特別寄稿

 衆議院解散総選挙が終わりました。民主王国と言われた三重県も自民党が3つの小選挙区での議席と比例復活で2議席の計5議席を獲得したのに対して、民主党は小選挙区の2議席に終わりました。大きな変化です。日本全体でも、自民と公明で325議席となり、衆議院では3分の2以上となります。
 政治の世界は結果がすべて。なんであれ、議席数が結局は今後の政治の動向を決めます。これから3~4年の間、自民と公明が中心の政治決定が行われることになります。
 安倍首相の金融政策と、公共事業を中心とした経済活性化政策が展開されることになるでしょう。舵は大きくきられ、積極財政出動となるではないかと思います。民主党政権下でも、東日本大震災の復興予算によって赤字は膨らみました。さらに財政出動となることに日本は耐えられるかどうか。
 しかし、中途半端な改革は日本にとって意味のないシナリオ。安倍内閣が思い切りによって日本経済に新たな展開をもたらすことができるか、注目です。 
 そして自民と維新で348議席となると、憲法改正が現実的な選択肢となりました。確かに日本国憲法は平和主義をうたい、素晴らしい内容を持っています。 しかし、確かに現実との乖離はあります。日本国憲法を変えないために、国民投票の手法を封印してしまいました。原発問題も本来なら国民投票にかけるべきです。
 しかし、憲法改正をさせない、ために国民投票の難易度があがり、結局は国民が政治に参画できるチャンスが非常に少なくなったことも確かです。また憲法が素晴らしいと言われながらも、国民は憲法から遠ざかるという現象にも繋がっています。 
 私は、憲法改正には、日本の平和憲法を今の日本人が新たに作り変えるという意味もあると思います。平和憲法に命を吹き込むという意味を持たせることもできるのです。2016年の衆参同時選挙に、憲法改正の国民投票をしてはどうでしょうか。この衆議院選挙の結果は、タカ派、ハト派という戦いからすれば、タカ派の圧倒的勝利。憲法改正の国民投票を、ハト派の勢力奪取に使うということも考えられるのです。 
 なにはともあれ、日本は大きく動きます。大きく動くだけの結果が出ました。問題は、どう動くのか、です。閉塞感のある日本では動くことをとめるよりも、どのようにいい方向に動かせるか、に集中して、与野党問わず、努力すべきでしょう。
 三重県もこうした動きのなかで、大きく動かざるを得ないでしょう。幸いに鈴木知事は超活動的な政治家です。これまでの日本の発想を大きく超える展開を期待しています。日本の未来をかけた勝負がこれから確実に起こります。
 これが吉と出るか、凶と出るか。可能性は五分と五分と言ったところでしょうか。私たちが、この勝負を吉と向かわせることができるか、という面も大いにあります。
 新年、大いにがんばりましょう!暴れましょう!きっとその先に素晴らしい新たなステージがあるはずです。
(児玉 克哉 三重大学副学長・教授)

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