岡本直之会頭

昨年11月に就任したばかりの津商工会議所の岡本直之会頭(67・三重交通グループホールディングス㈱代表取締役社長)へのトップインタビュー。津市の商工業や地域社会の発展という重要課題に向けて掲げる目標や、躍動感溢れる午年にふさわしい新年の抱負などを聞いた。 (聞き手=本紙報道部長・麻生純矢)

──新会頭としての目標を改めてお願いします。
岡本 昨年の就任記者会見でも誰からも選ばれるようなまちづくり、定住人口の増加、社会貢献活動の3つを目標として挙げさせて頂いた。最初の誰からも選ばれるようなまちというのは簡単なことで、働きたいし、それから住んでもみたいし、老後の生活もゆっくり送りたいということ。そういうまちに津をできたらと思うが、やはり、津市全体でもヘソの部分である中心市街地が大切。前葉泰幸市長の就任後、津センターパレスに津中央公民館、まん中老人福祉センター、障がい者相談支援センター、まん中こども館が移設され、施設の充実を図ってくれた。更に昨年、岡三証券のプラネタリウム付きのビルが完成。続いて、百五銀行が本店と営業部棟を、三交不動産も本社ビルの建て替えということで、たまたまそういう時期に当たっただけだが、これだけ中心部にできると、人の流れが変わる。新しい人の流れができるということは、新しいまちの魅力が増すということ。それには期待をしているし、そこに行政と地元の商店街の協力を得て、活性化を図れたら一番と思う。一応ハードは整ったので今度はソフト。その部分が大事。商工会議所の関係で言えば、地元の商店街と協力して人のにぎわいが出るような手助けができればありがたい。あとは、防災面。行政としては防波堤などをつくるようなことも進めていくと思うが、商工会議所としても、なにかあった時に企業のビルを防災ビルとして使って頂けるようにすれば良いのかなと思っている。そういうことをやれば、今まで以上に安心して、住めて仕事もできるようなまちになると思う。
2つ目の定住人口の増加については、私のように外から来た人間と違って、津に生まれ育った方々は意外と気付かないのだが季候が凄く温暖。更に海に川、山もあって自然にも恵まれている。榊原温泉という素晴らしい温泉もあるし、交通網は高速道路が名古屋・京都・大阪方面や、県内も南の方までしっかりできている。鉄道網も近鉄とJRが走っており、三重大学があり、病院も三重大附属病院を始め、民営の病院も充実している。うなぎや古いレストランを始めとする食文化もある。非常に良いところだし、定住人口が増える要素は沢山ある。後は、商工会議所として新しい企業を引っ張ってきたり、働き口を増やす一助になれたらと思っている。これから行政にお願いして保育所と高齢者用の施設を充実させていかなければと思っている。こうなれば最初に申し上げた定住人口は自然と増えて、みんなが住みたい、働きたいまちに繋がるように思う。
3つ目の社会貢献活動は御殿場の松林の保全活動をしており、ロータリークラブやライオンズクラブと一緒になって色んな貢献活動をやりたい。それに加えて、文化の発信をしたい。津城址・結城神社・津観音・高田本山・四天王寺など色々な名所旧跡もあるし、川喜田半泥子の名品も鑑賞できる石水博物館がある。そういう文化発信をやることも大きな社会貢献と思う。
それと津まつりを更に盛り上げたい。これは不易流行の最たるもの。元々、津八幡宮のまつりが大切に守られてきて、そこによさこいなどの新しいまつりをミックスされている。昨年も2日間で30万5千人が来場するなど、それだけの人が集まるのは凄い。昨年、私も初めて見させて頂いたが会議所として何かができないかと思ったのは、フェニックスと国道23号の間にあるビルのオーナーに、協力して頂いて、椅子を出して頂くとか1階と2階のトイレを提供して頂けたら、もっと祭を快適に楽しんで頂けるのではないかと思った。今の津の良さをPRするという意味も込め、社会貢献活動をしていきたい。この3つが新会頭として取り組んでいきたい目標。
──新年の抱負は。
岡本 それは先ほど掲げた目標を実現するための行動指針というか、モットーのようなもの。去年のクリスマスにあった昨年最後の記者会見でオバマ大統領が「2014年は行動の年にしなければならない」と仰られていた。実は新年の一般教書演説でも同じことを仰られていて、そこから思いついたのが、今年は午年で千里の道を疾走しなければならないから、スピーディーに行動するということをモットーに様々なことをやっていきたい。加えて、今までやってきたものをそのままやるのではなく、改善・改革というオーバーなものではないが、少しだけ新しいベターメントを求めてやっていく。抱負としてまとめると、スピーディーに行動をする、そして少しでも新しいベターメントを求めて、ということになる。     (次週につづく)

