2013年2月

講演する西田会長

 7日、津市大門の津都ホテル5階で津法人会=津市広明町=の新春講演会が行われた。約50名が参加。 講師は本紙会長で津市観光ボランティアガイド・ネットワーク協議会会長の西田久光(63)。演題は「あなたも津の通に~津ふるさと学検定あれこれ~」。
 昨年10月に開かれた第1回津ふるさと学検定は大きな話題を呼び、10代の若者から90歳のお年寄りまで市民を中心に170名受験した。同協議会には、市内のボランティアガイド13団体が所属し、津市観光協会の委嘱を受け津検定を主管。問題集を制作している。
 西田会長は津検定の意義や今年行う第2回について「市町村合併した津市全域のことを知っている人はほとんどいないので津検定は根本的に難しい。しかし旧10ケ市町村それぞれが独自の文化を持ち、連携しながら存在しているという津市の多様性、豊かさを皆さんに理解して頂けたら、もっともっと良い津市になるのではないかと思う。そのツールとして津検定を活用して頂けたらありがたい。
 昨年、問題集を制作するにあたり、各ボラガイド団体が100問ずつ作って、プロジェクトチームによる精査会議を18回程行った。メンバーの自分の知らないエリアに関する勉強会にもなり、面白い会議だった。
 7月に問題集の改訂版を販売し、今年も津検定を行う。問題集・受検料それぞれワンコイン、500円です。企業・団体の地域学習にも活用して頂きたい」と語った。 
 また、講演途中で、参加者全員が、津検定から抜粋した○×形式の地理や芸術などに関する12問に挑戦。意外な解答に驚いたり、西田会長による詳細な解説に興味深く聴き入っていた。

種駒打ちに挑戦する親子

 ㈱シエン(隅谷利光・代表取締役。本社・津市末広町)のグループ企業できのこ研究の専門企業㈱岩出菌学研究所が9日朝同社敷地内で「第7回親子きのこ教室」を開き90名の親子がシイタケ栽培を体験した。
 子供達に大人気のきのこについて良く知ってもらおうと、この時期に毎年開いているもの。毎回、募集と同時に申し込みが殺到する人気企画だけあって今年も定員20家族がすぐ満杯に。
 はじめに、同研究所の農学博士・原田栄津子さんからきのこに関する説明を受けた後、用意された原木に菌の繁殖した「種駒」を打ち込む作業に挑戦。良いシイタケが育つためには、深く打ち込み過ぎても、浅くてもダメとあって、子供達は金づちで一つひとつ慎重に取り組んでいた。
  作業終了後は、菌のまわったシイタケの原木とナメコの菌床ブロックが同社から記念品に配られ、親子の良い思い出となった。

岡田泰典専務

 津市白山町佐田の『猪の倉温泉』=運営・㈱猪乃倉=は三重県の財団法人と旧白山町の第3セクターが運営していたが地元の自動車部品製造会社が買取り、平成17年に民営化。以降、地域活性化や雇用創出を目指し地元農産物やオリジナル化粧品の販売、官民連携による「湯けむりコミュニティ事業」など地域密着の経営を行い集客を伸ばしている。同社の岡田泰典専務(30)に話を聞いた。(聞き手=本紙・小林真里子)

 

 ──自動車部品製造業から温泉業に挑戦した経緯を教えてください。
 岡田 当温泉が競売にかけられたとき、津市内や県外の企業から手が挙がったが、町内からは挙がらなかった。県外企業が買い取ったら地元の雇用がなくなるかもしれない。そこで、当時、町内で「白山電器」を経営していた当社社長で私の父の岡田照良が、「地元企業として手だけでも挙げよう」とプレゼンに参加し入札した。当時、私は高知工科大学の学生で、卒業後すぐ帰郷して働き始めた。
 経営にあたってはお客様の利便性と、お客様目線のサービスを重視。町内近辺など地元の人材を積極雇用し、新人研修では、私が挨拶やおもてなしの心を直接指導する。
 また〝地域密着の手づくり的経営〟を目指し、名古屋・大阪・京都からの観光客向けの地域の産品や、私自身がアトピーに悩まされていたのを機に開発した温泉水配合のボディーソープをはじめ化粧品を販売。
 当温泉を核に官民が連携し地域活性化を目指す「湯けむりコミュニティ事業」では一昨年、津市社会福祉協議会の協力を得て独居老人向けのサロンを開いた。ほかにも、施設周辺に2ケ所のノルディックウォーキングコースを整備し、イベントを開いている。
 ──民営化後、利用者数はどう推移していますか。
 岡田 年間利用者数は増減を繰り返しているものの全体的には増えており、日帰り温泉の入浴者数は年間16万人から18万人と約18%増加した。要因にはサービスや認知度の向上もあると思う。
 ──東京でのPR活動も盛んに行われていますね。
 岡田 私が4年程前から東京に出向いて旅行代理店への営業や、旅行雑誌に掲載を交渉したり、津市観光協会とイベントに参加したりしている。
 学生時代、高知県では三重や津も知名度が低いことを知って、各地域の発展がなければ三重県全体の発展もないことを実感した。現在、津青年会議所などに所属しているが、自分が三重を発展させるための一つのピースになれたらと思い活動している。
 ──今後の展望を聞かせてください。
 岡田 ビジネスホテルが台頭しているが旅館は年々減っており、例えば、もし学校週6日制が導入されれば、家族旅行が増えるのかまたは減るのかなど、社会情勢の先が読めず不安はある。しかし会社に魅力があればお客様は来てくれるしここにしかないオンリーワンを創るのが私の仕事だと思う。
 今後、通販で扱う地元産品をより広く発信する方法を考え、〝地産外消〟により働く場を作りたい。私も白山で生まれたので、自分の娘や息子達も、町外に出て行かなくても生活の基盤が作れるまちづくりができたらと考えている。
 ──ありがとうございました。

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