社会

前葉泰幸津市長新春インタビュー。依然として収束しない新型コロナウイルスとの戦いは市政の重要課題だが、昨年は3年ぶりの津まつりが開催され、市内でロケをした映画も公開されるなど明るい兆しも少しずつ見え始めている。今号から2回にわたり市政の取り組みについて聴いた。        (聞き手・本紙報道部長・麻生純矢) 

─あけましておめでとうございます。近年の市政はコロナ対策が最重要課題で、現在も対策は続けられています。一方、昨年には3年ぶりに津まつりが開催され、多くの市民で賑わいました。「withコロナ」で前に進もうという明るい兆しも感じています。現在も予断を許さない状況ではありますが、昨年の明るい兆しも踏まえ、今年はどのような年になれば良いとお考えですか。
 市長 市民の皆さんに多くの制約があり、ほぼ3年の間、気を遣いながら感染対策に取り組んで頂きました。感染爆発が起こらないのは市民の皆様のご協力によるセルフコントロールが大きいと思っています。トータルの成果が今の状況。とはいえ、毎日数百人で推移しているので感染対策を緩めるわけにはいかない。ワクチン接種の4回目、5回目も昨年末には年内で済ませたい方も大変多くて集団接種の会場の予約のスピードが速くなったり、市内のクリニックの中でも年内は一杯で新年にという方も多かったようです。ワクチンについて色々なお考えもありますが、今できる対策の中で国として推奨しているものです。引き続きご検討頂きながら感染拡大防止にご協力頂きたい。
 経済や市民生活についてですが、市民生活に大きな影響を与えている物価高に対しては、全てとはいかないが丁寧にカバーできるように、まずは生活支援ということで18歳までの人に1万2000円を昨年夏以降に給付しました。経済においてもエネルギーの確保や高騰に対する支援を行っており、今後もきめ細かく生活や事業者支援が出来ればと考えています。
 活性化については感染対策をしながら、花火大会や津まつりを実施できました。節度ある楽しみ方をして頂いたおかげで成功できたため、今年もなるべく日常に近いようなことを考えていきたい。
 明るいニュースでは、一身田の専修寺でロケを行った映画「ザ・レジェンド&バタフライ」が今月27日に公開。同じく専修寺でロケを行った映画「わたしの幸せな結婚」も3月17日に公開されます。聖地巡礼と親鸞聖人誕生850年の催しもあるので多くの方々に津市に訪れて頂ければ。
 ─津まつりについては私自身も実行委員会でお手伝いをさせて頂いたのですが、市民の協力があれば苦しい状況の中でも色々なことができると実感した次第です。
 市長 事前には色々なご意見もありましたが、やってよかったという声をたくさん頂いています。形にしないとわからないと感じてました。
 ─人間が生きるためには衣食住に不自由しないだけでなく、楽しみがないと心の平静を保てないと改めて感じました。映画などを通じて津市に来て頂ける方も増えればなによりですね。
     (次号へ続く)

18団体で構成する「津郷土芸能連絡協議会」の創立20周年を祝う記念式典と祝賀会が12日、津市センターパレスホールで開かれ、地元選出の県会議員、市会議員ほか来賓多数と関係者の175名が参加。20年の節目に歴史ある津の郷土芸能を更に充実させ、魅力ある活動の継続と次世代育成に取り組むことを誓うと共に、晴の日を皆で祝った。

 

 

