品関係でしたが、日量最低でも2万t要るが、その手当てがつかない。製品の販売単価が約100円、150円ですから、水の単価が非常に(重要でした)。
 そして、市長にぜひ交渉して頂きたいのが、中日本高速の伊勢自動車道の料金体系が高い。サイエンスに企業誘致した時も津インターから関インターまでのコストを考えると割りに合わないねと。
 前葉市長 中日本高速には色んな料金体系があるんですか。
 多森さん 料金体系が、(距離ではなく)通行量によります。西名阪は無料なので物流コストが安くなり名張、伊賀に各企業が立地する。

 大城梨花(フルート)と杏花(ピアノ)の姉妹デュオコンサートが1月13日16時~、津なぎさまちベイシスカ2階で開かれる。 テーマは『~鳥の想い~』。
 曲目は梨花さんが、イラク空爆で誤爆の犠牲になった幼いきょうだいのニュースを聞いたのを機に作曲した「鳥に生まれて」など。 姉妹はCDの売上げを東日本大震災の義援金として寄付しており、当日も被災地への募金箱を用意する予定。入場料は、一般1500円・小人500円。
 問い合わせは℡059・227・1440へ。

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