女の落書帖

香ばしい匂いが細く開けた車の窓から入ってきて、うなぎ屋に気が付いた。昼日中、太陽に照らされながら店の前に並ぶ人たち。まだまだ暑いからうなぎを食べたくなる気持ちはわかる。「かなりの待ちだね」と眺めながら、お腹が空いていることに気が付いた。うなぎ屋の煙には引力がある。
それでも炎天下に客を並ばせるという店のやり方は受け容れ難い。スマホでお知らせとまでは言わないが、整理券を配ったり順番シートに名前を書かせたりならできるだろうに、なぜ日差しの下で行列を作らせるのか。
「並んでまで食べたくないよね」と言いながら、今時はそうでもないことを思い出した。いつも行く小さなパン屋の前にも数人の行列があったりする。店が狭いので、密にならないよう外で待たないと入れない。
肉屋もそうだ。歩道にディスタンスを保つためのテープがあって、それに従って皆さん行列を作っている。案内されて数人ずつ店に入っていくが、それでも陳列ケースの前は結構な混雑だったりする。
行列は嫌だとはもう言っておれない。行列を作るのも新しい生活様式だ。新型コロナは、ある程度は自身の行動で防御できる。もちろん気を付けていても感染することはある。だから感染させないようにも気を付ける。行列も受け容れなければならないと思う。
(舞)

長い梅雨の後は猛暑の日々となった。不要の外出をする気にもなれない。戸外は熱帯だ。
お昼ご飯は自然と冷たい麺類となる。そうめん、ざる蕎麦、冷やし中華。毎日冷たいものではいけないと、時々は温かいスパゲッティやラーメンも。小麦は美味しいとしみじみ思う。
どれも熱湯でゆでるから調理中は暑いが、私はそんなことが気にならないほどの麺好きなのである。
中でも一番のお気に入りは大矢知の冷麦。そうめんよりもうどんよりも冷麦だ。あの太さが一番美味しいと思う。冷たくしてつるつるシコシコ、ミョウガや青じそを薬味につゆで食べるのが最高である。
でも、今年はもっとシンプルな食べ方もしている。氷水でしめた麺にオリーブオイルと塩を振りかけるだけ。小麦そのもののおいしさが味わえる。また、麺の上にたっぷりの野菜を乗せて、オリーブオイルと麺つゆをぶっかけにするのも良い。オイルと麺は合う。
冷麦をスパゲッティのように使うこともある。ニンニクとオリーブオイル塩コショウでいろいろな野菜やベーコンを炒めて麺とからめる。バジルを使っての冷麦ジェノベーゼも香りが良くて美味しい。
伝統的な食品だからと伝統的な食べ方をしなくても良いだろう。世界のレシピで味が広がる。今度は蕎麦でイタリア風をやってみようと思う。  (舞)

万歩計のアプリを起動したら、化粧品の広告が開いた。無料アプリには広告が付き物。実のところ、少々の広告は迷惑とは感じない。こんな商品もあるかと、情報を得られる。
化粧品の広告と書いたが、半分アンケートだった。簡単なアンケートに答えたら試供品を無料プレゼントとある。少し使ってみたい気がするし、無料送付だしと心が揺れた。
でも、結局アンケートには答えなかった。だいたいアンケートは胡散臭いものである。多かれ少なかれ、個人情報を引き出すことを目的としている。魅力的なプレゼントに乗せられ、易々と個人情報を与えてなるものか。
特にWebで答えるアンケートには詐欺まがいのものもあるという。アンケートシステムが容易に使える時代だから、詐欺に引っ掛からないよう用心していないと。
四月だったか、ラインに厚生労働省からのアンケートが来たときには驚いた。まずは疑ったが、他のメディアで確認すると本当に厚生労働省が出していると分かったので、緑のライン公式バッジが付いていることを確認してから回答した。
社会の役に立つアンケートなら、私も協力する気持ちがある。国が個人情報を悪用するとも思えないし。確か四回アンケートに答えたが、ウイルス対策の役に立っただろうか。その後は来ないから…。      (舞)

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