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前葉泰幸津市長新春インタビュー。三重県の玄関口である津駅前の新たな動きを踏まえた将来展望、復元や都市公園としての整備等様々な観点から将来像を描くための議論を始めた津城跡の整備についてを聞いた。全2回の第2回。(聞き手・本紙報道部長・麻生純矢)
─津駅周辺でも、東西自由通路やバスタの建設に向けた議論が進むなどインフラ面でも発展していく兆しがありますが、今後の展望について教えてください。
市長 津駅は昭和48年にステーションビルのチャムができ、西口のロータリーも今の姿になり50年が経っています。新しい姿に変えていくために東口は更に賑やかに出来ればという意見が出ています。一方、西口は更に使いやすくして欲しいという声が多い。お店を増やすよりは通学時間帯に人が溢れる歩道を何とかできないかとか、送迎の車からの乗り降りがしづらいといったニーズがあったところにバスタの話が来ました。バスターミナルは調査によって必要性が見えてきました。
東口では路線バスはロータリーで何とかしているが、観光バスや長距離バス、津ボートなどの臨時運行のバスなどが出る場所がありません。送迎者もタクシー乗り場の手前で非常に窮屈な状態で渋滞する可能性がある。車椅子の人が乗り降りするような思いやりスペースがない。こういった事情を踏まえると、必要性があり、実際にどういうものを作るのかを考える事業調査に入ると思っています。
市として、どこから手掛けるかというと西口。東口のバスターミナルは調査が進んでいき最終的に国の事業となる。もうすでに道路管理者である津市、地元自治会、交通事業者であるバスとタクシー、荷下ろしをするトラック事業者、地元のビルのオーナーなど関係する方々が入ったエリアマネージメント会議が始まっています。何を話し合ってるのかと言うと、どういう形が欲しいかというニーズをぶつけあう場。これである程度姿が見えてくる。ただ一つだけ問題がある。それが東西自由通路。バスターミナルが駅の南側にできれば通路は今の地下道の上の歩道橋の場所辺りをエリアとして、ある程度太くすれば、お店や座る場所など賑わいの場所にもできます。エキナカまではいかなくても、自由通路ビジネスが展開できるようなものが作れる。一方、駅の北にバスターミナルが出来た場合は、自由通路も駅の北側になるかもしれない。そうすると西口から遠くなる。西口は自由通路の着地点がどのようになるのかと関係があるので、最後の姿まで一気に作り上げて行くのは難しい。しかし、その手前までは早目にやりたいので来年度、会議をやりながら、それを受け止めて絵にする調査をしていく。その次に設計し、更に3年後には工事に入るイメージをしています。
もう一つの課題は駅の空間活用で、ポイントとなるのは東口。歩行者と車を分離すれば、上が歩行者によって賑わい、下がバスやタクシーや送迎の車という形があり得ると思います。
─津城跡が続日本100名城に選ばれて以来、観光客が増えました。市民団体の募金活動やふるさと納税の浸透で、津城跡整備(復元)のために積み立てられた浄財は7000万円を超えています。津市も市民から多様な意見を募るためにシンポジウムを開きましたが、整備へのお考えをお聞かせください。
市長 シンポジウムでも津城の変遷などが語られましたが、昭和42年にお城公園を作る事となり、昭和40年代に都市公園という大きな決断をしている。日本庭園にしても噴水にしても、旧社会福祉センターも史実と関係ない。それが50年経った今、史実に基づく城の櫓の復元に向けた市民運動が起っているなど、お城に対する価値観が大きく変わってきた。お城の歴史をどう守って行くのかを50年後に向かって引き継ぐ転換点に来ている。しかし、昭和40年代の都市公園を全否定するのではなく、維持しながら歴史的なものに手を加えることは出来ると思っています。
史実に基づいた復元がなされようとしているのは北の堀沿いの部分。天守台の石垣などを傷めずに高山神社を守りながら、旧社会福祉センターも取り壊わさなければならない。石垣を傷めつつある樹木をどうするのかというのは、広い城跡の一角の話ですが、多くの意見が出ています。
