社会

防犯優良アパート第1号の「メゾン・ルミエール」

 『三重県防犯優良アパート認定制度』はマンションと比べるとセキュリティが弱く、侵入犯罪被害に遭い易いアパート(3階建て以下の集合住宅)の安全性を高めるために今年3月に創設されたもの。各部屋毎にモニター付インターフォンやピッキング対策錠の設置など20の認定基準を満たせば新築・既築問わず認定される。家賃や立地だけでなく、安全性も部屋探しの重要な基準となる昨今、大きな指標となりそうだ。

 

 アパートやマンションなどの賃貸集合住宅は、入居者同士のコミュニケーションが希薄になりがちなだけでなく、各々で防犯設備を整えることが難しい。目の前にいる人間が入居者なのか、その家族や知人なのかが一目で区別がつかないため、侵入犯罪が起こり易い。特にアパートは、エントランス部分からオートロックなどで管理されていることが多いマンションと比べるとそれが顕著。部屋別のセキュリティ機能が充実している物件も少ない。
 そこで、公益社団法人・三重県防犯協会連合会、一般社団法人・三重県建築士会、NPО法人・三重県防犯設備協会が共同認定機関となって今年3月より始めたのが『三重県防犯優良アパート認定制度』。三重県警の後援も受けているこの制度の認定基準は大きく2つに分かれており、1点目は「侵入されにくい構造・設備の完備」として階段などの共用スペースや駐車場には防犯カメラや防犯灯、各部屋にもピッキング対策錠や防犯ガラス、ガラス破壊検知アラームを設置。もう1点の基準は「侵入された場合の外部への連絡手段の完備」。玄関、浴室、寝室への非常ボタンやそれと連動する屋外警報器の設置を求めている。これら基準を満たす物件を新築・既築問わず、「防犯優良アパート」として認定。認定プレートを交付する。同様の制度は福岡県・千葉県・神奈川県に次いで4番目。
 3日には松阪市大黒田町の2階建アパート「メゾン・ルミエール」(築17年)が第1号認定を受けた。オーナーの松田高志さんは、「入居者に安心して住んで頂けるし、犯罪に対する抑止力になるのではないかと思う」と話している。
 一人暮らしの女性などにとっては、家賃・立地などに次いで安全性は重要な部屋選びの基準となる。一定の設備投資や認定手数料は必要なものの、オーナーや建設業者にも、顧客ニーズを満たせるこの制度は大きな魅力となるはずだ。
 認定手数料は新築15万円既築8万7千円(認定プレート代込)。申請に必要な書類などは三重県防犯協会連合会=http://www.miebouhan.com 
 

 「津商工会議所青年部」=中垣内良紀会長=が13日の津まつりフェニックス会場で運営する『YEG祭~ザッ津YEG!エコストリートフェニックス』は青年経済人の集団らしい先進的な取り組みで会場から出る温室効果ガスの削減に取り組む。廃棄物関連法の壁もあり、通常ではまず不可能な会場内から出るゴミの100%リサイクルステーション運営を筆頭に、楽しく環境に優しい21世紀型のまつりの形を提案している。 

