女の落書帖

乾燥ソラマメを買った。オーストラリア産で一キロが七百円ほど。生のソラマメだったらちょっぴりパックで数百円だから、乾燥ものは安い。
豆は何でも好きだけど、ソラマメは特に好き。子どもの頃、祖母が作ってくれたソラマメ餡のいばら餅が懐かしい。小豆餡とはまた別の風味でおいしかった。
乾燥ソラマメを一昼夜水に浸したら、ふっくらと大きくなった。それを圧力鍋で数分圧力をかけて柔らかく煮た。ソラマメ餡にもできそうだ。
でも、まずは出汁醤油を使ってひたし豆に。ほくほくと枝豆と栗を合わせたような味わいで、箸が止まらなくなった。甘く煮るより、揚げるより、この食べ方が一番楽でおいしいみたい。
オーストラリア産でもソラマメはソラマメで、醤油とよく合うことがわかった。他に中国やポルトガルから乾燥ソラマメが輸入されている。
もともとソラマメは地中海から西アジアの辺りが原産地。古代エジプトやギリシャ、ローマでも食べられていたという。彼の地ではオリーブオイルやコショウを使って料理されているだろう。
初夏に出回る未熟なソラマメとは違って、乾燥ソラマメは茶色。畑で完熟しているから栄養価も高い。そういえば、お節料理のお多福豆もソラマメだ。まだたくさんある乾燥ソラマメを、さまざまな味で食べてみたい。
(舞)

天気が良いと洗濯が楽しい。秋の空気は洗濯物をパリッと乾かす。洗濯といっても、全自動洗濯機に洗濯物を放り込んでスイッチを押すだけだから、洗うのは仕事と言えない。干すのとたたむのが洗濯である。
そう書いてから、放り込むだけでもないと思った。汚れのひどいものをちょいちょいと手洗いしたり、染み抜きのために漂白剤に浸したり。少しは考える必要もある。
子育ての時代からずっと、私は柔軟仕上げ剤を使わなかった。花の香りもふっくら柔らかもなし。我が家の子供たちはバリバリのタオルで育った。香りが良いから柔らかくなるからと余計なものを足して、アレルギーの原因となる可能性を高めたくなかった。洗濯は汚れを取り去るだけで十分だと思っていた。
でも、この頃の洗剤売り場を見ると、香りや抗菌機能付きの洗濯用商品が何種類も並んでいる。洗濯は汚れを落とすだけではないのが世の風潮らしい。
実は私も、この夏から柔軟仕上げ剤と酸素系漂白剤を常用するようになった。長雨と酷暑に、室内干し臭や汗臭、加齢臭が気になったからだ。
そしてこんなに涼しくなったのに、まだ私は臭い対策を止めていない。臭いへの恐れが、私の長年の習慣を変えさせた。洗剤売り場がにぎやかなのは、私みたいな臭い恐怖症の人が増えてきているからだと思う。
(舞)

チンチーンとおりんを叩いて仏壇から羊羹を下げてきた。お下がりをいただく時におりんを二回鳴らすのは、子どもの頃からの習慣だ。
鳴らすのが二回で合っているのかどうか、そもそもそういう時に鳴らすべきなのかどうか、よく知らない。宗派によって違ったりしそうだけれど、お寺さんに確かめたこともない。さて、義母はいったいどうしていただろう。夫に聞いてみたが「知らん」と言う。
私は幼い頃に祖母から教えられた。「チンチーンと鳴らしてからまんまんちゃんあんしてちょうだいと言いなさい」そうすれば、仏さまにお供えしてあるお菓子がいただけた。私も自分の子どもにそう言ってきた。鳴らし方が合っているとか合っていないとかはさておき、先祖がいて自分がいるということを教える機会であったと思っている。
お盆を迎えたおりんは、少しの曇りもなく磨かれ仏壇の前で輝いている。チーンと鳴らすと余韻がずいぶん長く続く。美しい音色だ。
このおりんの音色を生かして、おりんコンサートという演奏活動をする人もいるそうだ。そうなるともう、鳴らし方が合っているとか合っていないとかを超越した場所にある。
人それぞれに信じるものも考え方も違う。ここではおりんは長い歴史を経て、美しい完成形となっていると結んでおこう。 (舞)

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