発泡スチロールで獅子頭を制作する山本さんと児童たち

 津市一志町波瀬では昨年11月頃から月1回ほど、野口集会所などで、市立波瀬小学校の児童を対象に「野口御神楽」=市指定無形民俗文化財=として野口地区に伝わる獅子舞の伝承教室が開かれている。
 主催は同地区の住民約12名でつくる『野口御神楽保存会』=大山眞一会長=と一志町文化協会。  
 獅子舞は五穀豊穣や家内安全などを祈願するのが目的で、同地区では江戸時代後期から行われていたと言われる。昭和30年頃からなり手不足のため途絶えたものの、20年後に復活。現在は同保存会が地元の波氐神社の秋祭などで舞い、伝統文化として継承している。
 しかし同地区では近年、高齢化が進んでおり、住民約160人のうち65歳以上が約42%で、同保存会の会員も50代〜80代。
 また、かつて獅子舞は住民の心の拠り所で、戦中には「獅子舞があるから戦死者が出ない」と言われるほどだったが、時代とともに住民の意識が変化したこともあり、後継者不足が再び深刻な問題となっている。
 そこで文化庁の補助事業で同教室を開いたところ、毎回10名程が参加し、会員と楽しく交流しながら舞や笛の練習に励んでいる。
 先月27日には、40㎝角の発泡スチロールを使い。児童が無理なく被れる軽量の獅子頭2つの制作を開始。児童たちは、真剣な表情で発泡スチーロールを実物の獅子頭と見比べながら、電熱ノコギリで切っていた。今後、色を塗って仕上げ、来年3月にある同小の閉校記念行事では、児童が完成した獅子頭を着けて「花とり」の舞を披露する。
 同保存会の山本豊実さん(51)は、「練習を通して獅子舞に興味を持ってもらい、1人でも2人でも続けてくれたら」と話した。