社会

松本正之NHK会長(前列中央)と第8次請願団

 江戸幕府草創期に大きな役割を果たした津藩祖・藤堂高虎公を主人公とした大河ドラマを!──21日、NHK大河ドラマ『藤堂高虎』を誘致する会(西田久光世話人代表)の呼びかけにより滋賀・愛媛・三重の3県4市町の首長や団体などの代表32名が東京都渋谷区のNHKを訪れ松本正之会長(伊勢市出身)らに早期実現を求める請願を行った。
 

大河ドラマ『藤堂高虎』のNHK請願は平成14年、当時の北川知事や近藤津市長、上野市自治会連合会と共に1県2市で第1回を行って以来、今回で8回目。
 三重からは川崎二郎衆議院議員、鈴木英敬知事、前葉泰幸津市長、田村宗博津市議会議長、高橋千秋参議院議員林秘書、竹林武一津商議所会頭、藤堂保和藤堂藩五日会前会長、村田修ときめき高虎会会長。更に昨年末結成の津市議会お城を活かしたまちづくり推進議員連盟(14名)から小菅雅司会長、小林貴虎、岩脇圭一、西山みえの4市議が議連として初参加。伊賀市からは城政彦市産業振興部次長や商議所、観光協会、伊賀上野城から4名が参加。
  高虎公前任地の四国からは江里寿樹愛媛県観光物産課主幹、山本浩今治市市民まちづくり推進課課長補佐が参加。生誕地の滋賀県犬上郡甲良町からは北川豊昭町長、山本日出男観光協会会長。また、北川町長らの働きかけにより滋賀県庁から上山哲夫東京事務所長が初参加。滋賀県の参加により請願団の構成は、前回までの2県4市町から3県4市町に拡充した。
 松本正之NHK会長らとの面談では、まず最初に誘致の会の西田会長が請願書を読み上げ、高虎公の現代的意義として、無名の郷士から叩き上げ時代を予見し次々とスキル(能力)アップしていった生き方は現代人の良き手本であること。また、工期・コストを半減させ城づくりに革命をもたらした層塔型天守の創出など技術革新(イノベーション)で時代を生き抜いた公は、現代日本人に大きな勇気と元気を与えると指摘。「高虎公を主人公に信長・秀吉・家康、名補佐官豊臣秀長、無名の技術者、有名無名の女性たちを配すれば従来の戦国物とは一味違った大河ドラマとして人気を博するものと確信する」と早期実現を要望した。
 この後、參加者一人ひとりが各々の思いを表明。川崎代議士は「松本会長の間に何とか実現できたら。切り口を考え、一つひとつ階段を上らせて頂けたら」。鈴木知事は「叩き上げということに私も大変共感している。県全体の観光としてはポスト遷宮と各地の周遊が課題。大河ドラマが決まればポスト遷宮の活性化の起爆剤になるのでご配慮をお願いしたい」。
 前葉津市長は「愛媛県、滋賀県からも来て頂き、広域的な纏まりで県・市町一体となり(誘致運動を)進めている。三重県出身の松本会長が身びいきでなくご決断頂ける状況になっているので是非ご決断を」。北川甲良町長は「昨年、高虎公が産湯を使った場所を公園化した。県道には4mの看板もあげPRに務めている。1年でも早く実現をお願いしたい」と訴えた。
 これらに対して松本会長は「高虎は凄い人物だし、いろんな構成要素があると身びいきではなく思っている。スタッフにはぜひ藤堂高虎をと言っている。現実には幾つも(候補)ある中で、高虎の名前が広がっていくと全体的に盛り上がっていく。現実にそうなりつつあるが、更にそれを続けることが近道と思う」などと誘致運動、顕彰運動の一層の高まりを求めた。
 また、若泉久朗ドラマ番組部長は「いろんな方の陳情、推薦を頂いているが、高虎公は長く前から陳情頂いており、大河ドラマの企画の中には深く入っているので、後はタイミングと時代の流れとか、どういう切り口でいくか、本当に真摯に検討していきたい」などと答えた。
 戦国と幕末維新を軸とする大河ドラマのパターンからすると、チャンスは来年発表の平成28年分か。

 改正消防法の影響で2月以降、ガソリンスタンド(GS)などの給油所に設置された石油の地下タンクで設置から40年以上が経過したものの交換・改修が義務付けられることとなる。しかし、厳しい経営状況からその費用が捻出できず廃業に追い込まれるGSが続出することが全国的にも危惧されている。津市では多くのタンクが設置40年を迎える平成28年と平成29年に最も大きな影響があるとみられている。 

