女の落書帖

 夜にスーパーに行くことがある。コロナ禍の頃に混雑をさけようと始めたことである。
 スーパーでまずカゴに入れるのは値引きシール付きバナナ。私は熟したバナナが好きなので、バナナを買ってから数日置いてシュガースポットができるのを待つ。だから、値引きシール付き黄色いバナナは大歓迎。置いておく時間を短くできる。
 昔はこの値引きシールが貧乏くさくて恥ずかしく、青いバナナを買っていた。今は恥ずかしくもなんともない。どうせ置いておくならスーパーで黄色くなっている方が合理的だ。
 次に肉や魚のコーナーを見る。値引きシールが付いていれば、それも購入を考える。無駄なものは買いたくないが、消費できるならカゴに入れる。コスパが良い買い物だ。
 値引きシールが恥ずかしくなくなったのは、世界には飢餓に苦しむ人もいるのに日本では多くの食品を捨てていると知ってからだ。その時から食品ロスについて意識するようになった。牛乳や豆腐も手前から取る。すぐに食べるなら賞味期限の差は関係ない。
 商品が売れ残れば店は商品を廃棄しなくてはならない。消費できるものなら私が消費して廃棄を減らそう。その上シールで安く買えるのだから、この物価高の時代にありがたい。まだ値引きシールが恥ずかしい人にもお勧めしたいと思う。        (舞)

まな板の上の水菜を切りながら思い出した。関東出身の息子のお嫁さんに「水菜とお揚げさんの炊いたん」の小鉢を出した時のこと。「タイタン!」と反応したので、「アニメのキャラか土星の衛星みたいやなあ」と返して笑った。
 私は煮物を「炊いたん」と言うことがある。肉じゃがは「肉じゃが」と言うが、里芋は「里芋の炊いたん」、豆は「お豆さんの炊いたん」と京都のおばんざい風の表現をする。
 三重弁には京都言葉が入っているように思う。「言わへん」「そや」と使っているけれど、こういうのは京都風らしい。大阪では「言えへん」「せや」と言うみたい。きっと東海道の鈴鹿峠を越えて京都からの旅人が伝えた表現だろう。
 三重県はいくつもの峠で関西とつながっている。渡るに渡れない木曾三川や伊勢湾がある東側より、西側との交流が多かったと思う。だから言葉も生活習慣も関西風。三重弁も関西弁に分類されるだろう。
 私は方言を気にしたことがない。どこにいても普通にしゃべっている。三重弁は温かくて好きだ。「ささって」だの「とごる」だの「つんどる」だの、他の地域では通じない言葉もあるだろうが、それも話題の一つになる。
 きょうの水菜も「水菜とお揚げさんの炊いたん」になった。「水菜と油揚げの煮物」より美味しそうに聞こえると思う。  (舞)

 スマホを持って何年にもなるが、あまり使っていない。ニュースを読んだり、ちょっとした調べ物をしたり。画面が小さいので、ネットショッピングやカード明細の確認などにはパソコンの方が使いやすい。
 それでも暇つぶしにスマホでゲームをすることがある。数独や脳トレ用のゲームを始めると、ついつい時間の経つのを忘れて夢中になってしまう。認知症予防になるだろうか。
 使っているのは無料アプリなので、広告が出る。広告をブロックする方法もあるだろうが、無料で遊ばせてもらうのだから広告があっても仕方がないと思っている。広告は世間を知るにも役立ちそうだし。
 それでも、このところ薄毛対策の広告が多く出てくるのが気になる。ネット広告が検索履歴などから関心のある分野を狙ってくることは知っている。パーソナライズドマーケティングの時代だから顧客が興味を持つ広告が当たり前なのだ。
 殊更にコンプレックスを刺激する広告を表示して購買意欲につなげようとしている。でも私は薄毛で悩んでいない。どうしてこんなに薄毛対策の広告が出てくるのだろう。
 もしかしたら脳トレする人には薄毛の傾向があるのかもしれない。頭を使うから薄毛?そう考えると興味深い。今後薄毛の人に会ったら、「脳トレしていますか」と聞いてみようかな。 (舞)

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