女の落書帖

この一年、一度も着物を着なかった。和ダンス二本分の着物があるのに、出番はめったにない。自分の着物と親の着物の、すべてがタンスの肥やしとなっている。紬や小紋の美しい布に見える手仕事のすばらしさ。それぞれ選び抜いて買ったはずのものを、もったいない話だ。
毎年防虫剤を入れながら、誰も着ない着物を何とかしたいと思っていたが、流行りの着物リメイクにも踏み切れなかった。まだ着られるものを切り刻むことに抵抗がある。
そこで、端切れでスカートの試作をしてみた。男物大島紬に女物紬を継ぎ合わせて、ウエストゴムのスカートを作成。渋い色合いのスカートは味のある一着となって、和柄でも普通に着られそうだと思った。
でも、端切れで作ったのでは、着物は一着も減っていない。断捨離のつもりが一着増えた。
思い切って母の着物を一着解いた。ついでに義父の黒紋付も解いて、これを組み合わせることにした。着物の柄をそのまま使ったスカートは、コーディネートが難しそう。黒ベースならトップスと合わせやすくなると考えた。二着からスカート一着となり、一応断捨離は成功である。
次の課題はこのスカートを着ることだ。絹のスカートだから家庭着にはできない。友人とのランチなど、ちょっとしたお出かけに使えるだろうか。頑張って着ようと思う。
(舞)

乾燥ソラマメを買った。オーストラリア産で一キロが七百円ほど。生のソラマメだったらちょっぴりパックで数百円だから、乾燥ものは安い。
豆は何でも好きだけど、ソラマメは特に好き。子どもの頃、祖母が作ってくれたソラマメ餡のいばら餅が懐かしい。小豆餡とはまた別の風味でおいしかった。
乾燥ソラマメを一昼夜水に浸したら、ふっくらと大きくなった。それを圧力鍋で数分圧力をかけて柔らかく煮た。ソラマメ餡にもできそうだ。
でも、まずは出汁醤油を使ってひたし豆に。ほくほくと枝豆と栗を合わせたような味わいで、箸が止まらなくなった。甘く煮るより、揚げるより、この食べ方が一番楽でおいしいみたい。
オーストラリア産でもソラマメはソラマメで、醤油とよく合うことがわかった。他に中国やポルトガルから乾燥ソラマメが輸入されている。
もともとソラマメは地中海から西アジアの辺りが原産地。古代エジプトやギリシャ、ローマでも食べられていたという。彼の地ではオリーブオイルやコショウを使って料理されているだろう。
初夏に出回る未熟なソラマメとは違って、乾燥ソラマメは茶色。畑で完熟しているから栄養価も高い。そういえば、お節料理のお多福豆もソラマメだ。まだたくさんある乾燥ソラマメを、さまざまな味で食べてみたい。
(舞)

天気が良いと洗濯が楽しい。秋の空気は洗濯物をパリッと乾かす。洗濯といっても、全自動洗濯機に洗濯物を放り込んでスイッチを押すだけだから、洗うのは仕事と言えない。干すのとたたむのが洗濯である。
そう書いてから、放り込むだけでもないと思った。汚れのひどいものをちょいちょいと手洗いしたり、染み抜きのために漂白剤に浸したり。少しは考える必要もある。
子育ての時代からずっと、私は柔軟仕上げ剤を使わなかった。花の香りもふっくら柔らかもなし。我が家の子供たちはバリバリのタオルで育った。香りが良いから柔らかくなるからと余計なものを足して、アレルギーの原因となる可能性を高めたくなかった。洗濯は汚れを取り去るだけで十分だと思っていた。
でも、この頃の洗剤売り場を見ると、香りや抗菌機能付きの洗濯用商品が何種類も並んでいる。洗濯は汚れを落とすだけではないのが世の風潮らしい。
実は私も、この夏から柔軟仕上げ剤と酸素系漂白剤を常用するようになった。長雨と酷暑に、室内干し臭や汗臭、加齢臭が気になったからだ。
そしてこんなに涼しくなったのに、まだ私は臭い対策を止めていない。臭いへの恐れが、私の長年の習慣を変えさせた。洗剤売り場がにぎやかなのは、私みたいな臭い恐怖症の人が増えてきているからだと思う。
(舞)

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