先日の台風11号による大雨で津市内でも多数の市民を対象とした避難勧告・指示が出され、約1600人もの人が避難した。しかし、「津市避難所運営マニュアル」では、自主防災組織や行政担当者などでつくる『避難所運営委員会』を「平常時から組織し、災害時に避難所運営が円滑に行える体制を築いておくことが重要」としているにも関わらず、行政側が委員会の実数を把握しきれていないことなど様々な課題が浮上した。

橋南中に避難しTVで台風11号の情報を確認する育生地区の住民ら

橋南中に避難しTVで台風11号の情報を確認する育生地区の住民ら

 津市危機管理部・市民部が平成25年1月に策定した「津市避難所運営マニュアル」では、避難所運営にあたっては、地域の自主防災組織・施設管理者・行政担当者などで平常時から『避難所運営委員会』を組織し避難所ごとにマニュアルを作成するとともに、共通認識を図っておくことが重要としている。
 これを実践している育生地区では、各自治会長などでつくる同委員会が、避難所ごとに役割分担を定めたマニュアルを作成。市に提出して情報共有を図っている。その甲斐もあり、今月9日・10日に強い台風11号の影響で同地区に避難勧告が発令され、3カ所の避難所が開設された際は、マニュアルに従い整然と運営することができた。
 しかし、市危機管理部によると、委員会設立時の市への届出は任意であり、届出がなければ、市がその存在を把握できない。現状では委員会の正確な数は把握できていないという。
 今回のように避難所を利用する人が比較的少ない場合は、運営上、予想外のことが起きても大きな問題にはなりにくい。だが、一カ所の避難所で数百人が過ごす場合、避難者の人数が少し増えるだけで大きな混乱に繋がる可能性がある。
 避難所の機能を最大限発揮し、円滑な運営をするためには、日頃から地域と行政が互いに情報交換をすることが不可欠となる。自助・共助・公助という災害に対する考え方に照らし合わせても、マニュアルの有効性は疑うべくもない。課題は運用の徹底の仕方だ。
 市が実数を把握していないとはいえ、現段階で、委員会のある地域は防災意識が高く、ほとんどが設立申請をしているとみられるため、大きな問題には至っていない。だが、これから、更に委員会を設立する地域が増えることを想定し、届け出をある程度、義務化した方が、市にとっても市民にとっても、より有効なものになるはずだ。
 今回の台風11号接近に伴う大雨では、この他にも様々な課題が浮上した。その最たるもののひとつが、防災行政無線の屋外スピーカーによる緊急放送だ。市は改善を試みるが、今回も雨音に消される・聞き取りづらいという声が複数の地区から上がっている。
 このスピーカーは平成20年度から22年度に16億円をかけて486カ所に整備されたが、当初から聞こえない・聞き取りにくいという意見が多く、25年度に行ったアンケートで、6割強の人が音声が一部聞き取れなかった・聞こえなかったと回答した。
 市ではこれを受けて、より伝わりやすい話し方を研究するなど放送の改善に努めており、危機管理部危機管理課が、試験放送に関するアンケートも実施中。結果を元に対応を検討するとしている。 
 市は「無線はあくまで、情報収集手段のひとつ」と位置づけており、実際に今回の大雨では、携帯電話のエリアメールが大きな情報源となったのは印象深い。 市では今後、アンケートの結果を考慮したうえで無線の有効活用を探るが、携帯電話が使えない高齢者など、災害時に情報弱者となり得る世帯を対象に戸別受信機を貸与するなど、柔軟な施策も必要となろう。
 防災対策に終わりはないが、今回の大雨で得た様々な教訓を生かした市の更なる努力に期待したい。 

 

炎の前で祈祷する岩鶴住職(護摩堂にて)

炎の前で祈祷する岩鶴住職(護摩堂にて)

 9日夜、津観音で夏の仏教行事、「十日観音」が行われた。
 十日観音とは本尊聖観世音菩薩が浄土から降臨される日とされ、この日に参拝すると四万六千日お参りしたのと同じ功徳が得られると言い伝えられている。
 毎年、境内に設けた薪を積み上げて作った護摩壇に火を放ち、護摩木(願い事を書いた御札)を投じ、願を煙に変えて観音様の浄土に送り届けた後、残された火の上を裸足で渡る「柴燈護摩祈祷」と「火渡り」が行われるが、今年は台風11号の影響による強風雨で中止。その代りに本来なら夜10時から境内の護摩堂で行われている「息災護摩」が夜7時に繰り上げて行われた。
 護摩堂の中では、炉の中で燃え上がる炎に岩鶴密雄住職が護摩木を投げ入れて息災延命、家内安全、商売繁盛を祈祷していた。
 また、風雨が少し収まった深夜0時前からは、参詣者も訪れ、所願成就を願って列をつくっていた。

 ふるさとの川に親しみ自然の豊さ、環境の大切さを学ぼう──津西ライオンズクラブ(桜井裕士会長)と、岩田川物語の会(加藤広文会長)は、第20回岩田川ハゼ釣り大会を10月4日(土)に開く。小雨決行、荒天の場合は5日(日)に順延開催。後援=津市、協力=本紙。
 表彰式は釣ったハゼなどを自分達でさばき、唐揚げパーティの中で行うのが恒例。家族、中学生〜大学生、地域・職場や趣味の仲間、友人同士など様々なグループが参加する市民フィッシング。今年は第20回の記念大会。
 ◆参加資格=津市及び近郊在住・在勤・在学の健康な家族・グループ。1チーム3〜5名。6名以上の場合は2チーム、9名以上は3チームで登録(但し小学生以上。小学生が入っている場合は必ず大人が1名以上参加していること)
 ◆定員=申込先着順40チーム限定
  ◆注意事項=①各自手作りのゼッケンを胸に付ける。横20㎝×縦15㎝。上に『岩田川ハゼ釣り大会』、その下に『チーム名』を記入
  ②万一、川に転落した場合に備えて長さ15m以上のロープを持参
 ③ハゼを料理するための小出刃を持参(まな板は主催者で用意)
 ④熱中症対策(帽子・水分)は各自で行う
 ◆釣り方法=自由(但し舟釣りは禁止)
 ◆釣り区域=津港南西堤防〜観音橋
 ◆参加費=1チーム千円。但し3名を超える場合は増加1名につき三百円プラス(保険料込み)
 ◆賞=大釣賞(1チームのマハゼの1人平均重量)1位〜3位。大物賞(マハゼ1尾長寸)1位〜3位。外道賞1位〜3位。ファミリー賞1位〜5位。第20回記念賞=若干チーム。特別賞5チーム
 ◆当日本部会場=伊勢湾海洋スポーツセンター(津ヨットハーバー)テラス。受付は11時45分〜12時25分。開会式12時半
 ◆競技時間=開会式終了後〜15時15分、検量登録締切15時半
  ◆ハゼ唐揚げパーティ開始=15時半
  ◆表彰式・閉会式=16時10分〜16時半
  ◆申込方法=ハガキまたはFAX、インターネット。チーム名・代表者名とメンバー全員の住所・氏名・年齢・職場名または学校名・電話番号を明記し、〒514─0824、津市神戸203の13、カワイビル3階、津西ライオンズクラブ事務局へ(FAX津226・9005)
 ネットはコトブキのHP『ザ・チラシドットコム』の岩田川ハゼ釣り大会コーナーへ申し込みを
 ◆申込受付期間=8月28日〜9月27日(必着)
 ◆問い合わせ=競技委員長・西田久光☎090・3933・6061

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