女の落書帖

 その小さなスーパーでは、いつも歌謡曲が流れていた。大手スーパーの「魚サカナさかなー」や「きのこのこのこ元気な子」とは違って、販促をまったく考えていないところが偉かった。噂では社長の趣味だということだった。
 普段聞かない音楽も、自然に耳に入ってくると馴染むもの。買い物している間、何とはなしに曲を聴いて、歌えるほどに覚えることもあった。
 そのことをきょう思い出したのは、スポーツジムのダンス曲がナツメロメドレーだったからだ。「飛んでイスタンブール」だったり「愛がこんなにつらいものなら私独りで生きていけない」だったり「好きだったのよあなた胸の奥でいつも」だったり。歌謡曲がJ─POPと呼ばれる前の懐かしい曲ばかり。歌詞に物語や深い意味があった時代の曲である。
 曲に合わせて身体を動かしていると、メロディーに乗って歌詞が口をついて出てきた。歌謡曲好きでもなかったのに、ほとんど歌えるのはあのスーパーによく行ったからだろうか。若い記憶力のせいだろうか。
 もうそのスーパーはなく、私はJ─POPを聴くこともない。サウンド重視で、日本語と聞こえないような近頃の歌は、もうよく分からないのだ。モーニング娘3期ぐらいを終わりとして歌手の見分けもできないので、私のナツメロは九十年代あたりで絶えそうである。     (舞)

 子どもの頃嫌いだったものが、大人になると美味しく食べられるのはなぜだろう。
 たとえば、ぬた。野菜や魚介類を酢味噌で和えた料理である。春のわけぎのぬただと、見た目が味噌の茶色だし、わけぎのぬるっとした食感が気持ち悪るいし、酢味噌は酸っぱいし、子どもには辛いメニューだった。ハマグリやイカなど、一緒に和えられた魚介類を掘り出して食べたものだ。 たとえば、サザエの壺焼き。殻から引き出したサザエの先端の緑の部分。苦みと磯の香りが、嫌いだった。たとえば、サンマの腹。二つ切りにしたサンマは尻尾の方が断然好きだった。
 そんな苦手だったものが今では大好物である。サザエの肝もサンマの腸も苦いだけではない。旨みや甘みの中にほのかな苦みを感じて美味しい。 これはどうしてだろう。大人になるにつれて、舌も成長するのだろうか。感じ方が変わったり、幅が広がってきたりするのだろうか。
 経験の積み重ねもあるのかもしれない。他人が美味しいというものにはチャレンジしたくなり、新しい味を経験値として蓄積していく。ビールの苦さも、楽しい場所の美味しいものと記憶されていく。
 腐敗かと思う匂いのフナ鮨やへしこを好む人もいる。ドリアンも美味しいらしい。味覚の奥行きは深い。更に経験を積めば美味しいものが増えそうである。   (舞)

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。まずは世相歌留多でご挨拶。
 (い)イクメンとイクジイ(ろ)ロングローングブレス(は)速いよスマホ4GLTE(に)日本一だ巨人軍(ほ)星出さん宇宙滞在(へ)平成の維新(と)ドラム缶床下尼崎(ち)近いうちにと夏から冬(り)流行ギャル語てへぺろ、ばくわら(ぬ)抜け落ちたボルト(る)累進課税大賛成(お)恐れ多くも陛下に神の手のメス(わ)ワイルドだろぉ(か)格安航空で北へ南へ(よ)容疑者菊池の17年(た)大統領竹島上陸(れ)霊長類最強(そ)ソラマチ観光(つ)漬物で感染(ね)年金資産消失AIJ(な)なくせいじめ自殺(ら)楽な世代と辛い世代(む)無理に上げたら税収増えぬ(う)ウイルス感染なりすまし(の)ノーベル賞の山中さん(お)オバマ氏再選(く)悔しいね勘三郎(や)野生のトキ舞う佐渡の空(ま)街コン三重コン(け)原発再稼働(ふ)フェイスブックの友達(こ)恐い爆弾低気圧(え)笑顔の真央ちゃん復活(て)テレビ不振(あ)赤ちゃんパンダ残念(さ)サオリン国民栄誉賞(き)金曜のデモあじさい革命(ゆ)指輪みたいな金環日食(め)メダルラッシュロンドン五輪(み)未来は卒原発(し)自民躍進(ひ)低い視聴率清盛終わる(も)盛りだくさんの選挙公約(せ)戦隊ヒーローイケメン宝庫(す)素晴らしい年になりますように。            (舞)

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