社会

一期目も残すところあとわずかで、再出馬も表明している鈴木英敬知事。全国規模で問題になっている人口減少や、昨年は県内も大きな被害を受けた台風の風水害といった防災、世界各国との産業や観光での交流を大きく増進させる知事のトップセールス、東京日本橋にオープンし好評を博している三重テラス、未来を担う子供たちの学力向上やスポーツ振興など『鈴木県政』に対する様々な質問をぶつけた。

知事インタビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

人口減をどうとめる 社会減と自然減に対策実施

──あけましておめでとうございます。早速ですが少子化対策についてお伺いしたいと思います。昨年7月の全国知事会議で、少子化非常事態宣言が採択されました。少子化対策を国家的課題と位置付け、思い切った政策を展開し、国、地方を通じたトータルプランに総力を挙げて取り組むべき時であるとしています。人口減少防止は三重県の活力を維持・発展させるためにも重要な問題です。三重県は「人口の社会減対策検討会議」を設置しましたが、近年の三重県の人口推移と少子化対策の具体的な施策をお話し下さい。
知事 県内の人口は直近で182万人。一番多かった平成17年の187万人から5万人も減っている。自然減については、亡くなる人の方が生まれてくる人より4~5千人多い。この数字がどれくらいかと言うと、県内の小学生が10万人に居て小学校が約400校ある。1校当たりの平均が約250人なので、毎年約16校が潰れるくらいインパクトのある数字。社会減に関しては、県外に出て行く人が県内に来る人よりも3~4千人多い。だから、この数字を合わせると毎年6~7千人が減っていく計算になり、2040年には150万人くらいになると言われている。県としてはまず自然減の少子化対策をしっかりやっていく。今年から予算も重点的に充当しており、結婚のフェーズ、妊娠・出産のフェーズ、子育てのフェーズ、働き方のフェーズと、それぞれの段階で細やかに対応する。例えば、結婚は各地の商工会議所などがやっている婚活イベントを情報提供などで支援している。妊娠・出産は不妊治療や産後に孤立感を感じると第2子が産めないことにつながるので産後ケアを行っている。また、男性の不妊治療や放課後児童クラブや保育所の整備、男性の育児参加として「三重の育児男子プロジェクト」をやっている。
社会減の方は、大学に行く時に学生の8割が県外に行ってしまうのも原因。県内には高専も合わせて13の高等教育機関があるので、それらの魅力を発信していく事業をしたり、それらの中で単位の互換ができるようになることなども考えられる。検討中なのは、工業高校などで2年間上乗せして学ぶことができる専攻科の活用。現状では、高卒と同じ扱いにしかならないのでメリットがない。しかし、法改正がありそうなので、短大卒の資格か大学編入の資格が得られるようになりそうだ。専攻科をつくって三重県の学ぶ場の魅力向上をしていきたい。このような感じで人口対策を考えている。
──なるほど。若者の流出を防ぎ、出生率向上など、根本的な対策が必要となりそうですね。

