社会

3日、津市北河路町の「津市産業・スポーツセンター」で、全国の中小企業を中心とした約80万社が加盟し、税の啓発活動や租税教育を積極的に勧める経営者団体「法人会」の「第36回法人会全国大会三重県大会」が盛大に開かれた。主催=(公財)全国法人会総連合。主管=(一社)三重県法人会連合会。北海道から沖縄まで全国41都道県連440単会の代表者である会員約1700名が集い、結束を高めた。

 

 

サオリーナで行われた大会式典の様子

サオリーナで行われた大会式典の様子

年1回開催の全国大会は、税のオピニオンリーダーを標榜する法人会が税制改正提言の内容を報告する場。全国各地の法人会の代表が集まり、交流を通じて、連携を深めることが目的。
サオリーナで行われた大会式典の開会に当たり、大会を主管する三重県連の宮﨑由至会長は「本大会が皆様にとって実り多き大会となることを心よりご祈念申し上げる」と挨拶。続いて、主催者を代表して全法連の小林栄三会長は、大会開催に尽力した三重県連の会員たちに感謝をしつつ「現在、我が国の経済は米中貿易摩擦などの影響で企業収益にかげりが見えており、大規模な金融緩和策に手詰まり感が出ている。国家の課題である財政健全化も困難を極めており、長期債務残高は先進国の中で突出して悪化している。更に、少子高齢化と人口減少による社会保障費の急増も見込まれており、持続可能な社会保障制度の構築と財政健全化を実現するために、受益と負担の均衡に向けた議論を進めなければならない」と、今回の「税制改正に関する提言」をまとめた背景を解説した。
続く来賓祝辞では、星野次彦国税庁長官が「三重県連においては、宮﨑会長のリーダーシップで小学生が楽しめる税金教室など工夫を凝らした地域密着型の活動に取り組まれている」と三重県連の活動も称賛。
鈴木英敬三重県知事も三重県連の活動に感謝すると共に「今年は令和への元号改正と消費税の税率アップなど、税にとっても大きな変化の年。時代の流れに合わせた税制の変化が非常に重要」と語った。
前葉泰幸津市長は「津法人会も非常に熱心な活動をして頂いており、租税教育もたいへん感謝をしている」と続いた。
その後、財政改革の在り方、経済活性化と中小企業対策、地方のあり方、震災復興などを盛り込んだ「令和2年度税制改正に関する提言」の内容が報告された。そして、令和を迎えた中で、改めて税のオピニオンリーダーたる経営者団体としての役割を再確認する大会宣言が読み上げられ、記念式典は閉会。
式典後の懇親会では、三重県が誇る山海の美味も供され、酒食を楽しみながら、会員相互の絆を深めていた。

土地の実態を正確に把握する『地籍調査』は災害復旧の観点からも注目され、津市では近年めざましいペースで調査が進められているが、森林は傾斜地も多く測量に危険が伴ったり、現地立ち合いも困難を極めるため課題となっていた。市域の6割を森林が占める津市は、今秋より国のモデル事業として航空写真などを使い、遥かに早く安全に境界が確定できる新たな手法を全国に先駆けて取り組んでいる。

 

リモートセンシングデータによる境界案(国交省資料より)

リモートセンシングデータによる境界案(国交省資料より)