松などが石垣を傷めているのは事実。樹木医の診断で29本が石垣に影響があると認定されました。それを令和2年度から伐木しており、今年度に終わります。石垣を内側から押していた根は枯れて徐々に無くなり、元の状態に戻って行くというのが専門家の見解。それをやれば一番厳しい石垣は守れます。次は復元したいエリアに残る松や北側以外の石垣や天守台にも木があるので議論が必要。旧社会福祉センターの撤去については、来年度は解体設計、再来年には工事ができます。天守台を見える形で保存していくことになります。
津広報に津城の歴史の連載をしていますが、なぜ始めたかというと、城のことを知って頂くことが大事だと感じたからです。皆さんに少しでも関心を持って頂き、復元することになれば、ふるさと納税で集まっているお金がベースとなります。ただ行政が一緒にお城を復元するとなると税金を使うので相当多くの賛成がないと難しい。津城をどう未来へ繋いでいくのか、その姿を考える市民的な議論の盛り上がりが必要。シンポジウムや教育でもっとお城に触れる機会が必要です。
─ありがとうございました。
2024年1月25日 AM 5:00
前葉泰幸津市長新春インタビュー。津市の中心市街地を時代に即した次の姿へと変えていく官民連携エリアプラットフォーム 「大門・丸之内 未来のまちづくり」の取組みなど津市の課題と展望について聞いた。全2回の第1回。 (聞き手・本紙報道部長・麻生純矢)
─最初の質問です。津市中心市街地の官民連携エリアプラットフォーム 「大門・丸之内 未来のまちづくり」による社会実験を盛り込んだ事業など本格的な取り組みが始まりました。その成果や、どのような声が寄せられているのか、またどのような展望が期待されるかをよろしくお願いします。
市長 大門丸之内は商業振興という観点で活性化に取り組んできましたが、商店主の代替わりや大規模店舗にお客さんが流れるということがあって、中々難しかった。しかし、今回はまちづくりでいこうということで、道路空間活用実験などをやった。これは地元の商店街にどうやってお客さんを来て頂くかというよりも、あの場所をどう使えるかということ。丸之内では国道23号の南側の一番左の車線を地域のために活用したいという声が市長就任当初からあって、その頃は商店主が駐停車できるようにしてほしいということでした。今回のキッチンカーなどを配置する活用策は、人が出てきてもらう作戦。国道の西側には立派なオフィスビルが出来ているが、お昼休みには中々出て来てくれていない。キッチンカーなどを並べて昼食を買ってもらうというのは都会型のお昼の風景。それをイメージしました。
一方、大門は車が中を通ったらどうなるかという実験をした。あの大門の車の通り方は、ビュンビュンと通過するのではなくて真ん中をそっと車が通る。むしろ、メインは歩道側のお客さんというイメージで実験してみました。道幅9mのうち、車道が3mで歩道が両側3mずつ。うち1mの店舗側は椅子や机を置いてオープンカフェにしてもいいというイメージ。その結果、これまで車を通すことだけで議論がされてきましたが、車を通すことと街をどうしていくのかを一体で議論できるようになりました。決定的に大門丸之内に対する考え方は(商業振興から)まちづくりに変わっている。
その理由は、お客さん(社会実験に来た人)の声からもわかる。両地区が賑やかだったころを知らない人も増えており、ここでどういう活用があるかを新しい視点で考えています。昔あった専門店で買い物がしたいというよりも、この空間がどうなれば、自分たちが行きたいまちになるかという観点。これは伊勢街道やそこから広がった道路なり、街の在り方の問題ではあるが、やはり令和のまちづくりになる。新しいまちづくりをどう進めるか、短期的には新たな活用策を実験して探りながら、使い方や在り方についての声を集約していきます。中長期になるかもしれないが土地利用の在り方をまとめていく形にもしていきます。商売をやめる度に短冊形の土地のビルが壊されて細長い駐車場が出来るだけではどうにもならない。時間軸との関係もあるので、どうまとめていくかというところに入っていきたい。難しいことをやっているようにも見えますが、農地では既にやっています。地域計画で、所有者に「5年後どうします?」と問いかけ「担い手に任せます」ということを地図に落とし込もうとやっている。もっと長期の話をすれば、山林の経営管理権調査もやっているのもまさにそれ。自分で管理するか、津市が15年間預かるかを訪ねています。農地も山林もやっているんですから街だってできるはず。古い街から新しい姿に変えていかなければならない。だから、みんなに聞くしかない。これを今までやってこなかった。先祖代々商売をやってきたところで、次の代をどうするというのは聞きにくい話でしたが、聞いた方がいい。それを地図に落とし込んでいけば何かが見えてくるはずです。「一気に再開発を」という声がありますが、それは違うと思います。それをやろうとして津駅周辺の再開発に物凄い時間がかかってしまった。例えば、エリアやブロック毎での議論をしているので、今年の4月以降にしっかりと街に入り込んでいく。そんなまちづくりをしてみたいです。