 『持続可能な社会』が人類共通のキーワードとなる中、今年も12日・13日に津市の中心市街地一帯で催される津市を代表する一大イベント「津まつり」で環境に軸足を置いた企画に取り組むのが津商工会議所青年部=以下、津YEG=だ。
 12年前より津YEGではフェニックス通り周辺会場でYEG祭と題して様々なイベントを企画・運営してきた。今年も13日に行うYEG祭=楠幸治実行委員長=のメインテーマは「ザッ津YEG!エコストリートフェニックス~カーボンニュートラルへの挑戦~第一章」。会場には70ブースもの出店・出展が並び旭美容専門学校の協力で毎年開いているフェイスペインティング、様々なステージイベントなどで祭りらしく盛り上がりつつ、電気で動くセグウェイなど環境に優しい乗り物の試乗も企画。二酸化炭素を中心とする温室効果ガス削減への様々な試みが散りばめられている。
 それらの試みの核ともいえる存在が、今年でYEG祭へ設置するのが4回目となる会場から出たゴミの100%リサイクルを行うリサイクルステーションだ。簡単に説明すると、会場の一角にあるテント内にゴミの種別毎に分かれたゴミ箱を設置し、フェニックス会場で購入した飲食物などから出たゴミを来場者自らがある程度分別していく。そのゴミを、プラスチックはPRF原料(固形燃料)、箸・串は燃料チップ、紙・紙コップは製紙原料、ビンはビン原料、缶は鉄原料、ペットボトルはPET原料、生ゴミは飼料とゴミの100%リサイクルを行う。しかし、単純そうに見えるこの行程の難易度は高い。
 通常の場合、津まつり会場から出るゴミは家庭系一般廃棄物として扱われ、津市が処理を行うという形をとっている。しかし、もっぱら物と呼ばれる缶やビン以外のゴミの運搬や、処理は関連法で厳しく制限されており、家庭用一般廃棄物は自治体に処理を任せるという形になる都合上、前述のような細かい分類でのリサイクルは不可能だ。
 そこで同YEG会員でリサイクルステーションの運営にも深く携わる廃棄物処理業者「マルゼン㈲」=津市大倉=の代表取締役・野瀬長勢さんが産業廃棄物を管理する県や、一般廃棄物を管理する市と交渉。YEGをゴミの排出事業者に設定することで会場から出るゴミを一般企業の事業活動で生じるゴミと同じ事業系一般廃棄物と産業廃棄物という扱いで排出する。それを県と市の収集運搬許可業者であるマルゼンがリサイクル工場などへ運搬し、資源へと生まれ変わらせるという流れを踏んでいる。昨年実績はPRF原料120㎏、PET原料50㎏、アルミ等原料15㎏、ビン原料15㎏、燃料チップ原料、豚飼料150㎏、トイレットペーパー約550個分の紙原料と、ほぼ完全な形でゴミのリサイクルを達成した。
 更に今年はエリア内に出店する飲食業者から「エコ協賛金」を集め、それで購入した間伐材を使用した割り箸や非石油製品の食器などを使ってもらうことで、更なる温室効果ガス削減に取り組む。最終的にはどれだけ温室効果ガス排出量を削減できたかを算定するなど、より綿密に環境に配慮した取り組みを行う。
 祭りは長い年月をかけて受け継がれていくものだけに「楽しみながら環境に優しく」という考え方は、これから重要なテーマとなるのは確実。ゴミ問題は祭りの運営にはつきものであることを考えればなおのことだ。コストや労力面から完全に同じ手法を普及させることは難しいが、青年経済人の集団らしい創意と工夫で21世紀型の祭りのあり方に一つの方向性を示しているといえるだろう。

三重県を代表する強豪チーム「一志Beast」の部員たち

 津市と松阪市の小学生による陸上チーム『一志Beast』が数々の大会で華々しい成績を残している。チームとしては先月末の三重県小学生クラブ対向陸上競技選手権大会で悲願の男女総合優勝を果たし、個人でも所属選手の須川真衣さんが8月にあった全国小学生陸上競技交流大会で県内の小学生女子初の日本一に輝いた。東京五輪や三重国体に向け陸上界も盛り上がる中、小さな〝野獣〟たちの今後の活躍が楽しみだ。

 今年で、9年目を迎えた『一志Beast』は、05年当時市立一志中学校の教員(現美杉中学校教員)だった田中由一さんが中心となって設立。田中さんは全国的にも有名なカリスマ陸上競技指導者で中学・高校の陸上競技で活躍する選手を育てたいと、田中さんの元教え子らをコーチに迎えスタートした。運営体勢としては初代監督で現在顧問を務める田中さんから、2代目監督の太田安治さんに引き継がれ、今年より昨年の全国マスターズ800mで日本一に輝いた地守さんが3代目監督としてチームの指揮をとっている。
 設立以来、ほぼ毎年全国大会や美し国駅伝代表を輩出するなど名実共に三重県を代表する強豪チームとして活躍を続けており、現在は津市・松阪市の小学生88名が部員として所属。一志中学校と高岡小学校のグランドを拠点に日々練習を重ねている。また、チームのОB・ОGも国体やインターハイに出場している。
 最近では、8月23日・24日、神奈川県横浜市の日産スタジアムであった日清食品カップ第29回全国小学生陸上競技交流大会で、女子5年100mの部で須川真衣さんが13秒46で三重県の小学生初となる日本一の栄冠を勝ち取った。更に5年男子100mの部に出場した中垣内太智くん(13秒24)も全国3位。地監督の愛娘である晴帆さんも6年女子80mの部で準決勝進出と好成績を残している。
 チームとしても8月31日に伊勢市の三重県営総合競技場で第18回三重県小学生クラブ対抗陸上競技選手権大会で設立以来の悲願であった男女総合優勝を達成している。
 それほどのチームゆえに練習は非常に厳しい雰囲気を想像しがちだが、質の高いメニューをこなしながらも、選手全員がはつらつとした表情で練習に参加しているのが印象的。選手の保護者もコーチやスタッフとして運営に携わり、試合に勝ち抜くために必要な体力や技術だけでなく、精神的な充実感を得られる環境づくりにも注力している。
 地監督も「チームとして一番大事にしているのはスポットライトを浴びる勝者の育成をめざすのではなく一人ひとりが輝けるチームづくり」と、チームが選手たちの成長の場であることを強調する。
 平成32年の東京オリンピック、その翌年の三重国体と、これからの陸上界を担う選手たちのモチベーションを高める大きな目標が目白押し。津から全国や世界をねらう小さな〝野獣〟たちの活躍にも期待だ。

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