女の落書帖

遠方で帰省できない友人に頼まれてちょっとした用事をしてあげたら、経費を知らせてと言ってきた。わずかなこと請求もできないので、気にしないでと返事したら、菓子折りとともに定額小為替が送られてきた。
そういうものがあるのは知っていて、受験料や手数料支払いに使った経験はあるものの、受け取ったのは初めてである。
住所氏名を書いて郵便局へ持っていったら、無事に換金できた。千円。こういうお金の送り方があることをすっかり忘れていた。
お金を送る際に真っ先に思い出すのは現金書留で、使うこともある。コロナ禍で県外の親戚にお祝いを届けられなくて、現金書留にのし袋を入れて送付した。
買い物をしてもクレジットカードや電子マネー、QR決済と、ほとんど現金を扱わない暮らしをしているので、現金書留は新鮮な感じがした。
近頃は、商品券や図書券も電子マネー型ギフトカードやQRコードになってきている。ネットショッピングで使えるギフト券も便利だ。いずれは結婚式のご祝儀もスマホでQR決済キャッシュレスとなるだろうと、これは聞いた話である。
スマホで送金は簡単だが、さすがにご祝儀ともなると抵抗を感じる。お年玉もお盆玉も、ピッピッとするよりかわいい袋に入れて手渡したいと思う。面と向かって会えればの話だが。   (舞)

今年はマツバボタンを上手に咲かせることができた。一袋の種を蒔いたらたくさんの苗ができ、それが上手に育った。
今年咲いたマツバボタンは大きな花で、しかも八重咲。草丈も二十センチほどある。小さな植木鉢なら、一株植えで十分豪華だ。
同じ仲間であるポーチュラカと同様に、挿し芽で簡単に株を殖やすこともできる。日が当たらないと花が開かないことが難点ではあるが、暑さと乾燥に強くて夏の花壇にぴったりだ。
花が終わると当然ながら種を作ろうとするので、いまは花がら摘みに励んでいる。種を作らせると株が弱って次の花が咲いてこない。
そういうことを知っているのは、昔祖母がマツバボタンを育てていたからだ。広い前庭の縁取りに、何十本ものマツバボタンを植えていた。昔の品種だから、一重咲きで小さな花だったが、黄色、薔薇色、白、赤、薄ピンクのかわいい花が夏の日を浴びて鮮やかに咲いていた。
夏の終わりには、種採りをした。祖母と一緒にしゃがみこんで、茶色く枯れた花びらの下の芥子粒ほどの種を集めた。小学校低学年の私には難しい作業だったが、種が来年の花になることを知った経験だった。
私の花好き種蒔き好きはそこから始まったのかもしれない。私も孫と一緒に何かをすれば、孫の人生に影響を与えたりできるだろうか。      (舞)

ウォーキングするつもりで家を出ても、ついついだらだら歩きになってしまう。運動というより散歩の速度。でも、それはそれで周囲がよく見え、季節の変化を草木の様子で知ることができる。
歩道の端っこに生えていたブタナやマンテマは姿を消して、夏草がぐんぐん丈を伸ばしている。ヨモギは昔から知っているけれど、風に揺れる腰丈ほどのイネ科の草の名が分からない。コヌカグサだろうか。ネット図鑑で調べてもイネ科はよく似ていて決められない。
ヨモギやイネ科の草は地味だが、園芸種かと思うほど派手な雑草も見る。紫のヤナギハナガサや黄色のモウズイカなどは花瓶に挿したいぐらい華やかなのに、環境の悪そうな路肩で花を咲かせている。
足元を見れば、ヒメツルソバがピンクの金平糖のような花を並べている。隣にあるのはオオバコだが、従来のオオバコとは葉の形が違う。
どれも、私が子供の頃には見かけなかった草だ。これらの草は近年増えた帰化植物だろう。外国から持ち込まれたものが、日本の環境に順応して勢力を伸ばしている。貨物に付着してきたものか、園芸種として庭に植えたものが広まったのか。
人が移動すればほかの物も移動する。植物も動物も細菌もウイルスも。グローバル化は様々なものを運ぶ。良いことばかりではなさそうだ。   (舞)

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