社会

『マイナンバー制度』の開始から1年余りが経過。一時期は落ち着いていた制度に対する津市への相談も、年末調整や確定申告の手続きが必要となるこの時期に再び増加している。一方、通知カードをまだ受け取っていない世帯や作成した個人番号カードを受け取りにこない人もいるなど問題点もある。市への相談で特に注意すべきものなどをまとめた。

 

 

昨年、津市は制度の開始に伴い、市内12万3282世帯(約28万人)に対し、簡易書留でマイナンバー通知カードを送付した。しかし、転送不可なこともあり、不在等で当初約1万700通が返戻された。その後、少しずつ受け取りは進んできたものの、11月1日現在で、まだ約2500世帯分ものカードを預かっている状態だった。国の意向もあり、保管期間の延長を続けてきたが、年度末の来年3月末を目途に廃棄される可能性がある。
だが、ここ最近、サラリーマンの年末調整や個人事業主などの確定申告の手続きでマイナンバーの記入が初めて必要となるため、制度に対する相談やカードの受け取りも増加している。それに伴い、受け取った通知カードの紛失についての相談も急増している。再発行をする場合は、市の窓口で手続きを行った後、国が再発行するので、1カ月ほどかかってしまう。そこで年末調整の手続きなどで早急に自分のマイナンバーが知りたい場合は、最寄りの市の窓口で、その旨を伝えた上でマイナンバー入りの住民票を発行してもらえる。
また、ネット上から確定申告が行えるe─Taxを利用する際にも期限が切れた住基カードから、マイナンバーの個人番号カードに切り替えていく必要がある。そのため、今年度からマイナンバーのカードを使う人もおり、その相談も市に比較的多く寄せられている。こちらに関しては作成だけならば、無料でスマートフォンから簡単に作成手続きをできるものの、申請者本人が直接最寄りの窓口でカードを受け取る必要がある。また即日発行の住基カードと違い、国が作成するので1カ月ほどの期間が必要。2月の確定申告に間に合わせるためには今から作成した方が確実。また、e─Taxの手続きに使う手持ちのカードリーダーがマイナンバーのカードに対応しているかも確認が必要だ。
ちなみに個人番号カードの津市での交付数は11月1日現在で1万6149件と全体の約6%にとどまっている。その一方、前述の通り作成手続き自体は簡単であることから、作成したものの、申請者が受け取りにこない個人番号カードが相当数に上っている。市では申請者に受け取を求める通知を再送し、交付を進めてはいるが旧津市だけでも作成数約1万2200件の内、約2000件が受け取られていない。こちらも保管期間が限られており、早期受け取りを求めている。
制度開始から1年たったが、まだまだ我々の生活に馴染んでいるとはいえないマイナンバー。しかし、今後は年末調整や確定申告だけでなく、様々な分野で利用されていくことが確実。必要な時に利用できるよう、しっかりとした管理が求められているといえる。両カードなどの問い合わせは津市市民課のマイナンバー担当☎津229・3198。

家の中での急激な温度差が身体に様々な悪影響を及ぼす『ヒートショック』が急増するこの季節。特に高齢者が入浴する時に発生することが多く、夏期と冬期の寒暖差が激しく住宅の断熱化が余り進んでいない三重県は全国的に見てもヒートショックのリスクが高いという調査結果も出ている。高齢化社会の進行と共に問題は深刻化していくとみられるだけに、家庭での心がけや住宅の断熱化など然るべき対策が重要となる。

 

 