更なる防災施策の充実 新風水害対策行動計画を作成

──では、次に防災です。 昨年8月の台風11号に伴う大雨等により、公共土木施設、農業用施設等に甚大な被害が発生したほか、台風11号の接近に際して県内に初めて大雨特別警報が発令されました。近年は地震発生のリスクも年々高まっております。三重県においても昨年度の「三重県新地震・津波対策行動計画」の策定に引き続き、今年度は「三重県新風水害対策行動計画」を策定しておられますが、改めて、三重県の防災対策についての取り組みをお聞かせ下さい。
知事 地震と津波については、今年度から新地震・津波対策行動計画が5カ年計画で始まる。地震が来たときに揺れの対策をしておかないと家が倒れて避難できなくなるので、家具の固定や耐震化、避難計画の作成などにも取り組む。
今年度は「新風水害対策行動計画」をまとめていて来年度からスタート出来たらと思っている。風水害は来るまでに時間があるものと、いきなり来るものの2種類ある。台風などは事前に予測がつくので対策できるが、竜巻とかゲリラ豪雨は突然来る。前者に関しては三重県版タイムラインをつくる。アメリカではハリケーンのカトリーナが発生した際に事前に対策して被害を軽減したので、これに倣って、しっかり備えることを促していく。後者の突発的な災害に関しては、自助が大きな意味を持つので、なにかあった場合、どこに避難するのかなどを普段から考えて頂く。ちなみに三重県で一時間に50ミリ以上の豪雨が降った回数は、昭和59年から平成5年までと比べて、年間で約1・5倍になっている。80ミリ以上も同じくらいの数字で非常に激しい雨が降っている。災害発生時に孤立する地区では、備蓄に取り組む。特に桑名市や木曽岬町のような海抜0m地帯は津波で堤防が壊れるよりも、地盤沈下で水が入ってきて、長期間浸水する。その辺りの広域避難にも力を入れている。津市でも美杉地区などで、土砂災害の発生が危惧されているが、三重県全体で土砂災害発生危険個所が1万6千ある。全国でも10番目に多いが、これを基礎調査し、住民の合意をとって警戒区域の指定をする。三重県は、この警戒区域の指定率が全国でもかなり低い方なのだが、現状の予算のままでいくと基礎調査だけで平成36年までかかる。そこで、これを5年間予算をほぼ倍増し、平成31年までに終わらせる。今までは警戒区域にならなければ公表できなかったが、土砂災害防止法改正に伴い、どのように危険なのかを周知できるようになった。だから、調査を終えるのが大事。広島県の状況を見て心配になった方も多いので注力していく。
──今までだと警戒区域に指定されるのも地権者の理解が得られなかったと思いますが、県民のみなさんの防災意識もかなり変わってきたので、行政としても話がし易くなっているはずです。更なる対策に期待します。

海外への突破口を開く  知事のトップセールスが奏功

──知事はアメリカ合衆国ワシントン州、テキサス州と、インド、タイ王国、マレーシアを訪問されるなど精力的に海外でトップセールスをされています。国内の消費需要の減少が懸念される中、三重県の生産品の販路を海外にも展開していかねばなりませんが、現在までの成果と今後の展望をお聞かせ下さい。
知事 様々な分野でやらせて頂いてきたが、食品だと台湾とタイに力を入れている。向こうの高級スーパーでは三重県フェアをやっるなど、特に売れ行きが良いのは、みかんでプミポン国王にも献上した。今年は津市でもつくっている苺とか多気町の次郎柿も輸出した。更にマレーシアでもフェアを開き、伊賀市の醸造メーカー・伊賀越㈱さんにハラル対応の醤油も作って頂いている。
産業では三重県の企業の二代目と台湾の若手経営者のマッチングをし、30件近くが具体的な話に近づいている。この前、アメリカに行ったときに、伊賀牛と松阪牛の話をさせて頂き、伊賀牛はほぼ導入が決まっている。
後は観光について、台湾とマレーシアを中心に誘客をやっている。台湾は約60%アップで、マレーシアも約70%アップ。どちらも過去最高になった。台湾に関しては私のトップセールス以上に、10数年にも渡る津まつりの安濃津よさこいメンバーたちが台湾で一番大きい祭りのランタンフェスティバルとの行き来を行うなど、草の根の交流があったおかげ。そこにトップセールスが加わり一気に加速した。トップセールスが生きるかどうかは、草の根の交流や生産者のフォローが大事。私たちは突破口を開くだけ。行政の仕事は突破口を開いたり、草の根の活動を大きく広げるだけだ。民間や草の根とのコラボが非常に大事と思った。
──せっかく素晴らしい製品をつくっていても、販路の開拓などは生産者にとっては専門外なので、どうしたらいいか分からない状況が続いていたと思います。それを知事に突破口を開いて頂いたので、今後の発展も楽しみですね。

首都圏で情報を発信  東京日本橋の「三重テラス」

──次は、東京日本橋に一昨年オープンした三重テラスについてです。三重県の特産品の販売や、三重の魅力を伝えるイベントで情報発信をしたり、非常に好調と伺っていますが、今までの成果や今後の展開を教えてください。
知事 一周年で約57万人に来て頂き、首都圏に55あるアンテナショップでトップテン入りさせて頂いた。今、現在67万人の方に来て頂いており非常に順調。ショップとレストランとイベント会場という3つの機能があるが、津市も毎月「つデイ」をやっていただいている多目的ホールのイベント稼働率が92%。そこでの情報発信がショップやレストランの売り上げに繋がっている。テストマーケティングもやっているので、生鮮食品など三重県らしい物を増やしてほしいという声があるので力を入れたい。また、年数を重ねる毎に飽きさせない工夫も必要なので、オイスターバーのようにカキを食べてもらったり伊勢海老をズラリと並べたりというようなことも考えている。特に上手くいってるのは日本橋の地元の人たちとの連携。彼らがイベントに人を呼んでくれたりしているので引き続き、大切にしていきたい。
──まだまだ三重県の真価が全国的に知られていないと思います。これからも様々なイベントを通じて三重テラスを通じて、魅力の発信が一層されていくことを楽しみにしています。

