社会
津市と松阪市の小学生たちによる陸上チーム『一志Beast』が県内のみならず、全国にまでその名をとどろかせている。8月末の三重県小学生クラブ対抗では男女総合優勝の2連覇を達成し、全国小学生陸上競技交流大会でも所属選手の須川真衣さんが100mで2年連続の日本一に輝くなど、その活躍は枚挙にいとまがない。三重県の陸上界を背負って立つ存在となるであろう彼らの更なる飛躍を期待したい。
全国的に有名なカリスマ陸上指導者・田中由一さんが、中学・高校の陸上界で活躍できる選手の育成を目的に設立した『一志Beast』は今年で設立10年目を迎える。
設立当初より、ほぼ毎年全国大会出場選手や美し国駅伝代表を輩出するなど、三重県を代表する強豪チームとして全国にその名を知らしめてきた。練習拠点は一志東小学校で、津市と松阪市の小学生100名以上が所属している。
設立時からコーチとしてチームを支えてきた東宏明さんが監督として指揮をとっている今年の戦果もめざましい。
大きなところでは8月23日、神奈川県横浜市の日産スタジアムでの「第30回全国小学生陸上競技交流大会」小学6年100mの部で須川真衣さんが12秒91(三重県小学生新記録)という他を圧倒するタイムで2連覇を成し遂げた。女子80mハードルに出場した瀬々奈璃乃さんも12秒98で6位入賞。上山壮汰くん、上村夏季くん、山田修大くん、中垣内太智くんによる男子リレーはあと一歩及ばずだったが、準決勝進出と健闘した。
そういったエースたちの活躍はもちろんだが、チームとしても、第19回三重県小学生クラブ対抗陸上競技大会で、2年連続の男女総合優勝を果たすなど、名実ともに三重県ナンバーワンの座に君臨している。
そんな同チームが大切にしているのは、スター選手の育成ではなく、チームに所属する全員が成長していくこと。選手としての能力を高めるために、質の高い練習メニューをこなしてはいるが、ある意味ではそれ以上に、挨拶など基本的な部分に力を入れている。
部員たちが掲げる目標も学校の運動会で一等賞をとることから、日本一まで様々。それを一つひとつ達成していくことで、選手として、人間としても成長する。その過程で大きな大会で活躍するエースたちの姿に憧れる後輩たちも地道な努力を重ねていく結果、チームが強くなり、精神的な充実感も得られるという。
そのようなチームの活躍があるのは、部員の保護者たちの努力あってのもの。普段の練習や試合の送迎を始め、コーチやスタッフとして運営に携わるなど保護者たちが一丸となってチームを支えている。
今シーズンは、大きな試合はほぼ全て終わり、これからは、体力づくりも兼ねて、マラソンなどの長距離に挑戦する部員も多い。エースたちは来年2月にある美し国駅伝の代表選考に向けて、練習を重ねている。
男子キャプテンで、昨年は100mで全国3位になった中垣内太智くん(12)は今年ケガに悩まされたため、「来年こそは、絶対に100mで日本一なる」と悔しさをバネに更なる飛躍を誓う。女子キャプテンの須川真衣さん(12)は「来年は全国大会の新記録をつくって、優勝したい」と、全国2連覇達成に満足せず真の〝日本最速〟への挑戦を続ける。
2014年10月30日 AM 5:00
12月25日まで、津市の中心市街地で『第5回・秋の中心市街地活性化連携事業』として様々な事業を実施中。三重大学地域戦略センターと津市との共催。「津・伊勢・熊野」をテーマに伊勢参宮街道を照らす常夜灯のパネル展示を行ったり、三重県総合博物館の展示にちなんだ講演会なども企画。更に、津商業高校が空き店舗を活用したり、中心市街地活性化に向けた企画案発表会など、多彩な内容で活性化につなげていく。
秋の中心市街地活性化連携事業は、津駅前・大門・丸之内・津新町周辺と三重大学にある13会場で様々な団体が実施するイベントを一体的な事業として、中心市街地活性化をめざす。
同センターと津市教育委員会が行う事業が、11月1日~30日10時~17時(松菱のみ10時~19時)、津センターパレス(1階と地下)と松菱で開催するパネル展示『津・伊勢神宮・熊野』。津藩祖・藤堂高虎公は伊勢神宮へ向かう参宮街道を今の中心市街地にある大門たてまちに通し、城下町を発展させた。そのような歴史を踏まえ津センターパレス地下会場では「お伊勢さんへの道~常夜灯と道標」をテーマに参宮街道をはじめ津にある7つの街道と行きかう人々を照らし続けた常夜灯と道標を紹介。同1階と松菱とで古式を受け継ぐ伊勢神宮の伝統を学べる。
加えて、熊野古道が世界遺産認定10周年に因み、11月24日まで、三重県総合博物館で開催している企画展「祈りと癒しの地 熊野」とコラボ。11月15日13時半~15時半にアスト津4階のアストホールで同博物館学芸員の瀧川和也氏による講演会「熊野比丘尼と熊野勧心十界曼荼羅」を行う。
そのほか、12月14日9時半~14時には、津商業高校の生徒が丸之内商店街の空き店舗で、市内企業の多彩な商品を販売する「津商デパート」を開催。
また、12月4日18時半からは、「中心市街地活性化にむけた企画案発表会」。有志らが集い、中心市街地活性化策を検討してきた「中心市街地タスクフォース」が三重大の西村訓弘副学長のもと、「中間時企画事業発表会」を公開で開催。
また、今年最大の特色としては、三重大にまで会場を広げたこと。11月10日~12月25日、レーモンドホールと環境・情報科学館で映画「ウッジョブ」と、そのロケ地となった三重大学演習林の取組や美杉の自然・林業などの展示を実施。
