女の落書帖

雨の後の苔が美しい。鮮やかな緑色がスポンジのように水を含んで盛り上がっている。あまりに美しいので、海苔の佃煮の空きびんに入れて、室内に持ち込むことにした。
挿し木用に買ってあった鹿沼土をびんの底に入れて、その上にこんもりとした苔をふた山置いた。近頃流行りの苔テラリウムのつもり。うまく育つかどうかわからないけれど、湿り気と光があれば苔は枯れないと思う。
苔は一般の植物のように根から水を吸い上げるのではなく、体の表面全体から水を吸収している。毎日霧吹きでシュッシュッと水をかけてやるつもりだ。
庭の片隅から適当に持ってきたが、びんの中には二種類の苔があった。スギゴケらしきものと、ヒノキの葉っぱのような形のもの。名前は知らない。どちらも小さくて柔らかそうな苔であることが気に入った。
きれいな花の咲く草はそれぞれ個性的だが、花の咲かない羊歯類や苔類もそれぞれに葉の形が面白い。スギゴケは杉の芽生えのような形。虫眼鏡でびんを上からのぞき込むと、北の方の森を飛行機から見下ろした景色に似ている。
梅雨が明ければ苔には過酷な乾燥の季節となる。それでも庭の隅で生きながらえて、いつか胞子体を作って仲間を増やしていくだろう。小さな命の活動を、この海苔のびんの中で観察できればうれしいと思う。 (舞)

ときめき高虎会は、7月25日㈯13時半~15時、津センターパレス2階大ホールで令和2年度第1回歴史講演会「高虎さんの城づくり─藤堂高虎築城26城の城めぐり─」を開講するにあたり参加者を募集している。
講師は、同会会員で元小学校教諭、日本城郭検定1級、著書に「藤堂高虎─家康に最も頼りにされた漢─」「津城─築城の名手藤堂高虎集大成の城─」がある深見和正さん。
高虎がどうして「城づくりの名人」といわれるようになったのか、高虎築城技術の特徴とは何かを、写真や資料を見ながら解説する。
申込不要、同会会員無料(一般は資料代として500円)。
問い合わせは小林貴虎代表☎090・1751・5460。尚、新型コロナウィルス感染防止のため、急きょ中止となる場合もある。
当日は自宅で検温、マスク着用などで感染防止対策をとって参加のこと。

コロナウイルスの影響で牛乳が余っていると聞いてから、少し多めに牛乳を買うようにしている。でも、そのまま飲んだりクリーム煮にしたりで、代わり映えのない使い方ばかり。
そこで頼ったのはネット。牛乳大量消費のレシピがたくさん出ている。その中から私が一大決心をして作ってみたのは、蘇(そ)。古代のチーズと言われる物である。奈良時代から作られていた贅沢な食べ物。貴族しか口にできなかったらしい。
どんな難しい作り方かと思ったら、ただ牛乳を煮詰めるだけだった。最初は強火で、その後弱火にしてコトコト。私はドラマを見ながら時々かき混ぜに行った。中火でも可能らしいが、鍋から離れると焦げつきそうだ。
一時間経っても牛乳の量はそれほど減らず、このまま飲んでしまおうかとも思った。それでも続けて二時間が過ぎたら、少しトロミが出てきた。それからは中火で、鍋底をこそげ取るようにかき混ぜながら牛乳が固まるのを待った。クッキー生地ぐらいの固さで終了し、ラップに包んだ。
冷蔵庫で冷やしてから食べてみた。懐かしのミルキーみたいな香り、牛乳だけとは思えない甘さ。そこにはちみつをかけて藤原道長風に、オリーブオイルと塩でイタリア風に。古代のチーズは濃厚極まりなく、疫病さえも押し返せそうに思えた。      (舞)

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