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明日29日~31日、津市香良洲町で、20年に一度、香良洲神社の式年遷座(定期的に社殿を造り替える行事)の前年に行われる『香良洲お木曳き行事』(市指定無形民俗文化財)が催される。町内の9区が、御用材をお木曳き車に載せて曳き回す同町最大の行事で、住民によって地域の伝統文化として継承されてきた。市町村合併後、初となる今回は、観光客誘致にも取り組み、次回開催へと繋がる盛り上がりを目指している。
『香良洲お木曳き行事』は明治18年から開催記録がある同町の最大行事。香良洲神社の本殿を造り替えるのに使う御用材27本を、町内の9区(川原・桜町・地家・稲葉・小松・砂原・馬場・浜浦・高砂)のお木曳き車に3本ずつ載せて、3・のコースを練り歩く。
各地区数名が、「音頭さん」といわれるお木曳き音頭の歌い手を務め、道中、陣羽織を着て車に乗り、一人ずつ歌い、200人以上の曳き手とかけ合いを披露する。親子の音頭さんや、夫婦によるかけ合いなど、家族の絆を感じさせる粋な演出も見所の一つ。
またお木曳き車のデザインや大きさは各地区で異なり、ワン鳴り(車軸と車輪が擦れて発せられる独特の音)の音色を競う。
これら迫力満点の練り歩きは、幅広い世代の住民が一丸となり準備に協力することで実現し、行事は地域の伝統文化として脈々と継承されてきた。
今回の場合、音頭さんの練習は、最も早い地家区では一昨年から始まり、ベテランが、若手に各地区独自の歌詞や、発声などの技術を丁寧に指導。行事直前には各区で、かけ合いの練習が何度も行われた。また、稲葉区では区民の総意のもと、200万円以上かけてお木曳き車を新たに制作。高さ4m80・、尾木までの長さ6m80・という重厚な山車を完成させた。
これまでは住民やその親族らで盛り上がる行事だったが、市町村合併後、初開催となる今回は、津市と自治会、昨年開設された「お木曳き観光PRセンター」が、町内外でPR活動を展開。本番を成功させ、20年後の次回開催に繋げるため観光客誘致に取り組んだ。
また30・31日は同センターの研修を受けた「津観光ガイドネット」所属のボランティアガイドがコースや周辺で来場者の案内を行う。 香良洲神社の氏子総代・濱村隆通さん(70)は「若手の音頭さんも一人前になり、祭りに向け何もかもが盛り上がっているし、地域の団結力が強まった。安全に行い、ご遷座の紹介もしたい」と話している。
行事の日程は──
▼29日8時頃~17時頃
各地区の山車がお披露目のため区内を巡った後、小松区内で御用材を載せ、翌日の出発場所(先頭=香良洲大橋北側~最後尾=三重交通北浦バス停付近)に移動する。
▼30日9時頃~16時頃
お木曳き車が出発し、先頭が百五銀行香良洲支店前に着くまで約1・を移動。
▼31日9時頃~17時
同支店前を出発し、香良洲神社で曳き回し納め。
※30・31日は商工会などが物産展・抽選会を開催。
また期間中、町内各地で通行規制が行われる。
問い合わせはお木曳き観光PRセンター℡059・292・2010。
2013年3月28日 AM 5:00