岡本直之会頭プロフィール
昭和21年12月29日生まれ。伊賀市出身。
県立上野高校から大阪市立大学商学部を卒業し、昭和45年に近畿日本鉄道㈱入社。
秘書室長などの要職を歴任。平成22年より、三重交通グループホールディングス㈱代表取締役社長に就任。
同年より津商工会議所副会頭、昨年11月に会頭就任。
平成23年より三重県経営者協会会長もつとめている。

倭の白山比め神社でガイドする会員

 第13回目の今回紹介するのは『白山道しるべの会』=今井直毅会長(71)。
 同会は平成21年に16名で発足。会員達は、白山町の白山公民館で年6回開かれる「地域再発見講座」で講師を務めており、名所の現地案内などを通じ地域のファンを増やしている。受講を機に同会へ入会する人もおり、現在の会員は31名。
 一昨年にはホームページを開設。会員の田中朗さんが管理を担当し、同町の川口・倭・山田野にある白山比咩神社をはじめとする名所の情報や、同会の活動状況のほか、まもなく開催される地元のイベントなどを掲載している。
 また、地域住民にも地元のことを詳しく知ってもらい名所を訪れたり行事に参加してもらおうと、年末年始に町内の神社などで取材した年越しの行事を写真とともに紹介した。
 そのうちの一つが、同町川口の小野区に伝わる小野獅子舞(市指定無形民俗文化財)が元日に区内を巡る「門舞」で、区民によって守られてきた伝統文化の魅力を広く発信することで、その保護に貢献している。
 このほか、ガイド活動の際に客から「どこのお店に行けばいいの?」と聞かれるのが多いこともあり、猪の倉温泉をはじめ地元の協賛企業7社の情報も掲載。
 地元住民や観光客にとっても便利なページづくりの甲斐あって、一日あたりのアクセス数は600人~800人、多いときには千人を超えるという。
 今後も、片面に同会、他面に協賛企業の情報を記載した「ショップカード」を作成し、各企業の店舗で配布するなど、同会や地域のPR活動に取り組んでいくという。
 今井さんは「今後、青山高原に風車が40基増設されることもあり、青山高原のハイキングコースを新たに作り、風車完成と同時に定着させたい。また、平成27年度内に全線復旧するJR名松線や、近鉄を使うガイドのモデルコースを作ったり、地域の活性化に繋がるよう企業と連携していきたい」と話している。
 同会への問い合わせは今井さん℡059・262・0372へ。
 HPはhakusan-guide.com 

ワイガヤフェスタのポスター

 ホームステイ・イン津実行委員会は津市、津市国際交流協会と共催で23日(日)13時~16時半(開場12時半)、津市役所隣りの津リージョンプラザお城ホールで『第21回ワイワイガヤガヤフェスタ2014─歌とおどりで世界はひとつ』を開く。入場無料。
  同実行委員会は平成元年8月、津市市制100周年記念事業として開かれた国際交流フェアの出演のために来津した外国人のホームステイを受け入れるために津市の呼びかけで市民により設立された。
 同フェスタは同委員会が主催する最大のイベント。在日外国人を中心にそれぞれの国の文化や踊り、楽器演奏を披露し合うことで、互いの文化を理解し、国際交流を深めるのが目的。
  今年の参加国は日本・中国・ドイツ・キューバ・スペイン・ボリビア・インド・韓国・北朝鮮・ペルー・アメリカ・南アフリカ・シンガポール・トリニダード・トバコなど14カ国12組、約110名が出演する。
  同委員会は「決して堅苦しいものではなく、会場と出演者が一緒になって楽しむイベントです。多くの方のご来場をお待ちしております」と呼びかけている。
 問い合わせは、同実行委員会℡059・227・5886、または津市市民交流課℡059・229・3146。

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