女の落書帖

 日曜日の午前中、ジムは人でいっぱいだった。ランニングマシンは順番待ちの様子だったが、エアロバイクには数台の空きがあった。
 静かにペダルを回し始め、次第に回転数を上げていく。一分間に六十回転ぐらいを維持しつつ、ペダルに負荷を加え、心拍数を上げていく。
 心拍数は百を超えるぐらいで良しとしている。自転車漕ぎの苦行をするつもりはない。気持ちよく運動をしたい。
 ペダルを回しながら、目は周囲を見渡す。本を読みながら足を動かす人がいる。隣の人と楽しそうに笑いながらの人もいる。運動は楽しみつつした方が長く続けられる。
 こんなふうにペダルを回して自転車のライトを点けたことを思い出す。ライトを点けたとたんにシャーという音がしてペダルが重くなった。坂道を登るときなど、無燈で走りたくなったものだ。
 ジムに並んだエアロバイクで発電するとすれば、どれほどの電力が得られるだろう。二十台が十時間動くとして……。運動する老若男女のエネルギーを蓄電池に溜め、照明に利用できないものだろうか。
 風や波や地熱や太陽光を発電に利用するのだから、人力発電機があっても良いだろう。脂肪を減らすためだけにペダルを回しているのはつくづくもったいない。消費カロリーだけでなく、発電量が分かるバイクならきっと励みになるだろう。
        (舞)

 三重県総合博物館MieMuが開館して四ヶ月が経った。一度行かねばと思いつつ、まだ行っていない。
 後回しにしていた言い訳を並べてみる。動物園や水族館のように展示物が明確ではないし、美術館のように企画の評判を聞いたこともない。子どもがいないと教育という目的もない。
 ところが、周囲の人は結構行っているようである。そして、比較的高評価。何度も子連れで遊びに行ったという人もいる。
 無料で入れる場所がかなり広くあるらしい。子ども体験展示室では、登ったり、覗いたりしながら、展示物を見ることができる。小学生あたりが対象なのか、触ったり、着たり、使ったり、文字通り体験しながら、子どもたちの目線で展示物を鑑賞できるそうだ。
 大人が博物館を楽しむとしたらと考える。それは企画の質だろう。何をどのように見せるか、学芸員の腕が試される。ちなみに今の企画は「化石が語る巨大ゾウの世界」。
 博物館では、その国や地域の文化や自然の特色が分かる。だから観光の一環として博物館に立ち寄ることがある。博物館そのものが主目的となる旅もある。私が行ってみたいのは、福井県立博物館。世界でも有数の恐竜博物館は、魅力的な観光スポットだと思う。
 さて、MieMuはどれほどのものだろう。明日、行ってみるつもり。        (舞)

 アナと雪の女王の大ヒットで、ありのままという言葉をよく聞くようになった。「ありのままの姿見せるの ありのままの自分になるの」ありのままの自分とは何だろう。
 この間友人と会った時に、「高校生の頃は」という話が出た。高校生の頃は、周りの人たちが素晴らしく思え、劣等感に苛まれた。自分のすることが何もかも中途半端な気がして恥ずかしく、かといってそこから抜け出す努力もしなかった。小さな失敗にもくよくよし、後悔ばかりしていた。
 今なら分かる。劣っているなら少し頑張ればよい。努力すれば、誰でも少しは向上するものだ。今なら分かる。失敗を恐れずやってみればよい。失敗したとしても、たいていのことは取り返せる。人は他人にさほど興味がないから、他人の失敗にほとんど気づかない。気づいて笑うことがあっても、人はすぐに忘れる。
 あるがままの自分を受け容れて、目の前のことに地道な努力を続ける。新しいことにも取り組む。そこから向上する時に、人は生きる喜びを感じるのではないだろうか。
 だから、ありのままの自分になるということは、現状のまま停滞することではない。自身を変えないまま、周囲に寛容を求めることではない。それは単なる甘えだ。
 ありのままとは、恰好つけずに人と向き合い、迷い失敗し悩む自分まで認めることだ。今なら分かる。
         (舞)

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