 低燃費車の普及や過酷な価格競争もあり、GSは全国的にも減少傾向で平成15年度で全国に5万軒以上あったのが平成23年度で約3万7000件にまで減少している。更に昨年10月に新設され、今後段階的に原油や石油製品に課せられていく「地球温暖化対策税(環境税)」は現状で1当たり25銭と価格転嫁が難しく経営を圧迫している。そこに追い討ちをかけるのがこの『2月危機』だ。
 ことの発端は地下に埋設した石油貯蔵タンクの老朽化で内容物が漏れ、土壌汚染に繋がってしまうケースが続出したため。そこで平成23年に施行された改正消防法では、設置から40年以上が過ぎたタンクの交換もしくは改修を求めている。その期限が平成25年1月31日。つまり今月末という訳だ。一般的なGSではレギュラー、ハイオク、軽油、灯油と4つのタンクが埋設されているケースが多くタンクの内側を防水性の高い樹脂塗料で補強する工法で対応した場合、数百万円単位の総工費が必要となる。しかし、前述のように先行きの厳しさから、後継者のいないGSが大部分。経営者の高齢化も顕著で多額の改修費用の捻出を諦め、今月末で閉鎖するGSが全国でも続出している。
 1月15日現在、津市消防本部管内に設置されているタンクで今月末までに交換・改修が必要なものは6施設に設置されている10本。うちGSは2施設5本となる。そう聞くと意外に影響は小さいように思えるかもしれないが、この問題はこの2月が幕引きではなく幕開けであることは意外と知られていない。
 つまり今後、設置40年を迎えるタンクも同様に交換・改修が求められていくため、これから次々と決断を迫られるGSが出てくるということだ。津市にとってこの問題が最も大きな影響を及ぼすと見られるのが平成28年と平成29年。それぞれ6GSの14本、6GSの15本となっている。
 元々、過疎高齢化が進む中山間部では、生活を支えるはずのGSの経営悪化による閉鎖は深刻だったが、それにますます拍車がかかる形になる。ガソリンは法律上、灯油のように配達も出来ないため、地域のGSが消えれば給油のために数十㎞も走らなければならない〝ガソリン難民〟が発生する。
 また、GSは災害発生時には地域の燃料補給拠点としての役割も期待されるため、行政も業界団体と協定を結ぶケースが多い。南海トラフ大地震など大規模災害発生が確実視される中、結果的にGS閉鎖を促進することが本当にプラスなのかという疑問も残る。
 三重県石油商業組合・三重県石油業共同組合の寺島巖副理事長も「全国一律の線引きではなく、各店舗や地域の状況を踏まえた施策にすべき」と声をあげる。 今後、ますますこの問題は加速していくが、市民生活にも直結するだけに、より現実に即した国や自治体の施策が求められよう。

 加入者の大部分が低所得者層で負担の大きさも原因となり、保険料の収納率の低下による赤字運営が続く津市の『国民健康保険(国保)』。現在も収納率は90%を割り込んでいるが、国保の業務を担当する市保険年金課の地道な取り組みや市が抱える債権の困難案件の滞納整理を請け負う特別滞納整理推進室との連携で少しずつだが改善をしている。 

 津市の国保加入世帯数は昨年10月1日現在で4万1643軒。保険料収入は平成23年度の合計で約63億4700万円。
 主に地方自治体が運営している国保の加入世帯は後期高齢者制度に以降する前の74歳以下の高齢者や個人事業主などが中心で他の公的な保険制度と比べると低所得者層が多いのが特徴といえる。津市の保険料の平均額が一人当たりに換算すると約9万5千円、世帯全体でみると約15万6千円と所得に占める負担がいかに大きいかが伺える。
 国保は基本的に保険料収入と運営自治体の法定内繰り入れや国・都道府県からの交付金などを併せた特別会計で運営しているが、長い不況で保険料の収納率は低迷。加入者に高齢者が多く医療費支出も年々、増加傾向にあることからも国保は全国的に赤字運営に陥っている。津市でも赤字が続いており、平成18年の10市町村による合併時にあった基金11億円もあっという間に枯渇。やむを得ず平成22年度には一般会計から法定外繰り入れを行ったが平成23年度より保険料の値上げを余儀なくされている。
 受益者負担という制度の性質から考えると収納率が下がった分、保険料を値上げして補填するしかない。しかし、この赤字は収納率向上に対する市の取り組みの甘さも一因で『加入者間の平等』という大前提すら守れていないことが問題視されていた。それは、平成24年10月末現在で滞納保険料の累積が約23億3千万円と莫大なことからも明らかだろう。更に保険料は2年で時効を迎えるため、平成23年度で約5億5千万円が回収不能となっている。この状況での値上げは理不尽といわれても仕方ない。
 ここまで収納率が落ち込んだ一因には国保の業務を担当する市年金保険課が保険証の発行や窓口・電話対応など国保のあらゆる業務を行っていることにある。税務には収税課という徴収の専門部署があるが、同課では他の業務と同時に滞納整理をこなさなければならず体制的にも限界がある。
 そんな苦しい台所事情もあるが、保険年金課でもこの状況を打開すべく改善に向けた努力を重ね、着実に成果を上げている。保険料は滞納すれば延滞金がかかり、更に納付が困難になることから現年度納付の徹底に努め、収税の経験がある職員のノウハウを生かしながら、滞納者に電話で納付を求める催告センターも活用。コンビニ納付も収納率向上に寄与している。
 更に分納誓約による時効中断措置(時効が2年伸びる)も実施。財産調査による差し押さえも積極的に行い、平成24年度10月末で440件約1億7千万円を回収している。市税や国保料など市債権の困難案件を専門に扱う「特別滞納整理推進室」とも連携。同室は平成24年度11月末で229件約1億7000円の移管を受けており、約6800万円の回収に成功している。同室への移管予告を送付した結果、納付に応じる滞納者も多く、抑止力としての効果も大きい。その成果として平成21年度の保険料収納率の現年度分が86・2%、滞納分が7・2%から平成23年度で88・5%、滞納分が15・8%まで上昇。今年度も昨年度以上に上昇する見込みだがその一方で赤字から約2億円ほどの法定外繰り入れも見込まれるなど、依然として窮状は続いている。
 収入に占める負担割合が重過ぎることも含め、国保という制度自体が限界に来ているのは事実。抜本的な制度改革を求めて声をあげることも重要だろう。
 しかし、現行制度に従うしかない現状では、更なる保険料上昇を招かぬよう加入者間の平等を守ることが最優先事項となる。今後も津市の最大限の努力と責任ある運営を期待したい。

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