─社会実験やイベントにも数多くの方が来てましたよね。
市長 そうですね。例えば、ホテル津センターパレスで行われたレッ津!ローカライズ!フェスティバル。ああいうのを求められています。
─昨年、4年ぶりにコロナ禍前と同じ形で津まつりが開催されました。中心市街地があれだけ多くの人々で賑わう様子を見ていると、出掛けたくなる場所を求めているんだなと感じました。
市長 毎日でなくても良いので何かイベントがあれば良いと思います。大門でやっている五十市の若い人や子育て世代バージョンみたいなものがいいのかなと。それを考える上で、自家用車をどうするかという問題があります。今までは市営フェニックス駐車場に停めて歩いて来て下さいだったが、今や玄関横づけが当たり前になってきて少し難しくなっている。例えば、お店が5軒ぐらいあるのを一つにまとめて一角に駐車スペースがあり、うち2軒が商売を続けていくという形にまとめていくなどが良いのではと感じます。中心市街地に出来たコンビニも大きな駐車場を備えており、繁盛しています。それがニーズ。車さばきもセットで考えなければならないので、大門大通りが車を通しながらというのはそのイメージです。
─実際に車を通す実験でどのような声が寄せられていますか?
市長 車を通しても問題ないと思った人は70%くらい。ただし、ない方が良いという声もあり、30%の人達がどちらかといえば反対だった。その理由は安全面。周辺に停め易い駐車場があれば歩行者天国で良い、という今までの考え方に近い意見があります。丸之内の車線利用には90%の支持が集まっているのと比べると意見が分かれています。でも、出来ないことはないと感じています。まだ中身は詰まっていませんが、大門丸之内と津駅の間を自転車で結ぶシェアサイクルができないかとも考えています。
─行政だけでなく、市民がしっかり考えていくのが大事だと改めて感じました。
(次号へつづく)
2024年1月11日 AM 5:00
県内観光の弱点克服めざす 拠点を巡るルート観光
一見勝之三重県知事新春インタビュー。ようやくコロナ禍を乗り越え、新たなステージへと進んでいる県政。三重県の更なる飛躍には欠かすことのできない観光政策、未来を語る上で欠かせない人口減少対策、新たなビジネスを後押しするスタートアップ、更なる発展への寄与が期待されるリニア開通に向けた取組みなど県政の重要課題について聞いた。 (聞き手・本紙社長・森昌哉)
─あけましておめでとうございます。では最初に観光政策です。知事は「県内を訪れる観光客の宿泊日数は少ない。長く滞在してもらえるようにしたい」と、周遊型観光を普及させる必要性を強調されます。特に宿泊先を変えながら複数の名所などを訪れる「周遊型観光」のルートを県内に構築する補助金の支出先として申請のあった3件を採択しましたが、アフターコロナ、ウイズコロナにおける三重県の観光政策について、現在までの取組み状況、進捗状況など具体的にお聞かせ願います。
知事 今年もよろしくお願いします。コロナ前の県内の年間観光客数が大体4000万人。順位では大体全国10~11位。三重県の県勢が21位くらいと考えると良い数字。しかし、平均宿泊日数が低い。名古屋や大阪から観光客が来るが、日帰りで帰ってしまいます。全国平均と比べると下。これをなんとかしないといけない。泊まってもらわないと県内にお金が落ちにくいからです。首都圏からの宿泊者数もコロナ前から減っています。式年遷宮があると上がるが、そこから下がり続けているので、なんとか横ばいにして、出来れば伸ばしたい。更に外国人も少ない。これが3つの弱点。
これを観光部が指摘してくれたので、これに対する対応を考えています。やり方はとてもシンプルだが結果が出るのに時間がかかる。例えば、三重県は駅中の広告をこれまで出してこなかったので一昨年から出し始めました。宿泊日数を増やすための周遊型の観光で何泊かしてもらえるようにしたい。三重県は観光地は他の県知事から羨ましがられるほどある。そこを繋ぎ合わせるためにルートの観光をやっている。外国人もコロナ以前まで戻っていない。他ではコロナ前を超えているところが増えているのは外国人。三重県は外国人が増えていないので戻らないんです。日本人は海外へ行ったりし始めましたから国内の戻りは少し遅い。それを補って余りあるのが外国人。三重県はそれができないので、これをしっかりやっていかなければならない。観光指針を令和5年4月に出して、インバウンドや東京にもちゃんとPRを行うことなどを始めました。それを更に広げて深度化してるのが観光基本計画。いま議論中で、ほぼほぼ出来上がっている。
