社会

 津市のふるさと納税制度『ふるさと津かがやき寄附』に今年1月より設けられている『津城跡の整備』項目への寄附金が1000万円を突破した。ふるさと納税ブームも追い風になっているが、「津城復元の会」の会員たちが様々なイベント会場で制度利用の呼びかけや募金活動を行うなど地道な継続が大きな成果につながっている。次は、〝津城復元〟が現実味を帯びてくる1億円の大台突破をめざし、更なる力の結集を期待したい。

 

 

高虎楽座で「高虎一代記」を上演した 劇団津演の役者たちも募金活動に協力

高虎楽座で「高虎一代記」を上演した
劇団津演の役者たちも募金活動に協力

  『ふるさと津かがやき寄附』は寄附者が選べる6つの使途項目に、今年1月1日より「津城跡の整備」が新設されている。この使途に寄附された浄財は全額津城復元の基金として積み立てられる。
 この項目が新設されてから、10月22日現在で220件の寄附があり、総額1000万円を突破(1001万1636円)。平成20年~25年まで、歴史に関する項目への寄附総額が9万円だったことを考えると、その効果は一目瞭然だ。
 これには、全国的にふるさと納税がブームになっているという背景もあるが、それ以上に、前葉泰幸市長に項目の新設を申し入れたNHK大河ドラマ「藤堂高虎」を誘致する会、津市議会お城を活かしたまちづくり推進議員連盟、藤堂藩五日会、ときめき高虎会と津お城の会が設立した「津城復元の会」=西田久光会長=の努力によるところが大きい。会員たちは毎月1回の松菱に加え、津まつりや東京の三重テラスなど様々な場所で、かがやき寄附の活用や募金を呼びかけている。この地道な活動が、大きな成果を支えている。
 かがやき寄附制度の特徴は、少ない実質負担で効率よく寄附が行えることにつきる。例えば、年収700万円の給与所得者(夫婦子なし)が3万円を寄附すると、2万8000円分の住民税と所得税などの控除が受けられる(控除額は寄附金額や家族構成などによって変動する)。負担分に相当する2000円に関しても、1万円以上の寄附を行えば、2000円相当の津市の特産品か三重テラスの商品引換券がもらえるのでほぼ相殺になる計算。企業による寄附も全額損金扱いで計上できる特典がある。
 同会が第1期工事の目標として掲げているのは、一般的な城の天守閣に匹敵する高さ約13mの丑寅櫓と戌亥櫓、多門櫓で構成される北面(長さ115m)。この部分の総工費は国内城郭研究の権威・広島大学大学院の三浦正幸教授の試算で約6億円。
 まだ、道のりは遠いが、今回の1000万円突破は一里塚ともいえる重要なポイント。西田会長は「松菱さんや高虎楽座などでの募金活動も3月から25回を超え、募金者数700名、50万円を超えた。かがやき寄附個別寄附者と合わせ900名程になる。第1次目標として1万人・1億円をめざしているが、1000万円超えで元気づけられた。一層がんばります」と話している。
 自治体によっては豪華特典で、ふるさと納税活用を呼びかけているが、復元が実現すれば、ある意味ではそれ以上の達成感が得られる。今回を契機に更なる盛り上がりを期待したい。
 津城復元の会への問い合わせは、西田会長☎090・3933・6061、もしくは事務局の小菅さん☎090・8869・7528へ。制度の問い合わせは津市財政課財務担当☎059・229・3124へ。インターネットからの申し込みは「ふるさと津かがやき寄附」で検索を。

 津市と松阪市の小学生たちによる陸上チーム『一志Beast』が県内のみならず、全国にまでその名をとどろかせている。8月末の三重県小学生クラブ対抗では男女総合優勝の2連覇を達成し、全国小学生陸上競技交流大会でも所属選手の須川真衣さんが100mで2年連続の日本一に輝くなど、その活躍は枚挙にいとまがない。三重県の陸上界を背負って立つ存在となるであろう彼らの更なる飛躍を期待したい。

 

全国に名を知られる強豪チーム『一志Beast』

全国に名を知られる強豪チーム『一志Beast』

 全国的に有名なカリスマ陸上指導者・田中由一さんが、中学・高校の陸上界で活躍できる選手の育成を目的に設立した『一志Beast』は今年で設立10年目を迎える。
 設立当初より、ほぼ毎年全国大会出場選手や美し国駅伝代表を輩出するなど、三重県を代表する強豪チームとして全国にその名を知らしめてきた。練習拠点は一志東小学校で、津市と松阪市の小学生100名以上が所属している。
 設立時からコーチとしてチームを支えてきた東宏明さんが監督として指揮をとっている今年の戦果もめざましい。
 大きなところでは8月23日、神奈川県横浜市の日産スタジアムでの「第30回全国小学生陸上競技交流大会」小学6年100mの部で須川真衣さんが12秒91(三重県小学生新記録)という他を圧倒するタイムで2連覇を成し遂げた。女子80mハードルに出場した瀬々奈璃乃さんも12秒98で6位入賞。上山壮汰くん、上村夏季くん、山田修大くん、中垣内太智くんによる男子リレーはあと一歩及ばずだったが、準決勝進出と健闘した。
 そういったエースたちの活躍はもちろんだが、チームとしても、第19回三重県小学生クラブ対抗陸上競技大会で、2年連続の男女総合優勝を果たすなど、名実ともに三重県ナンバーワンの座に君臨している。
 そんな同チームが大切にしているのは、スター選手の育成ではなく、チームに所属する全員が成長していくこと。選手としての能力を高めるために、質の高い練習メニューをこなしてはいるが、ある意味ではそれ以上に、挨拶など基本的な部分に力を入れている。
 部員たちが掲げる目標も学校の運動会で一等賞をとることから、日本一まで様々。それを一つひとつ達成していくことで、選手として、人間としても成長する。その過程で大きな大会で活躍するエースたちの姿に憧れる後輩たちも地道な努力を重ねていく結果、チームが強くなり、精神的な充実感も得られるという。
 そのようなチームの活躍があるのは、部員の保護者たちの努力あってのもの。普段の練習や試合の送迎を始め、コーチやスタッフとして運営に携わるなど保護者たちが一丸となってチームを支えている。
 今シーズンは、大きな試合はほぼ全て終わり、これからは、体力づくりも兼ねて、マラソンなどの長距離に挑戦する部員も多い。エースたちは来年2月にある美し国駅伝の代表選考に向けて、練習を重ねている。
 男子キャプテンで、昨年は100mで全国3位になった中垣内太智くん(12)は今年ケガに悩まされたため、「来年こそは、絶対に100mで日本一なる」と悔しさをバネに更なる飛躍を誓う。女子キャプテンの須川真衣さん(12)は「来年は全国大会の新記録をつくって、優勝したい」と、全国2連覇達成に満足せず真の〝日本最速〟への挑戦を続ける。

