女の落書帖

 半分はノラ猫のせいだ。庭に置いた生ゴミ容器の蓋を開けて覗きこんでいるのを見た。半分は私が悪かった。燃えるゴミの日を一回逃してしまった。
 今朝、ゴミを捨てようと生ゴミ容器を開けたら、ウジ虫が蠢いていた。そこでキャアと悲鳴を上げれば、女らしいと言われるかもしれないけれど、久しぶりに見たものなので珍しくて、しげしげと見入ってしまった。白くて、ぷっくりしていて、何十匹も…。その後、ゴミ管理の甘さを反省しつつ、容器の中身ごとゴミ袋に密封して集積所に運んだ。今頃ウジ虫は火葬されているだろう。
 この頃ハエの姿を見なくなった。どんな虫だったかと忘れるほど見ていない。それでも、ハエはこの辺りにいるようだ。いつのまにかゴミ容器の中の魚の腸に卵を産み、ウジ虫が発生した。
 ウジ虫と言えば、汚いものの代表のようだが、汚いのは腐った魚である。ウジ虫はそれを食べて処理しているわけで、虫自体が汚いとは言えない。実はきれい好きの虫かもしれない。戦争で傷の手当が不十分な時、ウジ虫が膿や腐った肉を食べることで、むしろ傷の治りが早まったという話を読んだことがある。
 もぞもぞ蠢く様は可愛らしくはない。ウジ虫野郎のような侮蔑的表現もある。でも、ウジ虫を目の敵にするのは間違っているかもしれない。久しぶりの対面で考えたこといろいろ。   (舞)

 唐揚げがブームだという。そういえば、コンビニでも売られているし、たまに通る道にも唐揚げ専門店ができていた。店の前にはノボリがはためき、店の中には何人かのお客の姿が見えた。
 注文を受けてから肉を揚げるのだろう。しばらく待つので、人の列ができる。列があると、おいしい店に見える。少々待たせるのがコツだなと見抜いたつもりが、本場九州の唐揚げはどんなにおいしいかと気になる。
 唐揚げは家庭料理の定番でもある。それぞれの家にそれぞれのレシピがあって、家庭の味ができあがる。我が家でも子どもが食べ盛りの頃には、十日に一度は唐揚げを作った。お弁当にも登場した。我が家の唐揚げはニンニクとショウガを入れた醤油味。スーパーにも揚げたて唐揚げパックが並んでいるが、我が家の唐揚げが一番おいしいと思う。
 ところが、唐揚げをすると台所が汚れる。レンジも壁も換気扇も油っぽくなるのが難点である。だから、子育て終わった私たち夫婦は唐揚げを外で食べることにしている。一人三個もあればじゅうぶんで、それ以上はお腹の脂肪となってしまうのだから、台所を汚すほどでもない。
 唐揚げの本場九州でも、店買いが多いそうだ。専門店の味付けは家庭の味を超越するだろうか。今度あの店の前を通ったら、唐揚げ二人前を買ってみよう。   (舞)

 ピンポンとインターホン。不意の訪問は宅配便だった。回覧板は郵便受けに置かれるから、インターホンを鳴らす人は、宅配便とセールスと宗教ぐらいなのだ。
 インターホンが鳴っても、「間に合ってます」「興味ありません」とすませることも多い。
 玄関を開けなければ、悪徳セールスにひっかかる危険も減り、インターホン越しだと断るストレスが軽減される。鍵とインターホンは防犯のかなめだ。
 ところで、私はいつから玄関に鍵をかけるようになったのだろう。田舎で育ったので、玄関の鍵はいつもかけなかった。子ども達やその友達が玄関を出て行ったり入ってきたり。何ということもなく人が立ち寄り、おしゃべりしていくような家だった。
 それが今はこんなに閉鎖的に暮らしている。子ども達が家を離れた後、訪問者が減ったのと、鍵をかけるようになったのと、どちらが先だったろうか。玄関先での立ち話がなくなって、少し寂しいと思わないでもない。
 この変化には、携帯電話の普及も関係しているに違いない。人はまず電話でアポイントメントを取ってから訪れる。よって、前触れするほどでもない訪問が減っていく。 人と人をつなぐツールが、かえって人と人との生身の交流を妨げているようにも思える。
 時代の流れというべきかもしれないが。            (舞)

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