講演する椋本さん

講演する椋本さん

 17日、久居総合福祉会館で、地元のボランティアガイドグループ『久居城下案内人の会』=森下隆史代表=は歴史研究家・椋本千江さんの講演会『久居のお殿様』を行った。
 5年後に久居開府350年を迎えるに当たり、久居のまちを築いた藩祖・藤堂高通公から明治の廃藩置県にわたる約200年、16代の殿様をたどるというのが大きなテーマ。一般から参加者を募ったところ、予想を遥かに上回る270名が聴講に訪れた。
 壇上に上がった椋本さんは、津藩祖・藤堂高虎公から続く、藤堂家の家系図を見ながら解説を行った。その中で久居藩は津藩2代の高次公が次男の高通公(高虎公の孫)に5万石を与え立藩したことを紹介。今も受け継がれている久居の名には「永久鎮居」の思いが込められていると語った。
 更に、久居藩は3代である高陳で高虎公からの直系が断絶。高虎公の異母兄弟の家系である藤堂出雲家から5代の高治公(後の津藩6代)を招き、以降は久居藩主から4人が津藩主になるなど、津藩を支える重要な存在として藩が存続していたという史実を交えながら、歴代藩主の功績や人物像をひも解いた。
 その他、参勤交代や江戸城への登城など、当時の文化も説明。最後は「久居藩は高通公の時代から学問や儒学を大切にしている家。立派な教育の下、治世を行ってきた久居は文化のあるところ。歴史を振り返ると共に大いに前進し、素晴らしいまちにしてほしい」と締めくくっていた。