女の落書帖

子どもたちが家を離れて久しいのに、まだいろんなものが残っている。消しゴムやかわいい小物やプラモデルや陶器のオルゴール。
オルゴールのネジを巻いて鳴らしてみた。曲目は「エリーゼのために」。子どもはそんなには喜ばず、長らくおもちゃ箱の底にあった。私がそれを拾って、今は飾り棚に。
子どもの頃、私もオルゴールを持っていた。木製の小物入れで、箱のふたを開けるとトロイメライが流れた。姉からのお下がりだったけど、大事にしていて、何度もネジを巻いてポロポロロンと流れる音を聞いたものだ。
その頃は子どものおもちゃのほとんどにゼンマイが使われていた。ブリキの自動車、お風呂の舟ももちろんゼンマイで動いた。おもちゃだけでなく、柱時計も一日に一度ネジを巻いた。
ネジを巻く、そのエネルギーをゼンマイに蓄えて、小舟のスクリューを回す。オルゴールの筒を回す。時計の針を動かす。
人のエネルギーを蓄えるシステムもすごいと思うが、一気にエネルギーを放出するのではなく、少しずつエネルギーを使って正確な時を刻む振り子時計の制御システムは素晴らしいと思う。
ゼンマイの「ネジを巻く」作業は、今では私の日常から姿を消し、慣用句として存在するだけとなった。ゼンマイはなかなか面白い仕組みだと思うのだけど。 (舞)

曇り空の下、半袖ジャージ姿の小学生たちが歩いてくるのを運転席から見た。男の子たちだから要注意。男の子はふざけて突然車の前に飛び出すことがある。
それぞれランドセルを背負い、傘を持ってだらだらと歩いてくる。傘の先はアスファルトの上をずるずると動いていて、先端のプラスチックが擦り切れるのも時間の問題だと思われた。
そういえば、小学生男子はあんなものだった。他人に向けて傘を振り回さないだけお利口さんとしよう。
では、私なら雨上がりの傘をどのように持っているかと振り返ってみる。私はステッキのように、傘の先をコツコツとアスファルトに打ち付けているようだ。今まで意識していなかったが、それもまた、傘の先を傷つける。あの先端の部品は石突きというのだったか。
実をいうと、私が愛用している傘は十年も前のもの。置き忘れることもなく、色柄が褪せることもなく、骨を折ることもなく、石突きもつゆ先もしっかりしている。ステッキのように使う分には、傘への負担が少ないとみえる。
ただ、木製の柄がくたびれてきた。そろそろ買い替え時期だろう。安いビニール傘や子どもの傘は消耗品だけれど、大人はやはり良い傘を持ちたいもの。次の十年を過ごす傘との出会いを待っている。    (舞)

チューブの練り歯磨きが少なくなってきた。空気を入れてブンブン振って絞り出したらまだ数日は使えそうだが、そろそろ新しい歯磨きを出しておかなければ。
今使っているのはドイツ土産の練り歯磨き。半年ほど前に封を開けたものだ。味も使い心地も日本製と変わらなかったが、使っても使っても不思議なぐらいなくならない。さほど大容量でもないので、チューブに何か秘密があるのかもしれない。
以前聞いた話だが、ある日本のメーカーでは、練り歯磨きの売上増を目的に、チューブの出口を一回り太くしたという。それは本当の話だったろうか。確かに一押しで出てくる一回分の使用量が多ければ減りが早い。
歯ブラシの上に乗せる歯磨きの量が多いと口の中が泡でいっぱいになって、それだけでさっぱりする。磨かずとも磨いたような気になるからあまり良い事ではない。
昔からドイツ製は性能が良いとのイメージがある。ドイツ製の車や文房具や機械を好む人も多い。私は日本製も同じく性能が良いと思っているけれども、長持ちする練り歯磨きとしてドイツ製を評価したい。またお土産にドイツ製歯磨きをもらうとうれしいなと思う。
韓国製も使ってみたい。彼の地ではトウガラシやニンニクの料理が多いので、良い練り歯磨きがあるそうだ。誰かお土産に歯磨きをくれないかと思うこの頃。      (舞)

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