特別寄稿

3月26日、中部空港周辺にカジノを中心とするIRを整備すべきだとする有識者研究会が、これまでの議論の結果を愛知県知事に報告していた。どうやらカジノが欲しいのは東京や大阪だけではないようで、北海道や和歌山県、長崎県も名乗りをあげている。東京や大阪以外でも出資者が満足を得られると本気で考えているのだろうか?
少なくとも「オックスフォード・エコノミクス」はそう考えてはいない筈だ。ところが、東京は築地市場の豊洲への移転を決めてしまった。アウフヘーベンは潰えたのである。
「オックスフォード・エコノミクス」は、オックスフォード大学のビジネスカレッジであるテンプルトンカレッジとの協力による、商業ベースの研究機関である。海外進出をめざす英国の企業および金融機関に対し、経済予測と計量経済モデル構築のサービスを提供し、世界有数のアドバイザリー研究機関となった。現在、200カ国、100業種、3000都市以上の、業種や都市を対象とした調査レポートに、世界経済モデルや産業モデルの予測、分析ツールを提供している。
そのディレクターがオバマ政権時代の2015年7月29日、超党派国会議員による国際観光産業振興議員連盟(IR議連)勉強会に招かれ、講義をおこなった。題して、オックスフォード・エコノミクス・レポート『Beyond2020・統合型リゾートの実現がもたらす日本の観光業の発展及び経済的インパクト』である。
このレポートでは、東京圏および大阪圏に、それぞれ投資規模で1兆円と8500億円のIR施設が建設されると想定している。その候補地の一つは夢洲。そして、もう一つは石原都政以来の懸案である東京湾岸である。
「オックスフォード・エコノミクス」の予測は以下のとおりだった。

▼GDPの押し上げ効果=東京圏で1・4兆円(国内GDPの0・27%)、大阪で9500億円(同0・19%)。
▼直接的経済波及効果(IRにおける利用者の消費額を合算した売上)=東京圏で年間1・2兆円、大阪圏で8000億円。
▼総合計支出(間接的・付随的消費支出)=東京圏で2・2兆円、大阪圏で1・6兆円。
▼IR施設での直接雇用=東京圏で3万4500人、大阪圏で2万6000人。
▼雇用創出=東京圏で10万3000人、大阪圏で7万7500人。
▼個人所得の拡大予測=東京圏で4500億円、大阪圏で3400億円
▼年間税収(国税+地方税)=東京圏で4700億円、大阪圏で3400億円。
▼建設に伴う年間雇用創出(4ないし5年間)=東京圏で9万8000人、大阪圏で8万500人。

また、「オックスフォード・エコノミクス」のディレクターは、カジノと関連施設による購買活動を予測した。東京圏で1800億円、大阪圏で1500億円である。これらはシンガポールの成功例に基づく見積もりなのだが、実施法案の内容は今年4月3日に想定外の合意に達した。
4月3日のロイターによると、カジノを含む統合型リゾート実施法案に関わる与党ワーキングチームは、日本人のカジノの入場料を、参考とされたシンガポールの1人当たりのGDPの日本との差を勘案し、6000円に決めた。これにより、この法案に関する全ての協議項目で合意が成立、政府が法案を作成し、今国会に提出される。
これまでに合意した項目は、日本人の入場回数制限を7日間に3回、28日間で10回が上限。本人確認の手段は、マイナンバーカードを活用。納付金はカジノ収入の30%。IRにおけるカジノ区域は、延べ床面積比率3%まで。そして、認定区域の数については三カ所だ。その設定区域の数の見直しは最初の区域認定から7年経過後である。
IR実施法が成立すると、国はカジノ管理委員会を設置して、基本方針を策定し、希望する自治体を公募。自治体側はIR事業者を公募して、事業者と共同で区域整備計画などを作成して国に認定を申請。国は審査を実施して、首相と全閣僚で構成するIR推進本部の意見も踏まえ、区域を認定する。
石原氏が言い出した頃と比べると、随分ハードルが上がったものである。だが、納付金≒迷惑料が30%で足りるかどうかは分からないし、民泊ビジネスのように潜りのカジノも蔓延する可能性がある。「取らぬ狸の皮算用」は禁物だ。
(O・H・M・S・S「大宇陀・東紀州・松阪圏サイトシーイング・サポート」代表)