─柱となる考え方や政策は決まっていますか。
知事 まず拠点を巡るルートを決めるには、地域のDМО(観光地域づくり法人)と言われる観光の公社的なものがルートを考えていかなければならない。そのための補助金を用意しています。
─県内の観光地は点在していますよね。
知事 南勢では伊勢志摩鳥羽は近いので密接に連携しており、鳥羽に泊まって鳥羽水族館やミキモト真珠島、伊勢神宮、志摩へ行くというのもできます。もちろん、志摩や伊勢に泊まってもいい、北勢ではナガシマリゾート、鈴鹿サーキット、関宿、そして少し足を伸ばせば伊賀もある。
そして、中勢地域でどうやって観光地を掘り起こしていくか。DМОは伊勢志摩にも亀山にもあるが、中勢にも高田本山専修寺という国宝があり凄く良いんですが、その後にどこへいくというのがある。
しかし、津市の寒松院にはびっくりするくらい立派な藤堂家のお墓が並んでいる。松阪にも昔の武家屋敷があり、旧長谷川邸などもあるので周遊を考えても良いと思います。そもそも、セントレアと直結している「津なぎさまち」を使わない手はないと思います。
─地元の盛り上がりも大切ということですね。
人口減少問題の解決めざし 子育てや出会いを支援
─三重県は人口減少対策に役立てるため、子育て支援策のアイデアを募る新しい「みえ子ども・子育て応援総合補助金」発表しました。1市町あたり計3600万円を上限に事業のアイデアが提案できる。人口減少が特に進む10市町に対し、県は事業費の3分の2、その他の市町には半分を補助する。優れたアイデアがあれば、柔軟に上乗せを検討する方針とのことですが、現在までの受付状況などをお聞かせ願います。また、子育ての前段階といいますか、まずもって生涯未婚率が高まる一方の、結婚したくても成婚に至らない、どうしたらいいのか分からない、などの声も聞きます。三重県としての何か取り組みがあればお聞かせください。
知事 人口減少にスポットを当ててきたが、国でも子供にかかるお金を減らそうと3人以上の大学無償化などを決めています。我々も医療費の一部を市町の肩代わりをする事で浮いた計1・3億円を子育て支援に充てて下さいということをやっている。もっとストレートにこども総合補助金で市町がやりたくてもやれないようなことを県から2分の1か3分の2の補助をしています。これは成果を上げているので、そこが重要だと思います。妊娠から大学生になるまでの支援も大事ですが、結婚したくても出来ない人へスポットを当てる必要があります。県議会でも議論はありますが、やっていくべきだと考えます。47都道府県のうち31は結婚支援をやっています。50歳の未婚割合が1990年で男性3・9%、女性3・1%。2020年には男性は25・1%、女性13・6%と増えている。しかし、いずれ結婚するつもりとアンケートに答えた人は半数いるが結婚できない。それは出会いがないからなので、みえ出逢いサポートセンターの利用も伸びており、新たにサポーターをつくって活動をしている。
─当社もそういった方々への支援として結婚相談所事業をやっています。出会いの場がなく、昔のように世話やきな人もいないし、社内ではハラスメントになる可能性があり、異性とのコミュニケーションがとりにくいという背景があります。基本的に結婚がなければ子育てはありませんよね。
知事 ぜひぜひ頑張って頂きたいです。先進国が抱える問題で、子育てに光があたったのは1930年代のスウェーデンのミュルダール夫妻がきっかけとなり、ヨーロッパは子育てを支援するようになった。日本では随分遅れており、ドイツは10年くらい前に女性の家庭大臣が就かれて以降、出生率が上向きになっている。20年、30年かかるかもしれませんが、ひょっとしたら10年くらいで成果が出てくるかもしれない。今やらないと落ちる一方。三重県にとっても、大事な問題。茨城県はAIを使用したマッチングで2年間で91組が結婚している。三重県も一対一の引き合わせをやっていて238名の利用登録がありました。
企業のスタートアップ応援!
