ジズライザーシリーズを手に…北村社長

 大手企業の下請けに頼ることなく、独自商品を開発し続けることで中小企業の新たな活路を見出してきた津市庄田町の㈱北村製作所=北村清司社長=は、平成19年の発売以来、国内向け販売台数が累計150万台を突破している刈払機用地ズリ安定板(草刈り機の刈刃に付ける安定板)『ジズライザー』=特許取得済=シリーズの新モデル「エアードライブ240」と「フィット60」を新たに2月10日に発売した。
 ジズライザーは、草刈り機の先端にある刈刃の押さえとして装着するもの。刈刃と共に高速で回転することで発生するジャイロ効果(姿勢を安定しようとする現象)により、安定した操作性を実現。女性や高齢者でも使いやすく、作業性抜群の〝地ズリ刈り〟で草刈りの疲労を軽減するとの好評を得て大ヒット。
 平成22年にはナイロンコードも装着できる「ジズライザーエアー」を、また同23年には小型軽量化した「ジズライザープロ」を、昨年には小型軽量化と同時にナイロンコード(カッター)が装着できる「ジズライザープロエアー」を開発するなど機種を増やし、市場のニーズに応えてきた。
 今回、発売した「エアードライブ240」は、金属の刈刃の代わりに樹脂製の円盤と、底部分にジズライザーと同じドーム状を採用。円盤部分にナイロンコードを装着して使用するもの。
 今回はこの円盤がミソ。刈刃を使わないので安全な上、円盤より外に出た部分のナイロンコードのみが地面や草に接触するため、従来に比べて接触面積が小さくなり、草や小石、土などの飛散を防ぐ。しかも切れ味も鋭く、コードの寿命も長くなるため経済的。
 また、円盤のジャイロ効果とドーム形状が相乗し、従来のナイロンコードでは不可能だった地ズリ作業が可能になった。
 さらに自由な長さにカットして装着できる「純正フリーコード(30m巻)」を使えば、さらにランニングコストを軽減できる。
 ジズライザーシリーズ最小サイズの「フィット60」は作業する人の負担を大幅に軽減すると同時に、コンパクトサイズを生かして、あらゆる場所で威力を発揮する設計になっている。
 一見、アイデア商品と思われがちだが、他が真似できないレベルの安全性、操作性、快適性の追求には膨大な研究開発時間と情熱が注ぎ込まれている。
 今後は「海外への進出も視野に入れている」という北村社長。地元から世界に羽ばたく日も遠くない。
 JA・農機具店、全国のホームセンターなどで販売中。販売価格などの問い合わせは同社℡津256・5511。