真福院の石鳥居

真福院の石鳥居

 チューブ交換も終わり、私の自転車のコンディションは上々。時計の針は16時前を指しているが、日も長いので、まだまだ走れる。この日の内に、津市最奥の地である美杉町太郎生まで行ってしまいたい。
 JR駅の伊勢奥津駅を出発した私たちは伊勢本街道をルーツとする国道368号を西へと進んでいく。  ここを直進すれば、あっという間に奈良県に入る。東京に向いて文化が発展する現代では、この辺りは紛れもない僻地となってしまった。しかし、都が奈良や京都にあった時代だと事情は一変する。山ひとつ向こうには文化の最先端があり東京が政治的な主導権を握った江戸時代においても伊勢本街道を通って、お伊勢参りに訪れる旅人たちで賑わっていたのだ。
 時の流れというものは、とてもきめの細かい磨き砂のようなものだと思う。撫でるように触れながら、ゆっくりとヒトやマチの姿かたちや営みを変えていく。透明な砂粒が磨き上げる次の100年後の世界は誰にも分からない。不安なことも多いが、だからこそ楽しいともいえる。
 眼前に広がる山里の風景を眺め、そんなことを考えながら、のんびりペダルを回し続ける。まっすぐ進めば、すぐに太郎生についてしまうので、国の名勝にも指定されている『三多気の桜』で有名な三多気の集落に寄ることにした。国道から最も近い道を行けばすぐに集落に入れたのだが、それでは面白くないと、田畑と林の間を縫うように走る道を選択。これが想像以上に大変だった。
 そんな我々の姿を見かけた畑仕事をしているご婦人は「その先、めっちゃ大変やけど頑張ってなぁ」と優しく声をかけてくれる。それほどではないだろうと高をくくっていた我々は、すぐにご婦人の忠告の意味を心と体で理解させられる。山の斜面を縫うように延々とつづく九十九折の坂道。出発時と比べると、、それなりに鍛えられてきたが、これを全て自転車で登り切るのは難しい。
 しばらく、自転車を押しながら、なんとか三多気の集落に到着。まずは、集落の最も奥にある古刹・真福院をめざす。
 桜の季節以外に、ここを訪れたのは初めて。満開の折には、この小さな山里に溢れんばかりの見物客が訪れる。その時の賑やかな雰囲気とは打って変わり、今は静けさが満ちている。だが、目をこらし、耳を澄ませば人々の営みや息づかいが感じられる。こういうものにどれだけ触れるかが、私たち地方記者にとって大切なのだ
 やがて真福院に到着。ここは真言宗醍醐派の寺院だが、最初に出迎えてくれるのがなんと石鳥居。明治の廃仏毀釈を経て、今では姿を消してしまった神仏習合を色濃く残した趣が大変趣深い。更に、石段を登っていくと参道には樹齢1000年以上と言われる県天然記念物のケヤキ巨木や、2本のスギがそびえ立っている。私たちは山門をくぐった後、少し小高い場所にある本堂を参拝。ペットボトルの水で喉をうるおしながら、しばし先程の疲れを癒した。(本紙報道部長・麻生純矢)

ブルーベリーBIG氷

ブルーベリーBIG氷

 津市白山町佐田の「猪の倉温泉」では今夏も「いのさん観光農園」をオープンしたのを記念し、同園のブルーベリーを使った、直径約15㎝の器にたっぷりと盛り付けるかき氷『ブルーベリーBIG氷』を開発。
 日帰り入浴施設・しらさぎ苑のレストランで、今月末まで販売している。 
 価格は税込500円。
 氷にオリジナルのブルーベリーシロップをかけて、四日市酪農の牛乳を使ったブルーベリーソフトクリームと、凍らせてシャリシャリの食感にしたブルーベリーの実を贅沢にトッピングして仕上げた。
 ブルーべリーの自然な美味しさや、濃厚なミルクの風味を存分に味わえる。ボリューム満点なので、家族や友人などで分け合って食べるのもおすすめ。
 問い合わせは☎津262・4126へ。

体験発表する後藤委員長

体験発表する後藤委員長

 河芸ライオンズクラブは6日、プラザ洞津で開かれた「平成26年度三重県献血功労者表彰式」において、厚生労働大臣感謝状を贈呈された。
 同表彰式は、三重県・日本赤十字社三重県支部、三重県赤十字血液センターが主催しているもので、毎年、献血事業に貢献した団体や個人に表彰状や感謝状を贈っている。
 厚労大臣感謝状は、血液事業の推進に関して過去に知事感謝状を受け、その実績が特に優秀で他の模範と認められた団体・個人に贈られるもの。
 河芸ライオンズクラブは、四献委員会を組織し、イオン系の大型ショッピングモールや三重大学内で献血・成分献血、骨髄バンクドナー登録・献眼登録の推進、ドナーカード配布などの活動に30年以上にわたり取り組んでおり、その実績が評価された。 
 式では、後藤昭久・四献委員長が、体験談発表として北海道千歳市にある(一社)日本血液製剤機構千歳工場を見学した際の感想を発表した。感謝状を手に後藤さんは「大変名誉なこと。感激している。今後も一層、献血活動に励む所存」と喜んでいた。
 また、三重大学での献血活動に協力した「三重大学体育会応援団」=西田智哉団長=には、知事感謝状が贈られた。

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