1・会社は欲の塊、欲のない人間は育たない
人口減少・超高齢社会の急速な進展がこれまでの社会常識を大きく変えています。
会社は減少する消費を奪い合う中で生き残りを賭け、お客さまの信頼に応えるために常に「変わらないために、変わり続ける」必要があります。
会社は存続と進化に向けて、お客さまの生活の中の悩みを解決し、期待を実現するうえで「誠実でかつ強欲」でなければなりません。
そのためには「自分の頭で考え、自分の言葉で話し、自分の行動で結果を出す」(意)欲の強い人材が必要です。

2・綱引きの法則(リンゲルマン効果)を克服する
読者の皆さまは綱引きの経験をお持ちのことと思います。同じ人数で綱を引いていても、なぜか息の合ったチームが勝ちます。
また、お神輿(みこし)を担いだ経験をお持ちの方がいらっしゃると思います。大勢でお神輿を担いでいるはずが、自分一人だけ必死になっているのではないかと思うほど重く感じることがあります。
単純作業の場合、集団としての力は個人の力を総合したものより少なくなるということをフランスの農学者M・リンゲルマンが立証しました。
実験の結果は一人の力を100%とすると、二人ではそれぞれ93%、5人ではそれぞれ70%、8人に至ってはなんと一人が49%と半分の力も出していないことが分かり、「社会的手抜きの法則」と呼ばれています。
「1+1=3」にするのが経営だと専門家は唱えますが、現実は「1+1=2」にもならないのが事実であり、責任が明確で依存心のないチーム作りの重要性を痛感します。

3・想いを伝える「関心と言葉の統一」
「会社にとって一番大切なことは何ですか?」とお尋ねすると、箇条書きにしなければならないほど多くの課題を挙げる方がいます。言葉も受売りの難しい言葉や「頭文字英語」や「カタカナ英語」が多いように思われます。
それで、はたして、従業員の皆さまに「想い」が伝わっているのでしょうか?
「社長訓話集」などという書籍が販売され、ご利用されている方もあるかもしれませんが、あなたは愛を告白する時に他人の言葉で話すでしょうか?
誰も関心を持たない話は、独りよがりの「カラオケ」のようなものです。
働く人みんなが毎日興味を持ち、取り組める「関心」を明確にして、分かりやすい言葉で真剣に説得し、納得を求めることが重要です。
会社運営の人間関係の本質は「説得と納得のキャッチボール」です。

4・「美」と「健康」と「人の心」は人類永遠のテーマ
世の中には、「美」と「健康」と「人の心」に関する商品と専門書が溢れていますが、それだけこの3つのテーマはこれまでに解決できてこなかったことの証明です。
化粧水やクリーム、効能・効果があるとされる健康食品、通販では毎日繰り返しコマーシャルが流れています。中にはネズミ講まがいの商品もあり、ご注意ください。
縁あって、化粧品製造業、健康食品製造業の経営者として仕事をしてきましたが、残念ながら、努力をせずに「美」や「健康」を保てる商品に巡り合っていません。
そして、「人の心」についても、経営者として、また労働組合の書記長として「成果主義」や「人材の育て方」、「リーダーシップ」について制度化を進めてきましたが、決め手となる手法は見つけることができませんでした。
しかし、そんな中でも確かに言える「本質」は、
①「美」と「健康」は努力している人としていない人に差が生まれる
②「人は見たいものしか見ていない」「人は聴きたいことしか聞いていない」「人は自分の意思でしか動かない」
責任は与えられるものではなく、感じるものです。
人は育てるものではなく、期待と責任を感じる環境の中で育つものです。
(㈱ブレーメン再健本舗代表取締役)  大 西   肇