─日本は従来からの慣例や慣習、経済界の上下関係、資金調達の難しさなどが影響して、若者などが新しく自由な発想でのビジネスモデルの構築がしづらいと言われます。時代の流れが早い昨今のビジネス界においては、日本が世界に取り残されないためにも才能ある起業家が、その能力がいかんなく発揮できる土壌づくりが欠かせません。三重県は経済団体や大学などと連携して、起業を希望する人達を支援する新たな枠組みをつくり、スタートアップ企業の創出に力を入れていくとし、「みえスタートアップ支援プラットフォーム」を設立しました。「三重県ならではの環境に配慮したり、自動車など県内産業に密接したりする企業が生まれてほしい」と述べられていましたが、この新たな枠組みへの期待感は。
知事 新しいもののように聞こえますが、新しい商売のやり方を考えて起業するというのは、三重県は例えば三井家、真珠の御木本幸吉など今であればスタートアップとして認められるものがあります。それだけの県民性や気概はあると思います。スタートアップが出てくるためには、それだけ大きな市場と資金が必要。小さなところからでも結構なので、アイデアを出してやって頂きたい。農業であれば、津市の浅井農園さんは非常に頑張って頂いており、他県の知事も見に来て凄いと驚いていた。新しいやり方をしている。色んな所に工夫を凝らしていくのがスタートアップで、それを行政が応援していく。3つ補助金もつくったので、新しい産業を起こしていかなければならない。アメリカ一強の時代になっているのは、新しいことをやっていったからです。日本は意思決定に時間がかかりますが、良いものを出してます。例えばデンソー発のQRコードは世界を席巻しています。
─ものづくりから付加価値産業型へとビジネスがシフトしている面もあります。今までは良いものを安く作るという方向性で進んできましたよね。
知事 私も商売人の息子ですが、安く売るのは良いことなんですが、物の価値を評価してもらうのが大事。段々変わってきているとは思います。
観光もそうで高付加価値とか富裕層を狙う方向で考えていった方が良いです。余裕のあるものをどうやって提供していくのかということだと思います。
リニアの県内停車駅は 三重県の活力に寄与
─知事はリニア中央新幹線建設促進三重県期成同盟会会長でもあります。10月には、県内の停車駅位置の確定に向けて、鉄道や高速道路によるアクセスや利便性等を十分に勘案し、リニア中央新幹線の整備効果を県内全域に波及できる場所となるよう「三重県駅は、期成同盟会が令和4年11月に示した亀山市内の3つのエリアから選定し、その場所を提案すること」などを含む要望書をJR東海に出しています。名古屋から大阪間のリニアが開業した際の三重県駅の開設は、三重県民の悲願でもあります。知事も思いや期待をお話ください。
知事 リニアは三重県にとって決定的で重要な施設になる。昔はお伊勢参りで全国から人が集まっていた。高度経済成長期以降は名神高速道路は三重県を迂回しているし、東海道新幹線も同じ。東京に40年近く住んでいましたが、三重県を遠いと思っている人が多いが、そんなことはないんです。リニアが出来ると東京から一時間。大阪まで20分。どちらも通勤圏内になり、多くの企業が三重県に来る可能性があります。なぜならば三重県は土地が安い。働き手としての三重県民は凄く勤勉で真面目。この評価は東京や大阪からも聞きます。その日が来れば人口も増えていくし、産業も振興していくので1日も早く開通してほしい。
─これは大きなテーマになりますね。県民の活力にも繋がっていくので頑張って頂きたいです。本日はありがとうございました。
2024年1月10日 PM 12:48