女の落書帖

 お正月には百人一首。子どもの頃からそうだった。その頃には電子ゲーム機もなく、大人が一緒に遊んでくれる百人一首がお正月の楽しみだった。
私が初めて覚えた札は「田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」だった。雄大な富士の美しさを詠んでいると、小学生にも理解できた。
中学生の頃のお気に入りは「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに」だった。心が乱れるのはあなのたのせいというところが、思春期の少女の心を揺らした。
でも、この「しのぶもぢずり」の部分は、モジズリソウのことだと思っていた。初夏にピンクの可憐な花をつけるネジバナのようにねじれる恋心。
それがもじずり染めのことだと知って、少しがっかりした。初めと染めがかけてあったとは。石の上に布を置いて草を刷り込むという染め方だと、美しい色合いの布になるとは思えない。歌のイメージが変わってしまった。
さて、今心に響く札ならば、断然「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」だ。若い頃やろうと思えばできたのに、やり残してしまったことは数多ある。ぼんやりしているうちにこんなに時が過ぎてしまったという思いは、小野小町みたいな美女でなくても持つもの。小さな後悔なら誰の人生にもある。  (舞)

おめでとうございます。まずは歌留多でご挨拶。
(い)いい波のってんね(ろ)ロケットで宇宙葬(は)半端ないって(に)日本の介護を外国人材で(ほ)ボーっと生きてんじゃねぇよ(へ)米中貿易摩擦激化(と)突然停電ブラックアウト(ち)朝鮮半島非核化?(り)リアルより映えが重要(ぬ)ぬーっとひょっこりはん(る)累積する国の借金(お)大谷二刀流翔タイム(わ)私も#MeToo(か)金足農業雑草軍団(よ)止してよあおり(た)ダサかっこいいUSA(れ)列車は計画運休(そ)忖度して奈良判定(つ)ついに亜熱帯か災害級の暑さ(ね)年齢肯定グレイヘア(な)なおみフィーバー(ら)楽やせダイエット(む)無理やり反則タックル(う)噂じゃおっさんもラブしてる(の)伸び伸び滑る紀平梨花(お)オリンピックでeスポーツ(く)空気乾燥山火事消えず(や)止めようパワハラ(ま)マジで怪しいサウジ皇太子(け)経営者はもらいすぎ?(ふ)不正入試発覚(こ)これは首相案件(え)映像きれい4K放送(て)手編みニットでレトロ感(あ)アメリカの勝ち組GAFA(さ)作業着鉢巻きスーパーボランティア(き)筋肉は裏切らない(ゆ)夢洲大阪万博(め)目元そっくりキムタク娘(み)ミツバチ減少世界規模(し)時短ハラスメント(ひ)平昌いいねそだねー(も)モリカケご飯論法(せ)整形メイクでかわいく作る(す)すばらしい年に。        (舞)

日曜日の公園を通りかかったら、珍しくパパと女の子の姿が見えた。高齢化していく街で、公園に子どもの姿を見ることが少なくなっている。
女の子は二歳か三歳。ピンクの上着を着て、滑り台の階段の二段目に立っている。パパは数メートル離れたところにいて、スマホの画面に見入っていた。
「あれあれ、大丈夫かしらん」こういう時には、ジジババ目線になってしまう。二段目から落ちるぐらいならかすり傷だろうが、四段目からなら危ない。パパは分かっているだろうか。
このジジババ目線というヤツは厄介である。子どもを見慣れていないので、発達段階が分からない。子どもに何ができて何ができないかが分からないから、余計に心配になってしまうのだ。
「孫守りは疲れる。ガチガチに緊張して子どもの動きのすべてを見ているから、肩に力が入る」とは、よく聞く話である。
くだんのパパは娘が二段目以上には登らないと思っているのだろう。女の子は慎重な性格で、「パパ一緒に登って」と言うのだ。
でも、今とてももったいないことをしていると、パパは知っているだろうか。子どもがそんなにかわいい時期はすぐに過ぎてしまう。あっという間に大きくなってパパを頼りにすることも少なくなる。今のこの時をスマホなんぞに使うのは本当にもったいない。         (舞)

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