2013年9月

三重県を代表する強豪チーム「一志Beast」の部員たち

 津市と松阪市の小学生による陸上チーム『一志Beast』が数々の大会で華々しい成績を残している。チームとしては先月末の三重県小学生クラブ対向陸上競技選手権大会で悲願の男女総合優勝を果たし、個人でも所属選手の須川真衣さんが8月にあった全国小学生陸上競技交流大会で県内の小学生女子初の日本一に輝いた。東京五輪や三重国体に向け陸上界も盛り上がる中、小さな〝野獣〟たちの今後の活躍が楽しみだ。

 今年で、9年目を迎えた『一志Beast』は、05年当時市立一志中学校の教員(現美杉中学校教員)だった田中由一さんが中心となって設立。田中さんは全国的にも有名なカリスマ陸上競技指導者で中学・高校の陸上競技で活躍する選手を育てたいと、田中さんの元教え子らをコーチに迎えスタートした。運営体勢としては初代監督で現在顧問を務める田中さんから、2代目監督の太田安治さんに引き継がれ、今年より昨年の全国マスターズ800mで日本一に輝いた地守さんが3代目監督としてチームの指揮をとっている。
 設立以来、ほぼ毎年全国大会や美し国駅伝代表を輩出するなど名実共に三重県を代表する強豪チームとして活躍を続けており、現在は津市・松阪市の小学生88名が部員として所属。一志中学校と高岡小学校のグランドを拠点に日々練習を重ねている。また、チームのОB・ОGも国体やインターハイに出場している。
 最近では、8月23日・24日、神奈川県横浜市の日産スタジアムであった日清食品カップ第29回全国小学生陸上競技交流大会で、女子5年100mの部で須川真衣さんが13秒46で三重県の小学生初となる日本一の栄冠を勝ち取った。更に5年男子100mの部に出場した中垣内太智くん(13秒24)も全国3位。地監督の愛娘である晴帆さんも6年女子80mの部で準決勝進出と好成績を残している。
 チームとしても8月31日に伊勢市の三重県営総合競技場で第18回三重県小学生クラブ対抗陸上競技選手権大会で設立以来の悲願であった男女総合優勝を達成している。
 それほどのチームゆえに練習は非常に厳しい雰囲気を想像しがちだが、質の高いメニューをこなしながらも、選手全員がはつらつとした表情で練習に参加しているのが印象的。選手の保護者もコーチやスタッフとして運営に携わり、試合に勝ち抜くために必要な体力や技術だけでなく、精神的な充実感を得られる環境づくりにも注力している。
 地監督も「チームとして一番大事にしているのはスポットライトを浴びる勝者の育成をめざすのではなく一人ひとりが輝けるチームづくり」と、チームが選手たちの成長の場であることを強調する。
 平成32年の東京オリンピック、その翌年の三重国体と、これからの陸上界を担う選手たちのモチベーションを高める大きな目標が目白押し。津から全国や世界をねらう小さな〝野獣〟たちの活躍にも期待だ。

「久居城下案内人の会」の会員たち

 第3回目の今回紹介するガイド団体は『久居城下案内人の会』=森下隆史代表(69)、会員19名=。
 同会は平成20年に発足し津藩祖・藤堂高虎の孫、高通が立藩した久居藩ゆかりの史跡などをガイドしている。また、久居藩や、木造・桃園地区の名所を紹介するパンフレットを制作・発行しており、来年1月頃には、戸木地区のパンフレットが完成する予定。
 さらに、久居出身の上野英三郎農学博士や忠犬ハチ公などを題材に紙芝居を作成し、主に、地域の高齢者サロンから依頼を受けて披露している。1年程前からは会員によるマジックショーも併せて行うことでバラエティ豊かな出し物になっており、お年寄りに喜ばれているそう。
 会員達は、市内外のガイド団体や観光客との交流によって、知識が深まったり人の輪が広がることを楽しんでいる。一方、地元の子供達に紙芝居などで歴史を伝える機会がほとんどないのが残念だそうで、「勉強したことが色々な形になるのが楽しいです。子供達にも郷土史を勉強してもらいたい」と話している。
 また、森下さんは「久居駅東口近くに建立されたハチ公と上野博士の銅像を活用し、上野博士の功績を皆さんに知ってもらいたい。また、2019年で久居藩が立藩して350年になるので、私たちが協力できる行政の記念イベントがあればぜひ参加して、久居藩をPRしたい」と語った。
 同会への問い合わせは津市久居総合支所地域振興課℡059・255・8846へ。  

多彩な手づくり作品が並ぶブース

運営ボランティアの女性会員と、セルフサービスの飲み物のコーナー

 本紙「懐かしの津の風景」でお馴染みのボランティアグループ「あのつ画廊」=伊藤守夫代表(71)、会員16名=の拠点施設である津市大門の『あのつプラザ』に19日、手作り作品の展示販売ブースが新登場。また、飲み物のセルフサービス(一杯100円)も始まった。
 同グループは平成15年に発足し、〝津のまん中に賑わいを取り戻そう〟と写真・絵画の展示などの文化事業に取り組んでいる。
 しかし伊藤さんによると近年、写真などの愛好家が高齢化しているうえ、趣味の多様化により新たに始める人も少ない。そこで、自らが作家でなくても興味を持つ人が多い手作り作品の人気に着目。これまでに6回、作品展を行い、このたび展示販売ブースを常設することにした。
 現在、大(縦45㎝×横90㎝)、小(45㎝×60㎝)のブースが合わせて18あり、今後、増設する予定。すでに古布を生かした小物やボルトを使ったロボットなど多彩な作品が並んでいる。展示がマンネリ化しないよう、各ブースは2週間毎に模様替えされるという。
 また施設内のテーブル席の休憩所では、コーヒーなど飲み物のセルフサービスや、女性会員10名による運営も開始。女性ならではの温かなおもてなしで、より入りやすくなり、ゆったり過ごせると好評だ。
 「昨年一年間の来場者は約1万人だった。今後、倍増させたい」と伊藤さん。
 現在、ブース出展者を募集中。作品は手作りならジャンルなどは問わない。出展料は無料。売上げの15%を支払う。営業は10時~16時、日曜定休。
 問い合わせは℡059・228・8188。

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