11月28日、津市センターパレスホールで、ハープ奏者・荒木まどかさんと声楽家・藤原靖子さんの「スペイン、日本のお話の語りとハープの調べ」や、食育をテーマに三重大とJAが制作した絵本の読み聞かせ、それにちなんだ特製弁当での親子ランチなどを行う。
恒例の8団体の豪華な景品が当たるスタンプラリー(津観音・津センターパレス・津松菱)も11月1日~30日に開催。様々な店舗で割引などのサービスが受けられる中心市街地来街感謝券も津センターパレスなどで配布している。イベントに参加して、中心市街地を盛り上げてみては。
各会場の主な催しは……
▼中心市街地全域…11月14日、有造館ゼミウォーク。11月23日、津のまん中ウォーク(秋の彩りと江姫・高虎さんゆかりの地)。
▼津観音と観音公園会場…~11月30日、「津観音と伊勢神宮~藤堂家とその周辺」。11月1日~2日、津の昭和の博覧会。11月18日津観音縁日餅まき祭。
▼津市大門地区…11月15日・22日、津ぅのドまんなかバル。
▼大門大通り商店街会場…12月7日、FМ三重公開生放送。12月12日~23日、松阪肉が当たる年末売出。
▼大門いこにこ広場会場(大門オーデンビル)…10月25日、赤塚植物園による親子でよせ植え教室、赤塚植物園による秋の園芸教室(共に有料)。
▼津市まん中広場…11月23日、ひろばdeグルメ。
▼津センターパレス会場…10月25日、ハロウィンパーティー(有料)。11月1日~30日、三重県高校写真連盟の写真展。
▼リージョンプラザ会場…11月5日、高虎のつどい ▼丸之内商店街&フェニックス通り会場…11月3日、第47回高虎楽座、第9回農林水産まつり。
▼津松菱会場…11月12日~20日、大北海道展。
三重大地域戦略センター☎津231・9899、津市商工観光部商業振興労政課☎津229・3169へ。
2014年10月23日 AM 5:00
老朽化した「ため池」は大地震だけでなく、台風や豪雨による増水でも決壊の危険性があり、津市でも津波とは関係ない中山間地域などで隠れたリスクとして認識されている。改修には長い期間と費用が必要で、ため池を管理する農家の高齢化が進んでいることからも決壊した際の浸水域を示したハザードマップの作成など、日常から該当地域の住民が情報を共有できるソフト事業の推進が求められている。
ため池は取水をする都合上、集落や農地より高い位置に作られていることが多く決壊した場合、大きな被害が出ている。三重県内には農業用ため池が3159カ所あるが、江戸時代以前につくられたものが多く、耐震性の不足が問題となっている。
昨年、県内の自治体が受益面積の広い2ヘクタール以上のため池2520カ所の一斉点検を実施。そのデータを県が客観的に分析したところ217カ所で緊急整備の必要性を認めた。更に決壊した際に、人的被害が予想される51カ所の整備を優先的に進めるとしている。
しかし、ため池の整備には大きな費用と時間が必要で、県内でまだ35カ所のため池でしか耐震対策は終わっていないという苦しい実情が浮き彫りとなる。
加えて、ため池を管理している農家が高齢化していることや、農村内に新たな住宅地が造成されて、集落の近くにため池があることすら知らない人が暮らしているケースなどが増加。日常から情報共有する手段が求められている。
そこで県も、改修より短い期間で大きな効果が期待できるハザードマップの整備を自治体に勧める方針を打ち出している。
前述の調査で、津市も市内にあるため池360カ所の調査を実施。現在、安濃町の小古曽池など、県営事業で現在耐震化工事を行っているものの、老朽化が進んだ池を全て改修するには膨大な時間が必要となる。
現状、震度4以上の地震が発生した場合には、決壊で人的被害が出る可能性があるため池を担当職員が直接出向いて確認をするとしている。だが、対象が80カ所もあり大地震の発生時にいち早く駆け付けられるとは限らない。また、地震に限らず、最近、津市内でも大きな被害を出した集中豪雨や台風による増水での決壊も想定すると、地域住民が日頃から被害を想定した避難経路などを把握しておくという観点から、ハザードマップは必要となる。
県内でも、中山間地の占める割合が多く、多くのため池を抱える伊賀市は、いち早くハザードマップの作成に取り組んでいる。市内50カ所の浸水予想地域や震度、避難地域などを示したマップを公開している。
現状、津市はまだ整備には取り組んでいないが、今後、農家の高齢化が更に進めば、誰も管理していないため池が増えてくる可能性も高い。そういった意味でハザードマップの必要性は時を追うごとに早い整備が求められているといえる。
対象となる地域が広く、甚大な被害が出やすい津波や洪水によるハザードマップは全国的にも整備が進んでいるが、それらと比べると被害にあう地域の狭いため池にまで手が及んでいない自治体も多い。
県も今回の調査結果で緊急整備が必要なため池を抱える自治体に改修と共に、ハザードマップ作成の呼びかけを行うとしているが、国も対応に限界のある改修だけではなく、ハザードマップを始めとするソフト事業での対策を推進。地域住民が主体となった防災対策を呼びかけている。津市でもできる限り早期の作成に期待したい。
2014年10月16日 AM 5:00