1・売上高=客数×客単価=(既存のお客さま+新しいお客さま)×(買上点数×一品単価)

この方程式は製造業、卸売業、飲食業、小売業等すべての業種に共通します。
「今月はよく売れた。みんなよく頑張った!」というのが一番危ない経営です。
なぜなら、「売れる」という「受け身」の考え方で経営をしていては、すべてがお客さま任せ、お天気任せ、成り行き任せになります。
「売れる」時のために沢山の在庫を持ち、人員も補強し、販売促進に大変な経費を使い、ひたすらお客さまを待っていることほど不確かなことはありません。
もし、売れなかった時には経費と在庫だけが先行し、多大な損失が生じます。
「今月はよく売った。商品も改良したし、既存のお客さまに出したDMの反応も良かった。そしてその口コミにより新しいお客さまも僅かだけれど獲得できた。お客さま一人当たりの買上点数も増えて、計画した売上高を実現できた」
売上高は会社経営のスタートラインです。そして、どれだけ「売る」ための根拠を作ることができるか、不確定な要素をなくすことができるかが経営です。

2・売上高-利益=費用(売上原価+経費)

損益計算書では「売上高-費用=利益」となっていますが、残ったものが利益という意識では会社を強くすることも進化することも、社会に役立つこともできません。
会社は必要とする利益を計画的に確保し、存続し成長しなければなりません。
付加価値を生まないすべてのモノや仕事を「ムダ」と言いますが、それらをすべて削ぎ落し、計画した利益を生みだします。利益を上げることができれば、設備や研究開発や人材への投資が可能となり、さらに売上高を伸ばすことができます。
費用とは多ければ多いほどムダを生み、少なければ少ないほど知恵が求められます。
そして、何よりも費用のムダを取り除く努力は成り行き任せではなく自律的です。
今ある損益計算書を発想を変えて作り直し、まず、売上高から目標とする利益を差し引き、残された費用もさらに倹約し、スリムな経営体質となって「明日の準備」を進めたいものです。そして、その利益は競争力を向上するために、お客さまには商品の品質の向上で、従業員には福利厚生の充実と教育によってお返ししたいものです。

3・成果=知恵+カネ(経営資源)

「今はまだ小さな会社」にはカネ(経営資源)が不足しています。
しかし、これからの人口減少・超高齢社会による売上高減少の中を生き抜いてゆくには、持てる資源を何倍にも活用し、経営資源の不足を知恵で補わなければなりません。
知恵は現場での気づきや創意工夫から生みだされます。無意識に蓄積した「潜在能力」も知恵に換える必要があります。今、自分の会社が置かれた状況を正しく把握し、「不安感」ではなく「危機意識」をもって、創意工夫を積み重ねてゆきたいものです。
お客さまからの信頼のために「変わらないために、変わり続ける」知恵と努力は決して裏切ることはありません。

4・経営はすべてが「自己責任」、依存心は進化の敵
東日本大震災といった天変地異や急激な為替変動はお客さまの生活と購買心理に大きな影響を及ぼし、売上高と利益の減少に繋がります。
しかし、会社経営においてはそれすらも従業員の給与を払えない、借入金を返済できない言い訳にはなりません。どのような事態が起ころうとも、お客さまからの信頼と従業員の生活を守りぬく責任があります。
そのために、いつも最悪の事態を想定して準備をしておく。
その方法は過剰在庫や遊休設備・資産など会社内にある付加価値を生まないすべてのムダを徹底的になくし、身軽であり、変化に俊敏に対応できる事、お客さまの生活の中で「困っていること」と「期待していること」を見抜き、「特異と得意」を伸ばし素早く先手を打てることです。
進化の本質は変化への対応、チャンスも危機(ピンチ)も変化の中にあります。
「準備をしておこう、チャンスはいつか巡ってくる(エイブラハム・リンカーン)」

大 西   肇(㈱ブレーメン再健本舗代表取締役)

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