 12月25日まで、津市の中心市街地で『第5回・秋の中心市街地活性化連携事業』として様々な事業を実施中。三重大学地域戦略センターと津市との共催。「津・伊勢・熊野」をテーマに伊勢参宮街道を照らす常夜灯のパネル展示を行ったり、三重県総合博物館の展示にちなんだ講演会なども企画。更に、津商業高校が空き店舗を活用したり、中心市街地活性化に向けた企画案発表会など、多彩な内容で活性化につなげていく。

 

 秋の中心市街地活性化連携事業は、津駅前・大門・丸之内・津新町周辺と三重大学にある13会場で様々な団体が実施するイベントを一体的な事業として、中心市街地活性化をめざす。
 同センターと津市教育委員会が行う事業が、11月1日~30日10時~17時(松菱のみ10時~19時)、津センターパレス(1階と地下)と松菱で開催するパネル展示『津・伊勢神宮・熊野』。津藩祖・藤堂高虎公は伊勢神宮へ向かう参宮街道を今の中心市街地にある大門たてまちに通し、城下町を発展させた。そのような歴史を踏まえ津センターパレス地下会場では「お伊勢さんへの道~常夜灯と道標」をテーマに参宮街道をはじめ津にある7つの街道と行きかう人々を照らし続けた常夜灯と道標を紹介。同1階と松菱とで古式を受け継ぐ伊勢神宮の伝統を学べる。
 加えて、熊野古道が世界遺産認定10周年に因み、11月24日まで、三重県総合博物館で開催している企画展「祈りと癒しの地 熊野」とコラボ。11月15日13時半~15時半にアスト津4階のアストホールで同博物館学芸員の瀧川和也氏による講演会「熊野比丘尼と熊野勧心十界曼荼羅」を行う。
 そのほか、12月14日9時半~14時には、津商業高校の生徒が丸之内商店街の空き店舗で、市内企業の多彩な商品を販売する「津商デパート」を開催。
 また、12月4日18時半からは、「中心市街地活性化にむけた企画案発表会」。有志らが集い、中心市街地活性化策を検討してきた「中心市街地タスクフォース」が三重大の西村訓弘副学長のもと、「中間時企画事業発表会」を公開で開催。
 また、今年最大の特色としては、三重大にまで会場を広げたこと。11月10日~12月25日、レーモンドホールと環境・情報科学館で映画「ウッジョブ」と、そのロケ地となった三重大学演習林の取組や美杉の自然・林業などの展示を実施。
 11月28日、津市センターパレスホールで、ハープ奏者・荒木まどかさんと声楽家・藤原靖子さんの「スペイン、日本のお話の語りとハープの調べ」や、食育をテーマに三重大とJAが制作した絵本の読み聞かせ、それにちなんだ特製弁当での親子ランチなどを行う。
 恒例の8団体の豪華な景品が当たるスタンプラリー(津観音・津センターパレス・津松菱)も11月1日~30日に開催。様々な店舗で割引などのサービスが受けられる中心市街地来街感謝券も津センターパレスなどで配布している。イベントに参加して、中心市街地を盛り上げてみては。
 各会場の主な催しは……
 ▼中心市街地全域…11月14日、有造館ゼミウォーク。11月23日、津のまん中ウォーク(秋の彩りと江姫・高虎さんゆかりの地)。
 ▼津観音と観音公園会場…~11月30日、「津観音と伊勢神宮~藤堂家とその周辺」。11月1日~2日、津の昭和の博覧会。11月18日津観音縁日餅まき祭。
 ▼津市大門地区…11月15日・22日、津ぅのドまんなかバル。
 ▼大門大通り商店街会場…12月7日、FМ三重公開生放送。12月12日~23日、松阪肉が当たる年末売出。
 ▼大門いこにこ広場会場(大門オーデンビル)…10月25日、赤塚植物園による親子でよせ植え教室、赤塚植物園による秋の園芸教室(共に有料)。
 ▼津市まん中広場…11月23日、ひろばdeグルメ。
 ▼津センターパレス会場…10月25日、ハロウィンパーティー(有料)。11月1日~30日、三重県高校写真連盟の写真展。
 ▼リージョンプラザ会場…11月5日、高虎のつどい ▼丸之内商店街&フェニックス通り会場…11月3日、第47回高虎楽座、第9回農林水産まつり。
 ▼津松菱会場…11月12日~20日、大北海道展。
 三重大地域戦略センター☎津231・9899、津市商工観光部商業振興労政課☎津229・3169へ。

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