特別寄稿

誰が儲かり誰が損するか。これは、社会問題を理解する上で不可欠な視点である。その背後には多くの利害関係者がいるからだ。
観光産業も例外ではない。例えば旅館・ホテル業界は、過剰在庫に困った賃貸業界の『民泊』によって侵食された。少子化や高齢化による人口減少が住宅需要のマイナス要因となったからだ。
また、サイトシーイングにも影響を与える『地球温暖化』も利害関係者を二分する。顕著なのは産業界と環境保護団体との対立、あるいは工業先進国による後発国へのハードル上げである。その原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加だとされ、産業界や社会にイノベーションや意識改革を促し、同時に、先進国主導で温暖化ビジネスが派生し成長する。
そのビジネスは実に多彩だ。単に排出量取引市場の活性化をもたらすだけではない。自然災害保険や、二酸化炭素の排出抑制技術や再生可能エネルギーの普及、北極航路や大陸棚の領有権、北極海やグリーンランドなどの石油や天然ガス、鉱物などの地下資源の開発、淡水化プラント、水ビジネスや水利権取引、農地買収、護岸壁や防潮堤、浮遊式建造物、バイオテクノロジー、そして、(前回書いたが)人工降雨や降雪などの気象制御技術などである。もちろん、これらの大部分はいい事には違いない。減災にも役立つ。
しかし、書いていて気づいたのだが、これらはグローバル企業の方が圧倒的に有利で、一国や地方の企業では起業がとても難しく、格差拡大を引き起こす。過大評価によるバブル発生も否めず、大企業による地域資源の搾取も懸念される。また、IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change=国連気候変動に関する政府間パネル)の偏向データは、捏造疑惑を引き起こしもした。
1988年に創立されたIPCCは、人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的としている。地球温暖化の原因は、人為的でなければ不都合なのである。
そういえば、気象学者でもないのに『不都合な真実』の脚本や書籍を書いたアル・ゴア氏は米国の民主党だったが、彼らは権威によるお墨付きだけを求めているようで、温室効果ガスが地球を覆い、大気から熱が放出しないというメカニズムについては、気象学者や環境主義者に任せっきりである。温暖化ビジネスにとって二酸化炭素は飯の種なのだ。
したがって、太陽活動が温暖化の原因だとされる『スベンスマルク効果』は否定される。2014年に放送されたNHKの『サイエンスZERO』によると、『スベンスマルク効果』の原理は、銀河の中心から地球に到達する宇宙線は太陽風の減少期に増加するが、これが水素原子に衝突して雲=水蒸気を作り、温室効果をもたらすとされる。
ヘンリック・スベンスマルク氏は、デンマーク国立宇宙研究所(DTU Space)の太陽系物理学部門の物理学者および教授で、地球温暖化の間接的な原因として雲の形成に対する宇宙線の影響に関する理論で知られている。2013年にオランダの物理学誌フィジックス・レターAに掲載されたスペンスマルク、ペプキー、ペダーセンによる実験研究では、宇宙線と雲種型エアロゾルの形成との間に実際に相関があることが示された。著者らは、実験室から実際の大気に置き換えることで、太陽活動が温度変化の約50%を占めると主張している。
しかし、IPCCは、温室効果にとって二酸化炭素よりも影響の大きい雲=水蒸気の発生を無視して、ヒト・モノ・カネを脱炭素化のみに与している。宇宙が相手では誰も儲からないからだ。間接的にではあるが、原発政策にも都合がいい。
だが、2013年に発行されたIPCC第5次報告書には、中世の世界の気温が現代とあまり変わらなかった事を示すデータがある。人為起源による気候変化など有り得ない時代にだ。また、2014年に公表された古気候研究には、中世の温暖期が現代よりも高温だったことも示されている。これは2022年のIPCC第6次報告書に影響を与える可能性がある。(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