アスリートが育つ環境を  スポーツ振興策について
──続いては、スポーツ振興です。三重高校が甲子園で準優勝したり津市の吉田沙保里選手も世界で活躍しています。今後このような若者たちをどう育んでいくのか教えてください。
知事 今年は三重高だけでなく、県勢はインターハイも活躍してくれた。国体も全国4位の伸び率だった。特に山岳の少年女子では津の高校に通っている田嶋あいかさんと、義村萌さんが優勝してくれたので少年男子と女子、成年男子の個人は伸びた。しかし、青年の男女団体はまだ伸びていない。それからサッカー・野球・バスケットとかは企業に支えてもらうスポーツが中心。ジュニアアスリートは、チームみえスーパージュニアという形で強化選手を選んだり、学校の部活の強化を行っている。今度は企業の部活を巻き込んだ形で三重県に住んで頑張れる本当のスーパーアスリートが活躍できる環境を整えていかなければいけない。そういう人たちが身近にいることで子供達の憧れの存在として目標になる。
──若者達の憧れは必要です。日本はスポーツに対する認識が低いので、やはり土壌作りが必要です。

厳しい結果を乗り越え  子供たちの学力向上を支援

──平成26年度の全国学力調査も3年連続で非常に厳しい結果でしたが、いかがお考えですか。
知事 いつも教育委員会のメンバーと話をするのが三重県の子供たちが他県の子供たちと比べて能力が低いとか可能性がないということは絶対にないということ。それならば大人の引き出す努力が足りない。だから、学力向上緊急対策チームをつくり、これまでの取組の検証と他県で上手くいっている事例を徹底的に研究している。現場の先生のハートに火がつかないといけないので、私も小学校訪問して子供たちや授業の様子を見たり、先生の思いも聞きながら、みんなで頑張れる形にしたい。
明らかに結果が出ているのは朝食をしっかり食べている子や、睡眠時間をしっかりとる子、スマートフォンをいじる時間が短い子ほど学力が高いという結果が出ている。これは家庭の部分なのでPTAや家庭の皆さんに協力して頂くなど、県民あげての取り組みをしていかなければならない。また、一人親家庭や児童養護施設を利用している子供など、学びたいのに環境が整っていない子供たちへの支援は今年度も予算を取っている。来年以降もしっかり続けていきたい。

身近な資源を生かす方策  世界を視野に入れた観光振興

──最後は観光です。国内からの観光だけでなく、海外からの観光の状況は。
知事 平成25年度は約13万人と過去最高だった。台湾やマレーシアが伸びているが、人気があるのは美杉リゾートの忍者パック。チェックインしたら密書を渡されて、それにミッションが書いてある。夜は忍者鍋や忍者ビールを味わい、伊賀や名張にいって手裏剣投げなどの訓練をする。そういった形で地域を体験するのが流行っている。そういうのを上手く商品化して売っていきたい。伊勢神宮だけでなく、温泉も好きな人が多いので榊原温泉など、しっかりと多様な三重県の魅力をPRをしていきたい。
──海外の人たちも目が肥えてきて、一般的なものではなく、地元の人たちに密着したものを求めているようですね。
知事 おっしゃる通り。台湾のツアー会社から入れてくれと言われるのは夜遅くまで開いているドラッグストア。そこで沢山買い物をしていく。だから、すごい観光資源がなくても誘致が出来る。そういった視点からも県内の自治体と協力してやっていきたい。
──ありがとうございました。