消費者庁が今年1月に発表した冬場の高齢者の入浴事故に対する注意を呼びかける文書によると、家庭の浴槽で溺死した人の数は、平成26年で4866人。平成16年と比べると、7割増加しており、うち高齢者が9割を占めている。更に厚生労働省の調査によると入浴中の事故死者数は年間約1万9000人と、同年の交通事故死者数4113人を大きく上回る実情が浮き彫りになっている。
冬期に入浴する際に、暖かいリビングから、冷えた脱衣所や浴室に移動。そこから急に熱い湯につかることで血圧が乱高下をおこし脳・心臓・呼吸器の疾患に繋がる。老化によって血管がもろくなっている高齢者はそれが顕著となる。
こと三重県に目を移すとどうだろうか。北海道大学の羽山弘文教授が都道府県別に心疾患による死亡・脳血管疾患による死亡・呼吸器疾患による死亡・不慮の溺水などの発生と、外気温の密接性を調査した結果によると、脳疾患死が三重県は全国2位。呼吸器疾患でも8位に入っている。そのほか、九州・四国地方の県の順位が高く、逆に北海道や青森県といった東北地方などの寒冷地や沖縄県は軒並み低くなっている。
これには、夏と冬の気温差が大きく影響しており、比較的温暖な地域ほど、冬季の死亡者が増える傾向にある。年中温暖な沖縄県は例外と言えるが、北海道や東北地方にある県の死亡率が低いのは住宅がしっかりと断熱化されていることが理由といえる。三重県では少し古い住宅となると、充分な断熱が施されていない家が多く高齢者の暮らす住宅となれば顕著。それが死亡率の高さに繋がっているとみられる。
簡単な対策をするだけである程度、死亡事故を減らせる可能性も高く、前述の消費者庁の文書にも5つの対策が記されている。①入浴前に脱衣所と浴室を温める(浴槽に湯を入れる時にシャワーを使うと蒸気で浴室が温まる)②湯の温度は41度以下、浸かる時間は10分が目安③浴槽から急に立ち上がらない④アルコールが抜けるまで、食後すぐの入浴は控える⑤入浴前に同居者に一声かけてもらう。その他にも入浴前に水を飲むこと、掛け湯を必ずする(手足など心臓から遠い部分からかける)こと、持病が無い元気な人でもリスクがあることなども重要な注意点といえる。
国も看過できない問題として、高い断熱性を備え、高齢者・障害者・子育て世代も安心して暮らせる断熱性を含む高性能住宅の普及をめざす「スマートウェルネス住宅事業」を進めている。県内では、建材業者や建設業者による「みえ健康・省エネ住宅推進協議会」が事業を受託し、断熱改修前後の状態調査や、普及活動に努めている。そこから発展する形で、建築業界や県や三重大などを巻き込んだ産官学連携による三重県型の健康住宅を模索するために「みえ健康住宅産業フォーラム」を立ち上げて議論を推進中。住宅の断熱改修を行う場合には、断熱前後の身体の状態などの調査に協力するなどの条件と施工業者に限りはあるが、限度額120万円の補助が受けられるスマートウェルネス事業や、条件を満たすエコリフォームをすると限度額30万円の補助が受けられる住宅ストック循環支援事業といった補助金もあるので活用するのも良いだろう。
津市消防本部管内で昨年12月から今年3月にかけて発生した浴室の急病事案は全76件。内69件が高齢者で心疾患・脳疾患・呼吸器系疾患がそれぞれ3件。その他の原因でも38件中、21名が意識消失という結果となっている。これら全てヒートショックによるものではないが、無視できない数字であることは間違いない。
これから高齢化社会の進行に伴い、この問題はますます深刻化していくことは間違いない。市民一人一人が自分の命は自分で守れるよう心掛けて対策をすることが重要であるといえる。

5日、津市センターパレスホールで、新津市誕生10周年記念「第9回高虎サミットin津」が、藤堂高虎公ゆかりの6市町が参加し盛大に開かれた。今回は公の義理の息子で公から強い影響を受けたとされる、大名・茶人・作庭家の「小堀遠州」を取り上げ、「城づくりの名手」であったと同時に「人づくり」にも長けていた公の新たな人物像について関係者らが活発に意見を交わした。主催=同実行委員会、津市。

 

高虎公ゆかりの地、6市町の首長らががっちり握手

高虎公ゆかりの地、6市町の首長らががっちり握手

同サミットが津市で開かれるのは、平成10年の第1回と同20年の第5回以来、今回で3回目。津市をはじめ、甲良町(滋賀県)・名張市・伊賀市・宇和島市(愛媛県)・今治市(愛媛県)の6市町の首長・幹部職員らとオブザーバー参加の長浜市や来賓も多数出席。また、藤堂宗家15代・髙正氏と弟の髙幸氏も来津。
開会セレモニーでは、開催地である前葉泰幸津市長が「高虎サミットでは高虎公の偉業(まちづくり・海運・物流など)を確認しながら今後のまちづくりの参考にするのが目的でもある。今回は公の人脈について議論したい」と挨拶。
また、ゆかりの地の首長の挨拶の後には、津市指定無形民俗文化財である八幡獅子舞・入江和囃子も披露された。
続いて、茶道文化研究者の深谷信子氏が「藤堂高虎と小堀遠州の人脈と寛永文化」と題して基調講演(詳細は別

安部龍太郎氏も参加

安部龍太郎氏も参加

項)。
パネルディスカッション「藤堂高虎の人づくり」では、サミット実行委員長の藤田達生三重大学教育学部長をコーディネーターに、直木賞作家の安部龍太郎氏、深谷信子氏の両パネラーが意見交換。
冒頭、藤田氏が築城の名手であり、徳川幕府の成立に貢献した高虎公の生涯と功績を改めて紹介。同郷出身で京都の屋敷も隣同士で親密な関係にあった小堀正次・遠州父子が人脈づくりのために茶会を開いてきた重要性を指摘した。
安部氏は、遠州が朝廷の影響が強い西国で茶会を開くことの意味について「酒宴を中心に人脈が築かれていた公家社会を突き崩すために、武家社会の象徴的な文化である茶会をもってきた」と解説。
深谷氏は江戸幕府の運営を安定させるために果たした遠州の功績を語った。
パネルディスカッション後、前葉市長が「高虎公ゆかりの地を絆とし、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりを目指して、
①全国に残る高虎公の有形無形の業績を守り伝えると共に次代に引き継ぐ担い手となる②高虎公ゆかりの地に住まう私達は、まちを訪れる人や、そこに暮らす人々のために心をつなげ、魅力あるまちづくりを推進する③偉業を万人共通の至宝とするため、NHK大河ドラマドラマの実現など多様な手法により、全国に発信するよう努める、以上3点の実現に向け、日々努力を重ねることを確認し宣言する」としたサミット宣言を披露し、前葉市長から2年後の第10回サミット開催地・甲良町の北川豊昭町長に開催旗が手渡された。

[ 4 / 58 ページ ]« First...23456...102030...Last »