女の落書帖

コロナウイルスの影響で牛乳が余っていると聞いてから、少し多めに牛乳を買うようにしている。でも、そのまま飲んだりクリーム煮にしたりで、代わり映えのない使い方ばかり。
そこで頼ったのはネット。牛乳大量消費のレシピがたくさん出ている。その中から私が一大決心をして作ってみたのは、蘇(そ)。古代のチーズと言われる物である。奈良時代から作られていた贅沢な食べ物。貴族しか口にできなかったらしい。
どんな難しい作り方かと思ったら、ただ牛乳を煮詰めるだけだった。最初は強火で、その後弱火にしてコトコト。私はドラマを見ながら時々かき混ぜに行った。中火でも可能らしいが、鍋から離れると焦げつきそうだ。
一時間経っても牛乳の量はそれほど減らず、このまま飲んでしまおうかとも思った。それでも続けて二時間が過ぎたら、少しトロミが出てきた。それからは中火で、鍋底をこそげ取るようにかき混ぜながら牛乳が固まるのを待った。クッキー生地ぐらいの固さで終了し、ラップに包んだ。
冷蔵庫で冷やしてから食べてみた。懐かしのミルキーみたいな香り、牛乳だけとは思えない甘さ。そこにはちみつをかけて藤原道長風に、オリーブオイルと塩でイタリア風に。古代のチーズは濃厚極まりなく、疫病さえも押し返せそうに思えた。      (舞)

私のパソコンのディスクトップ壁紙は小鳥の写真である。鳥好きの友人から送られてきたジョウビタキなど。友人は野鳥の会に入って、バードウォッチングを趣味としている。
野山を歩いて野鳥を観察するというのは、老後の趣味としてとてもイケてると思う。友人に倣って私も双眼鏡を買った。
家の窓から見えるスズメやカラスを観察してみるのだが、双眼鏡を使うのは思いのほか難しい。あの辺りと見当をつけて構えても、視野に入れることができない。たかがスズメの観察に苦労をしている。
鳥の名前を覚えることも難しい。写真では大きさが分からないし、雄と雌でまったく色が違う鳥もあるし、何より実物はすぐに飛び立ってしまうし。それでもイソヒヨドリは雌雄見分けられるようになった。その辺の駐車場の車の上に止まっていたりする。
この間初めてジョウビタキを見た。山の麓の集落を訪ねた時、民家の石垣の上でこちらを見ていた。黒地に白い紋を置いたような羽で紋付鳥という別名を持つ鳥なのですぐに判別できた。お腹のオレンジ色で雄だと思った。
ジョウビタキは逃げもせず私を眺めていた。コロナウイルス騒ぎで、鳥を見ても鳥インフルエンザを連想してしまうこの頃だけど、生きて動いている野鳥はかわいい。つかず離れずの距離で見つめていた。 (舞)

この一年、一度も着物を着なかった。和ダンス二本分の着物があるのに、出番はめったにない。自分の着物と親の着物の、すべてがタンスの肥やしとなっている。紬や小紋の美しい布に見える手仕事のすばらしさ。それぞれ選び抜いて買ったはずのものを、もったいない話だ。
毎年防虫剤を入れながら、誰も着ない着物を何とかしたいと思っていたが、流行りの着物リメイクにも踏み切れなかった。まだ着られるものを切り刻むことに抵抗がある。
そこで、端切れでスカートの試作をしてみた。男物大島紬に女物紬を継ぎ合わせて、ウエストゴムのスカートを作成。渋い色合いのスカートは味のある一着となって、和柄でも普通に着られそうだと思った。
でも、端切れで作ったのでは、着物は一着も減っていない。断捨離のつもりが一着増えた。
思い切って母の着物を一着解いた。ついでに義父の黒紋付も解いて、これを組み合わせることにした。着物の柄をそのまま使ったスカートは、コーディネートが難しそう。黒ベースならトップスと合わせやすくなると考えた。二着からスカート一着となり、一応断捨離は成功である。
次の課題はこのスカートを着ることだ。絹のスカートだから家庭着にはできない。友人とのランチなど、ちょっとしたお出かけに使えるだろうか。頑張って着ようと思う。
(舞)

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