 津市民の皆様、あけましておめでとうございます。輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 平成18年1月、新たな歩みを始めた津市は、今年誕生10年目という節目の年を迎えました。
 これまでの間、市町村合併時に皆様が思い描いた新しい津市のまちづくりを着実に進めてまいりました。4大プロジェクトとして位置付けた事業も一つひとつが形となって現れ、新斎場(いつくしみの杜)はこの2日に供用を開始し、新最終処分場、JR名松線は来年春の供用開始に向け順調に事業が進んでいます。産業・スポーツセンターについても、早期に建設工事に取りかかるべく準備を進めています。
 医療では、新しい応急診療所の整備に向けた取り組みを進め、産業振興では、40社の企業誘致の実現や獣害対策推進費の増強、教育では、小中学校の大規模改造を進めるなど、各分野にわたり、まちづくりを進めました。
 さらに、中心市街地の活性化や子育て対策などについては、広くご意見・ご提案をいただけるよう、オープンディスカッションを開催し、皆様と連携した市政を推し進めてまいりました。
 合併時に目標として掲げられた施策は、具体の事業として着実に実現できてきたものと思います。また、東日本大震災を踏まえた緊急一時避難場所の確保や津センターパレス、ポルタひさいの経営問題のように合併時に予期されていなかった課題についても、先送りすることなく対応してまいりました。
 しかしながら、変化の早い時代の中で、更なる課題も生まれてきています。全国的な課題である少子化対策には、子どもを産み育てやすい環境整備がますます重要になってきますし、福祉、医療はもとより教育、環境、産業振興などの分野においては、よりきめ細かい施策の展開が必要です。
 だからこそ、住民に身近な基礎自治体には、その時々の社会情勢を見据え、将来を展望しつつ、市民に寄り添った行政サービスを展開していく力量が今まで以上に求められてくるものと考えています。
 皆様の市政に対する期待をしっかりと受け止め、そして次世代が津の歴史を誇りにしていただけるよう、これまで築いてきた健全財政を基盤に、責任を持って堂々とした市政を展開し「風格のある県都津市」の創造に努めてまいります。

 津市は、「対話」と「連携」によるまちづくりを推進するための機構改革の一環で、来年度、市民部対話連携推進室と政策財務部地域政策課を統合し市民部に『地域連携課』を設置。同課では既存の市政懇談会や地域インフラ維持・補修事業などを行うほか、新たに市内各地域の担当職員を配置する。さらに、統合で両部署の情報管理が一元化されることによって、市民目線の施策がより迅速に実現することが期待される。

 津市では「対話」と「連携」によるまちづくりを推進するため、また行財政改革を進める中で、市民にとって遠い存在となってしまった各総合支所の在り方を改善し、地域の要望に即応するため、市役所の機構改革に取り組んできた。
 その一環で、対話連携推進室と、地域政策課を何れも平成24年度に設置。
 このうち対話連携推進室では旧津市内の地域から寄せられる要望や課題に関し、関係各部との連絡調整業務を担当。また市長と自治会などが市政について直接話し合う「市政懇談会」を毎年実施している。 
 一方、地域政策課では、各支所から、地域の要望や課題のうち本庁が担当するものについて連絡を受け、関係各部との連絡調整を行っている。さらに同25年度に「地域インフラ維持・補修事業」を開始。年度初めから各地域の要望に迅速に応えるため、今まで本庁に集約していた予算を予め各支所に一部シフトし、その執行権限を支所長に移し実施している。
 そして来年4月、両部署を統合し、市民部に『地域連携課』を設置する。統合により、現在、この2つの部署がそれぞれ管理している、旧津市内の地域の要望と、各支所から寄せられる要望に関する情報が一元管理される。そのため、例えば、旧津市とほかの旧市町村にまたぐ課題が発生した場合、よりスピーディーで広い視野での対応が可能になるだろう。 
 また、前葉泰幸市長は、今月2日の市議会定例会で同課について、中学校区程度などの単位で市内各地域の担当職員を配置すると共に各地域で市長・市政懇談会を発展させた懇談会のようなものを定期的に行い、市長と担当者、両方のレベルでフォローする体制を構築したいとの考えを発表。
 これらが実行されれば、行政と地域の距離が大幅に縮まることが期待できる。但し実現には、組織の体制以上に、いかに運営するかが重要だ。現在、この2つの部署には計12人の職員が所属、地域連携課設置に際し職員を増員する予定。増員人数はまだ不明だが、同課の業務は膨大。統合後の体制を最大限生かすには、十分な人数の職員配置と、職員一人ひとりが市民と積極的に交流し、要望を受けた際は実現の可否に関わらず綿密に対応するなどして地道に信頼関係を築くことが欠かせないだろう。

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