7月18日の岐阜県多治見市の最高気温は40・7度、同月19日の京都市の最高気温は39・8度を記録した。気象庁は現在の異常高温は『命に関わる暑さ』だと警告している。このような状況では、もはやサイトシーイングどころではない。
7月20日の読売新聞によると、世界気象機関(WMO)は20日の記者会見で、北半球で7月中旬以降、記録的な高温を伴う異常気象が相次いでいると強い懸念を表明している。
WMOによると、ノルウェーでは北部の北極圏で7月17日に33・5度を記録、スウェーデンでは7月中旬に、高温と乾燥による森林火災が約50件発生したとの事である。
どうやら、ヒートドームが発生したようだ。
ヒートドームとは、比較的低い高度で高気圧の壁が発生し、上空の高熱気を地表に吹き付け、遮断された熱気のドームを形成する事で、原因は地球温暖化だとされており、米国の海洋大気局は、ヒートドームを以下のように定義している。
『高気圧の下で、空気は地表に向かって沈下するが、この下降気流は、大気をキャップするドームとして働く。
このキャップは、熱を上に逃がすのではなく閉じ込める役割を果たす。揚力なしで対流が殆ど或いは全くないため、積乱雲も殆ど或いは全くなく、雨の可能性が殆どない。最終的には、人々が熱波として経験する暑さが地表に連続的に蓄積される』
各国のニュースによると、今年はそれが北半球規模で発生しているという。日本列島だけではないのだ。
ワシントンポストは、北緯70度で北極圏に属するフィンランドのケボの最高気温が、7月17日に31・6度に達したと伝える。ここの7月の平年気温は15・5~21・1度だが、今は26・6~32・2度の範囲で推移しているのだ。
シビア・ウェザー・ヨーロッパによると、7月17日のスウェーデンやノルウェーなど北欧諸国の最高気温は32度を超え、ノルウェーのトロンハイム空港では、16日に32・4度の史上最高気温を記録した。フィンランド南部のトゥルクも33・3度。そして、スウェーデンのウプサラも34・4度だった。更に、スウェーデン全域44カ所では乾燥と猛暑による大規模な山火事が発生、スウェーデン国立気象庁は国全体に火災警報を発令している。
また、カナダのモントリオールでも7月2日の気温が36・6度、体感温度が46度まで上がった。 モントリオールのケベック州では暑さのために、7月7日までに少なくとも89人が死亡したと集計。地中海に面するアルジェリアにあるウアルグラでは、7月5日の気温が51・3度となり、アフリカ大陸史上最高を記録した。
ペンシルバニア州立大学の地球システム科学センター長は「異例なのはヒートドーム半球の規模であり、どこか一つの場所に影響を与える規模ではなく、広い地域で高温現象が観測されている」と述べている。
そして、7月23日、埼玉県熊谷市では41・1度を記録し、東京都青梅市でも40・8度を記録。7月24日、米ウォールストリートジャーナルと英ガーディアンは、夏に東京五輪を開催することについて懸念を表明した。  (O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

7月13日の英国サン紙によると、トランプ大統領は、EUとは離脱後も緊密に連携したいとするメイ政権の方針について、米国との自由貿易協定(FTA)に悪影響を及ぼすとの見解を示し、ロンドン近郊での共同記者会見ではメイ首相に、(貿易に)制約を設けないようにと呼び掛けた。
メイ政権は、農業製品の安全基準などに関してEUが決めたルールを離脱後も順守する方針であり、EUが輸入規制を緩和しない限り、英国が譲歩できるわけないからである。
農業製品は、米国とのFTAにおいて中心を占める公算が大きい。7月6日に決まったこの方針について、EUからの独立を重視する与党・保守党のEU懐疑派からは、これで米国とのFTAがほぼ不可能になったと首相を批判してもいた。
私は日本の状況を踏まえ、JETOROの『EUにおける食品流通関連規制について』を確認した。7月17日に、EUの経済連携協定(EPA)に調印したからだ。
確かに、EUへの輸出には、原材料、食品添加物、残留農薬/重金属、ラベル表示、容量/容器、放射性物質の検査項目に加え、HACCPに関する記述も含まれており、米国のそれよりも遥かに厳しいものである。
米国は、1997年より順次、州を越えて取引される水産食品、食肉・食鳥肉及びその加工品、果実・野菜飲料については、HACCPによる衛生管理を義務付けてはいるが、米国内で消費される食品を製造、加工、包装、保管する全ての施設には、2011年1月に成立した『食品安全強化法』によって、アメリカ食品医薬品局 (FDA)への登録とその更新を義務付け、対象となる施設にはHACCPの概念を取り入れた措置の計画・実行を義務付けている。限定的なのだ。
一方、EU諸国では2004年より、食品製造、加工、流通事業のすべてにおいて、HACCPの概念を組み込んだ衛生管理を一次生産者以外に義務付けている。全てにだ。
つまり、米国は世界一インバウンドが多い国だが、全ての飲食店にまでHACCPを強要しているわけではない。もし、国が『基準B』をゴリ押ししようものならば、移民系の飲食店は政治力を駆使して抗うだろう。早くからHACCPを取り入れたマクドナルドは、グローバル展開上必須だったに過ぎないのだ。
ひるがえって、日本では伝統的な日本の食文化にもHACCPを強制しようとしており、東京五輪が開催される2020年を目標に、EUと同じ『HACCPバリアー』を築くつもりでいる。調理中に職人が記録を付けることなどできっこないにもかかわらずだ。何しろ、食材が29品目ある彩り豊かな松花堂弁当だったら、29冊の記録用ノートが必要なのである。
この懸念は、日本では一切ニュース報道されてはいない。そして、HACCPのみならず、EU発であるGDPRについてもである。
(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

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