地域

 

津商工会議所は、設立130周年記念事業の一環として、「観光サービス業部会」=青山春樹部会長=と「社会文化部会」=杉田真一部会長=の合同県外視察見学会を4日・5日、尼崎市塚口本町の「塚口笑店街」と淡路島の「のじまスコーラ」を訪れた。
 津市の商店街も全国の例に漏れず、空き店舗が目立ち衰退しているのが現状。行政や各商店街組合員らも、かつての賑わいを取り戻そうと様々な施策を打っているが抜本的な解決には至っていない。津市地域の商工業社(者)3004会員で構成する同商議所としても、商業活性化のための施策を行政に提言・要望するなど、地元経済の振興に取り組んできた。
 県外視察は、毎年この時期に実施しているもので、活性化に成功している全国の商店街や施設を訪問し、活性化のヒントを探り、地元にフィードバックするべく研究してきた。
 4日に訪れた「塚口笑店街」は、阪急の梅田駅と三宮駅の間に挟まれた塚口駅前にあり、組合員は35店舗と規模こそ大きくはないが、創意工夫を凝らした取組みで衰退から脱却し、「はばたく商店街30選(2019)」に選ばれるなど全国から注目を集めている。現地では同商店街組合の村上賢司理事長と、商店街アドバイザーの堀登志子さんから説明を受けた。
 要旨は…2015年に『活性化委員会』を始動し月に1回のペースで勉強会を実施。活性化策をかつてのトップダウンや、外部組織への丸投げではなく、組合員の小さな意見を無視しない、他人の意見を否定しない、過去を事例に拒否しないなどの約束事の決定。若手からのボトムアップを図りながら、各店の常連客が商店街全体の常連客になることを目標に定めた。その後は「まちゼミ」の開催や「ひるのみ」「屋台」「縁日」「スタンプラリー」などの事業を次々に開催。また、プロトン急速冷凍機を使った冷凍食品の開発、自販機での販売やネット販売、ふるさと納税返礼品の登録などで需要の掘り起こし。現在では若手の飲食店の出店も相次ぎ、新規出店率は50%を超えている事などを語った。
 5日は、淡路島(兵庫県淡路市野島蟇浦)で地方創生に取り組んでる㈱パソナグループが運営する「のじまスコーラ」を訪問。同施設は、淡路島の阪神淡路大震災の震源地「野島断層」の近くにある旧野島小学校を学校らしさを残しつつ全面改装した複合施設。スコーラとは、イタリア語で「学校」を意味する。旅行客のみならず淡路島の住民にも愛されている。
 淡路島の特産品やお土産が集まるマルシェ、地元の人々にも人気なベーカリー、ペットと一緒に食事ができるカフェ、地産地消をテーマにしたイタリアンレストラン、かわいい動物たちと気軽に触れ合える動物園、開放的で自由に使えるドッグランなどがある。ここでは、同グループ常務執行役員の松村卓司さんと、㈱パソナふるさとインキュベーション旅行事業部の渡部泰徳さんかが講話。淡路島が温暖で関西空港にも近く、2025年開催の大阪万博、IR誘致の可能性など地の利がある事や、東京一極集中で課題となっている介護離職、少子高齢化、待機児童、農業の衰退、地方の衰退の解消と、心身の健康の保持・推進をするために、2020年9月に本社機能の一部を淡路島に移転し、多くの社員が地元に根差しながら地方創生に取り組むことの意義を語った。

 

津女声合唱団はクリスマスイヴの12月24日㈰13時半から(開場13時)、アストホールでミニコンサート&ワークショップ「津女声と一緒に歌いませか パート2」を開く。後援=津市教育委員会、三重県おかあさんコーラス連盟。
 昨年好評を得た企画で、今年はクリスマスバージョンでの開催となる。「合唱をしてみたいけれど合唱団に入るにはちょっとハードルが高い」「昔やっていたけど、もう一度歌ってみたい」…そんな人でも気軽に参加できるのが嬉しい。
 第1部は、同合唱団によるミニコンサート。第2部はワークショップ(一般公募各パート先着5名~7名程度)で、女声三部合唱「いのちの歌」=作詞・Miyabi、作曲・村松祟継、編曲・西村翼=を歌う。
 入場無料(整理券を配布)。
 鑑賞・ワークショップの参加申し込みは☎090・5866・7568鈴木さん、またはメールでの申し込みはtsujyosei@gmail.comへ。

講演する坂さん

 8日、津市北河路町のメッセウイングみえで、旭建材株式会社=津市高茶屋小森町=主催の『SDGs・ラボ』が開かれた。
 環境と向き合うことが全ての企業や人の課題となる中、省エネで快適な住環境を提供するための家づくりと環境に配慮した事業を目指してSDGs(持続可能な開発目標)の17目標全てを尊重したイベントとして開催。今年で5回目。
 会場には、環境に配慮した素材や地元の木材などを使った建築資材・家具などの商品を展示紹介する約30社がブースを出展。県内の工務店や設計事務所などの関係者を中心とした来場者たちは、様々な観点から環境への配慮を凝らした各社の商品に見入っていた。
 また、三栄林産㈱=亀山市加太中在家=社長の坂成哉さんが「杉は隠れた日本の財産だった」をテーマに講演。同社は木の建築資材・家具の販売、建築、キャンプ場「かぶとの森テラス」の運営など、幅広い事業を展開しながら、地域活性化にも寄与している。
 坂さんは、杉を切り出すコストが捻出できないことなどを理由に、先人たちが植林をした山林が荒廃している現状を説明。杉は花粉症を引き起こす厄介者扱いされる一方、日本の国土の66%を占める森林のうち43%を構成する杉は最も身近な木であることを示した。
 一般住宅1軒分の構造体に使用する15リューベの杉材は自動車が9万㎞走行した時の二酸化炭素を吸収する効果があり環境に優しいだけでなく、床や壁などに使えば、五感からリラックス効果なども得られる。
 メンテナンスフリーの最近の建材と比べると杉はワックスがけなどの手入れが必要な分、家族の会話が生まれる要因となるなど、杉に秘められた魅力と子供たちが木と親しむ木育の重要性を語った。

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