社会

津市では、新型コロナウィルス感染症対策の「特別定額給付金」について、意欲の高い担当職員らによる迅速かつ的確な事務や、地元企業の多大な協力によって全国的にも早い振り込みを実現。5月31日までに、対象人口27万7109人のうち23万7542人への給付を完了し、コロナで打撃を受ける市民の家計に大きく貢献した。6月1日に給付事務体制を再編し、残る約4万人へもきめ細かく対応していく。

 

 

前葉市長(最前列右から2人目)と、特別定額給付金等推進室の職員ら

前葉市長(最前列右から2人目)と、特別定額給付金等推進室の職員ら

津市は、5月31日までに、対象人口27万7109人のうち23万7542人への給付を完了し、給付額合計は237憶5420万円、人口に対する給付率は85・72%に上った。当時まだ申請書の発送すら完了していない自治体もある中、全国的にも早い対応で家計を支援し、多くの市民から感謝の声が上がっている。
迅速な給付を実現できた要因は、事務体制の充実。具体的には、4月20日に給付金に関する事業費が盛り込まれた補正予算案が閣議決定された直後、22日に市役所市民部に「新型コロナウィルス感染症特別定額給付金等推進室」を設置。5月10日には郵送申請の申請書発送を開始。同月13日には郵送申請受付による給付を始め、これは全国計52の県庁所在地・政令市の中で最も早かった。
給付事務には、普段、学校給食などに携わる会計年度任用職員も最大時107名参加。各部署からの応援もあり、最大時218名体制で高い意欲を持って迅速かつ的確な作業を行った。
また地元の郵便局やIT・印刷・金融関連の企業の協力も大きかった。
同推進室は今月1日に給付事務体制を再編し、
到着した申請書の給付ま
での処理に加え、申請書の不備による返戻分や、施設入所者などで未申請の人への周知・呼びかけにも注力している。
同日、前葉泰幸市長が給付事務担当職員への訓示で「本当にご苦労様でした。津市役所が頑張ったということに加えて、津市の企業さんたちが本当によくやってくださった。まだ給付が完了していない約4万人は、住民票を移していないとか個別の事情がある方が多いと思う。できる限りきめ細かく、どうしたら良いかわからず困っている方には手を差しのべる形でやっていってほしい」と激励した。
なお、申請書の不備の事例には、銀行口座ではなくクレジットカードの情報が記載されているなどがある。不備があった場合、給付金に乗じた電話詐欺と混同されることを避けるため、電話はせず郵便で連絡している。
申請締め切り日は8月12日㈬。問い合わせは、津市の新型コロナウィルス感染症特別定額給付金等推進室の給付金専用相談窓口☎059・229・3574。

 

 

高田高校の「仏青インターアクト部」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で臨時休校になった3月より部員36名が自宅学習の合間を活用し、手作りの布マスクと栞を作成。品薄でマスクの入手に困る人たちに配ったり、保育園、幼稚園、児童養護施設などへ寄贈している。思うように学校生活が送れず、自身の生活も制限される中でも、他者に手を差し伸べられる部員たちの温かい心は感動を呼んでいる。

「仏青インターアクト部」の部員たち

「仏青インターアクト部」の部員たち

ボランティア活動を行っている同部。校内では仏教行事の準備や林間学校の手伝い、校外では青少年赤十字連盟や津市教育委員会などが主催する活動への参加、災害などへの支援募金、老人ホームへの慰問、一身田寺内町の清掃活動やJR一身田駅の花の植え替えなどを積極的に実施。昨年は高齢者施設で働く講師を招き、認知症サポーター養成講座の研修を受け、高齢者福祉への関心も高めた。
同校も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月末まで臨時休校中。部員たちも自宅で過ごす日々が続く中、ニュースでマスクが不足し、手に入れられずに困っている人たちがいることを知り、自分たちで何かできることはないかと、身の回りの布を活用し、手作りでマスクを制作。3年生で部長の庄司衣吹さんは、布マスクづくりが人気となり、品薄になっているゴムひもなどの材料の調達も行い、顧問の藤田正知教諭を通じて、部員に届けながら全員で約300枚縫い上げた。手芸が苦手な部員は、栞を作成した。
心を込めてつくったマスクと栞は、和奏カフェ=津市南新町=で希望者に配布。高田保育園、高田幼稚園、児童養護施設にも子供用マスクなどを寄贈した。
通学できずに、自宅で制限された生活を送る中でも、誰かのために何かがしたいという部員たちの温かい思いのこもったマスクや栞を受け取った人たちは感動。庄司さんは「笑顔と感謝の気持ちを頂けるだけで嬉しい」と喜んでいる。

芸術などの分野で活躍する市民でつくる「NPO法人森の劇場プロジェクト」=長野多恵代表=は2016年から、白山総合文化センターしらさぎホールを活用する津市委託の文化創造事業を、劇場法に則り実施。芸術を通じて教育・福祉・地域コミュニティ回復に貢献してきた。20年~23年をプロジェクト第2期とし、さらなる発展を目指す。新型コロナの影響で今年度の同事業は中止だが、法人独自の企画を模索中。

 

津市委託の文化創造事業が行われている「白山総合文化センター」

津市委託の文化創造事業が行われている「白山総合文化センター」

同プロジェクトは、劇場法(2012年施行)を受け14年に行われた、津市民文化祭特別研究事業での同ホール活用方法の検討・提言を契機に発足。芸術や地域活性化など様々な分野で活動する市民で構成されている。
そして16年から、白山総合文化センターしらさぎホール=白山町二本木=を活用する津市委託の文化創造事業を実施。官民連携で教育・福祉・コミュニティ回復の機能を持つ社会機関としての劇場づくりを行ってきた。
そのうち恒例の「子ども里山そうぞう学校」では、児童が地域住民の協力のもと自然学習などを行い、地域の文化や生活芸術に触れたり、演劇の舞台出演を経験。実体験や出会いを通じて、他者と向き合う・自分の価値基準を持つなどの人間力を身につけている。
また同学校を数年継続するうちに児童の保護者同士の交流が深まって、会話の中で子供の今後の成長に不安を抱える母親が多いことが分かり、先輩の母親が、新入生の母親の子育ての話を聞くカフェが自然に誕生した。
今までに同学校に関わった子供・保護者は200人に上り、同学校卒業後、プロジェクトへの協力を希望する子も。劇場づくりに関わるコミュニティが広がりつつある。
そこでプロジェクトはより多くの人が活躍できる枠組みを作るため、先月NPO法人化。20年~23年を第2期と考え、市民と行政が協働で文化事業の実用的な評価基準を作るなどの法的整備や、プロジェクトの企画においてコーディネーターの役割を果たせるリーダーの育成を目指している。
津市が新型コロナ感染防止のため今年度の同事業中止を決めたが、長野さんは同学校に参加予定だった児童らと、今年度、法人独自に行う企画を模索中。「人間にとって命の次に大切なのが文化・芸術であり、それらを表現することがコロナ収束の兆しの一つになると思う」と力強く話す。

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