社会

5日、津市大門の津市センターパレスホールで津商工会議所=岡本直之会頭=主催の『平成30年・第32回年賀会』が開かれ、地元政財界から約470名が出席。昨年はお伊勢さん菓子博の開催、サオリーナのオープン、高田本山専修寺の御影堂と如来堂の国宝指定など、地域経済にとって追い風が吹いたが、今年は125周年の節目を迎える同会議所として「犬馬の労をとる」心構えで務めることを誓った。

 

IMG_3367 今年も開幕は津商工会議所青年部元気玉太鼓による勇壮な和太鼓演奏。
冒頭の挨拶で岡本会頭は昨年に行われたお伊勢さん菓子博による経済効果や、サオリーナ完成と高田本山専修寺の御影堂と如来堂の国宝指定など三重県や津市の経済にとって追い風のニュースを挙げた上で、交流人口の増加の準備が整ったと指摘。「今年は全国高校総体がサオリーナで行われるが、我々もそれに満足せず、うなぎや松阪肉を味わって頂き、専修寺に足を伸ばして頂き、榊原温泉でゆっくり試合の疲れをとって頂くなど、選手や関係者の皆様の消費を生み出す工夫をしなければならない」と呼びかけた。
そして、同商議所設立125周年を5月に迎えることを紹介すると共に戌年にちなみ、人のために力を尽くす「犬馬の労をとる」という言葉を掲げ、より一層地元の商工業者や地域の発展のために力を注いでいくことを約束した。
続いて、鈴木英敬三重県知事が登壇し「今年はリーマンショックから10年が経過した。三重県もGDPの下落率が全国一位という苦しい経済環境だったが、それが回復し人出不足になっている。それを支えてくれているのは中小企業で、その足腰を強くすることが経済の発展につながる」と挨拶。県として事業承継に力を入れるとした。
前葉泰幸津市長は「これからはまちづくりに加えて、くらしづくりに取り組んでいく」とし、就学前児童の窓口医療費無料化や認定こども園の開設など、津市の取組みを紹介。「それには元気な地域経済が不可欠」と結んだ。
そして、岡本会頭、会員の年男たちが鏡開きを行い景気づけ。田中勝博津市議会議長が音頭をとり盛大に乾杯が行われた後、参加者は交流を楽しんだ。

いよいよ新市として初めて生み出す新総合計画が動き出す今年の市政の状況や総合計画に込められた市長としての思いをはじめ、続日本100名城に津城が選ばれ、高田本山専修寺の御影堂と如来堂も国宝指定を受けるなど、追い風をどう観光施策に生かすのかなど、前葉泰幸津市長に聞いた。    (聞き手=本紙報道部長・麻生純矢)

 

 

津城と国宝の専修寺    津市の貴重な観光資源の活用

キーワードは「こども」    住みやすいまちの根本

前葉泰幸津市長

前葉泰幸津市長

──今年の市政のキーワードをお願いします。
市長 やはり、一番は「こども」。こどもたちの施策をしっかりやっていくことで、津市政がより大きく展開していく年にしたいです。まずは今年4月に津みどりの森こども園など、3つの認定こども園が開園します。それらの園では質の高い幼児教育と温かく包み込むような優しい保育を行います。津市では90年ある幼稚園と保育園の伝統を生かして運営することで待機児童ゼロの状態を続けられる見込みですし、しっかりと小学校へと送り出していきたいと思っています。未就学児の医療費窓口無料化も始まります。未就学児を抱える父母は不安が大きく、特に第一子の場合、何が悪いのかわからないこともあります。だから財布を持たずに医療機関の窓口に行けることで安心して子育てして頂けたら。
それから小学校にエアコンを夏に向けて16校で設置を進め、小中学校の大規模工事も進めていきます。教育内容では、小学5、6年生を対象とした英語教育が全国より2年先駆けて始まります。義務教育学校のみさとの丘学園で更にもう1年早く始めた成果は十分に出ています。先生方もすごく責任感を持って小学校での英語教育を進めていきたいと言っています。
こどもたちの政策に力を入れることで、未来に向けて、このまちを住みやすいまちにしていく。全ての基本は子育てと教育だと思っています。
──ありがとうございました。

農地集約が進む中で全国で問題化しているのが相続時に名義変更されず、所有者が不明となっている相続未登記の農地。津市ではまだ大きな問題にはなっていないが、国も事態を深刻に見ており、そのような土地の利活用を促進する動きを見せているが、自治体としても農地の相続時の登記を促すといった地道な働きかけや集積に向かない中山間地域の農地をどう守るのかという施策を求められている。

 

国は全都道府県に管理できなくなった人から農地を借り上げて、新たな担い手に貸し付ける農地中間管理機構を配置している。そんな農地集約が進む中で、全国で問題が深刻化しているのが所有者の分からない相続未登記農地だ。
相続未登記農地はその名の通り、相続時に登記し直されないまま放置された農地。所有者が親から子へと代々農業を続けている間は、問題となり難いが相続人が農業をやめて農地を放置すると途端に問題の原因となる。農地の集積には当然、地権者の同意が必要だが、何代も相続が行われていると、相続人の数は膨大で実情を把握するのすら困難となる。特に資産価値の低い農地は相続時に、所有権がうやむやのまま放置されることもある。そういった相続未登記地が、大規模営農への集積に向いた優良農地の真ん中に存在し、虫食い状態となったケースは全国でも存在する。
こういった所有者不明の農地を利活用するために公示制度というものも存在はしているが、非常に使い勝手が悪い。対象農地の所有者の生存状況や相続している家族の所在などを確認した上で6ヵ月間の公示を行い、所有者が名乗り出なかった場合に、農地を中間管理機構が取得できるというものだが、作業が余りに煩雑で、わずか5年間しか効力を発揮していないため、全国でたった2例しか活用事例がない。
三重県農地中間管理機構によると、担い手のニーズが高い農地は圃場整備によって比較的新しい時期に登記し直されていることが多く、大きな問題にはなっていないが、相続未登記農地が農地集約の妨げとなったケースも実際にあったという。
津市でも同様で、大きな問題にはなっていないが、集積に向かない中山間地域の農地の状況については津市農業委員会でも実情を完全には把握できていない。そのような地域の耕作放棄地には所有者不明の農地が含まれている可能性は高い。
このような状況を危惧した政府は、所有者不明の土地を機構で借り上げる条件を大幅緩和する方針を示している。
ただこの問題の解決には、国だけではなく農地がある自治体の取り組みも重要となる。2015年の農林業センサスによると全国の耕作放棄地の半数近くを、農地を持っていても農業をしていない土地持ち非農家が占めているというデータが示されており、農業をやめた後に後継者がいない場合や、相続しても管理が難しい場合などは必ず地域の農業委員や農地利用最適化推進委員などへの相談や相続登記の必要性を周知すべきだ。対策の先進自治体では、利活用が出来そうな農地を抽出し、所有者の意向などをまとめるといった取り組みが行われている。
景観や防災など、多面的な役割を果たしている中山間地域の農地をどう管理していくのかという問題も、空き家問題と同時に各自治体が向き合わなければならない課題。空き家に付随する農地の取得面積の下限緩和等で移住者が取得しやすくなる取り組みなども非常に重要と言えるだろう。

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