国土調査法に基づき、主に市町村が主体となって行っている地籍調査。一筆毎に土地の所有者、地番、地目を調べ、境界の位置と面積を正確に測量し、境界を確定する。なぜこの作業が必要かというと、登記所に備えられた地図や図面の多くは明治時代の地租改正時に作られたもので、土地の境界や形状が不正確なため。調査を終えると、登記所の登記簿に記載された情報が現在の状態に沿った正確なものへと更新される。
全国の調査進捗率は平成29年度末で52%にとどまっているが、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた被災地において迅速な復興に繋がったことから、その意義が再評価されている。
津市でも、「津市地籍事業計画」を策定し、用地・地籍調査推進課も設置。南海トラフ巨大地震に伴う津波対策として、河芸から香良洲までの沿岸部約10㎢を重点整備計画として平成27年度より、10年計画で取り組んでいる。地域住民の関心の高さから、土地の境界立ち合いもスムーズで計画を2年繰り上げた令和4年に区域内の調査が終了する見通しとなった。調査の進捗率も平成26年度末の2・81%から平成30年度末の3・85%まで短期間で大きく伸ばしている。
しかし、津市が調査を進める上で、大きな課題がある。それは市域の約60%(約420㎢)を占める森林である。そのほとんどが民有地であるがスギやヒノキの木材価格の低迷に伴い、財産としての価値も下がり、相続によって、正確な境界すらわからない状態の土地も多数含まれている。地籍調査するために測量や現地立ち合いを行うにしても、その土地まで辿り着くこと自体が困難であったり、傾斜地などでは滑落の危険もあり、膨大な時間と費用がかかってしまうことが全国的な課題となっていた。
そこで国は、近年発達がめざましい人工衛星や航空機などから地表を観測するリモートセンシング技術を活用した森林の地籍調査マニュアルを策定。津市は、これに基づく国のモデル事業として一志町波瀬・美杉町八手俣地区の森林を対象にした地籍調査を今秋より実施している。ヘリコプターによる対象地域約10㎢の撮影やデータ収集はわずか一日で終了。地権者の境界の現地立ち合いは行わず、デジタルデータを見ながら、境界線を確定していく。今回の対象地域は、わずか3~4年ほどで、登記簿の登録が完了できる見込み。これは全国初の試みとなる。
また、今年度から始まった森林経営管理制度では市町村が森林所有者の意向を確認し、林業経営に適した森林は意欲のある林業経営者に集約を進める一方、林業経営に適さない森林は、環境保護や災害防止の観点から市町村自らが管理していくことが定められている。そのような時代の流れの中で、今回のモデル事業は大きな意義を持つといえる。
津市は地籍調査の先進地となれるよう重点整備地域を含む市街地の地籍調査も積極的に進めていくだけでなく、新たな手法で森林の調査を進めることも期待される。

ついに県内でも被害発生!

 

桜や梅などの木を食害しながら、全国で生息域を広げている特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」が三重県北部でも確認された。津市ではまだ確認されていないが、桜や梅の名所が市内の貴重な観光資源になっているだけに的確な対策が求められる。行政と市民が一丸となった取り組みで地域ぐるみの資源を守る必要がある。

 

穴から幼虫が出すフラス

穴から幼虫が出すフラス

クビアカツヤカミキリの成虫

クビアカツヤカミキリの成虫

クビアカツヤカミキリは中国と朝鮮半島が原産の甲虫。成虫は全体に光沢のある黒色で胸部が赤いのが特徴。幼虫が木の内部を食べ、2〜3年かけて成虫となり、6月中旬から8月上旬に成虫となり、木の外へ出る。その際、周囲の木に飛び移り、卵を産み付けながら繁殖を続けていく。国の特定外来生物にも指定されており、生きたままの移動や飼育、売買などが禁じられている。
被害地の東京、埼玉、群馬、栃木、愛知、奈良、和歌山、徳島では、梅や桃などの果樹への食害が発生。
さらに今年7月には、三重県北部で桜を食害しているのが確認され、これまでに雌雄16匹が見つかっている。他の被害は確認されていないが、三重県では被害の拡大に備え、警戒を呼びかけている。津市ではまだ未確認だが、桜や梅の名所が重要な観光資源になっているだけに被害を抑える事前の対策は不可欠と言える。
ただ、果樹である梅や桃と比べると、桜は名所以外にも、公園、街路樹、河川など至る所に植えられているため、行政が対策を行うためには、農業だけでなく、観光、公園などの施設、さらに道路や河川などを担当する部署の横断的な連携が必要となる。また、被害地では庭に植えられた梅の木で繁殖するケースも確認されており、被害の範囲を考えると市民へ周知徹底や、対策への協力を得ることは必須。被害の大きい木は、周囲の木を守るために伐採する必要があるが、桜は地域のシンボルとなっていることも多く、伐採の必要性を予め伝えることも必要。
成虫の活動期は、6月〜8月で、これからの季節は見つけづらくなっているが、木の中の幼虫が穴から出すフラス(フンと木くずがまざったものもの)は出し続けるので、発見の手がかりにはなる。行政による飛散を防ぐためのネットや農薬の用意だけでなく、積極的な広報を行い、注意を呼びかけると同時に、発見場所の報告をベースにした情報の集積も必要。他県では、市民を交えた地域ぐるみの防除策も行われており、駆除に対する報酬を用意している自治体もある。
津市では、観光資源だった御殿場海岸のマツが同じくカミキリムシの繁殖によって被害が広がる病気「松くい虫(マツ材線虫病)」への対策の遅れから、甚大な被害を受けただけに悲劇を繰り返すわけにはいかない。
被害の発生に備え、行政と市民が力を合わせた地域ぐるみの対策が求められる。

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