郷土芸能への長年の功績を果たした功労者への表彰授与

郷土芸能への長年の功績を果たした功労者への表彰授与

今年から津郷土芸能連絡協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演舞

今年から津郷土芸能連絡協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演舞

同協議会は津市の郷土芸能の歴史や魅力を伝えることを目的に2003年に10団体で発足。その後、市町村合併などを経て現在、18団体で構成する。毎春の「郷土芸能ふれあいフェスティバル」や、津まつりで演舞などを披露しているほか、歴史ある津の郷土芸能を充実させると共に魅力ある活動の継続・次世代育成に取り組んでいる。
冒頭、挨拶に立った主催者代表の森直樹会長は「多くの先輩方、1000名を超える当会関係者の方々に感謝と敬意を持って本日を迎えることができた。今後も伝統芸能を子ども達に伝承していく」と謝辞を述べ、今後の更なる発展に期待感を示した。
来賓の前葉泰幸津市長は、 「地域の伝統芸能の技・技術を継承するには、それを披露する場が必要。コロナ禍で2年間、津まつりが開催できなかったことで、継承し続ける事がいかに大変かを再確認した。当たり前のように行われてきたことが、実はそうでは無かったんだと気付かされた。まつりを催行するには準備、安全の確保などが必要で、そのノウハウを繋いでいくのは実に大変であると。郷土芸能を通じて人の心の繋がりを確認する場になっている。その意味で協議会が果たしてきた役割は非常に大きい」と感謝した。
また、津商工会議所の伊藤歳恭会頭は「18団体は、唐人踊り、しゃご馬、太鼓、獅子舞、津音頭、よさこい、など非常に多岐にわたっている。次世代育成と郷土の文化を守って頂いており、本当に素晴らしい協議会だと感じる。津商工会議所は〝演舞をしない〟唯一の加入団体ではあるが、津まつりで披露の場を提供させて頂くことを目的に活動している。また、当会議所青年部の元気玉太鼓も創立以来、お世話になっている。今後も微力ながら郷土芸能発展に頑張っていく所存」と祝辞を述べ、郷土芸能が地域のアイデンティティとして重要な役割を果たしている事を強調した。式典後半では、郷土芸能の活動に尽力した10名を表彰し功績を称えた。
式典後の祝賀会では、今年から同協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演奏でスタート。
来賓である県議会議員7名を代表して登壇した前野和美県議会議長は、「郷土芸能がこのように守られていることに感謝を申し上げる」と述べ、続けて「先日、全国の県議会議長による議長会が3年ぶりに広島県で開かれ、懇親会の場で広島神楽が披露された。古の時代から300年以上の歴史があり、その時代、その時勢に合わせた形で継承されてきたと説明を受けた。我々県議会議員も伝統芸能に関わらせて頂けたら。ぜひお声をかけて頂きたい」と祝辞を述べた。
アトラクションとしてステージでは、ダンスチーム「凛」の演舞や各団体代表者による活動への意気込み披露など多彩な内容で会場を盛り上げた。
※同協議会の構成団体は=青山高等学校和太鼓部、安濃津よさこい組織委員会、伊勢津太鼓保存会、伊予町青壮年会、榊原湯の瀬太鼓、白塚獅子舞保存会、津音頭保存会、津商工会議所青年部元気玉太鼓、津しゃご馬保存会、津青年会議所・高虎太鼓、津・高虎太鼓、津・高虎太鼓華乃津会、津民芸保存会、町屋百人衆、美里龍神太鼓、美杉連山のろし太鼓保存会、分部町唐人踊り保存会、津商工会議所

中部電力㈱の「竹原水力発電所」=津市美杉町竹原=が今年10月で完成から100年、来年1月で運転開始100年を迎える。地球温暖化対策の温室効果ガス排出抑制のため、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入が進んでいるが、大正から令和と長い時の中で自然と調和しながら地域の電力を支え続けてきたこの発電所を紹介する。

 

「竹原水力発電所」

「竹原水力発電所」

発電所内の発電施設

発電所内の発電施設

取水口

取水口

向谷水路橋

向谷水路橋

豊かな自然に囲まれた君ヶ野ダムの麓。雲出川と、その支流・八手俣川の合流地点付近に竹原水力発電所はひっそりと立地している。JR名松線伊勢竹原駅の南付近の鉄橋辺りを通過する際に車窓からも建屋が見えるが、多くの人が何か気付かずに通り過ぎていることだろう。
明治30年(1897)に三重県県下で初の電気事業を行ったのは津電灯で、すぐに県内各地で電力会社が立ち上げられた。三重県は全国的にもかなり早い段階で水力発電が開始されており、明治32年(1899)に新宮水電が鮒田発電所で発電を開始。次々と県南部を中心に水力発電施設が運転を始めており、大正時代に最盛期を迎える。雲出川では、現在の津市美杉町八知に大正6年(1917年)に大勢水力電気が神河発電所で事業を開始(昭和6年に廃止)、同じく大勢水力電気が認可を受け、同社を合併した北勢電気が大正11年(1922年)10月に完成させたのが「竹原水力発電所」。運転開始は翌1月で100年の節目を迎える。現在は中部電力㈱の三重水力センターが運転及び管理している。県内で現在稼働している水力発電所の中では5番目に古い。
竹原水力発電所の発電出力は760kWで約1600世帯分の電力をまかなえる。形式は水路式で、日本の水力発電所に多く使われているフランシス水車を発電に使用している。取水口は、八手俣川の君ヶ野ダム付近にあると勘違いされがちだが、実際は更にその上流にある。取水口から3つの水路橋を経た水路の全長は約3・4㎞。水は発電所背後の山の斜面を下り発電所内に流れ込む。発電の有効落差は83mとなっている。森林セラピーの高束山コースで通る向谷水路橋は建築物としても非常に趣き深いので一見の価値あり。
100年の間に無人化したり、建物を建て替えたり、水車の改造などは行われてきたが水路のルートはほぼ当初のまま。 現代では、地球温暖化対策の温室効果ガス排出抑制のために、太陽光や風力など再生可能エネルギーを用いた発電法が普及しているが、自然と調和する形で100年にわたり、小規模だが電力を安定供給してきた竹原水力発電所は21世紀のキーワード〝持続可能〟の好例といえる。
大正、昭和、平成、令和と時代を乗り越えてきた発電所は、また次の時代に向けて動きだす。

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