TMOが経営する商業施設「プレーゴ」

TMOが経営する商業施設「プレーゴ」

紅葉には早かった兼六園

紅葉には早かった兼六園

 津商工会議所の社会文化部会=原田陽介部会長=のメンバーと事務局の合わせて19名は、11月14日・15日の2日間、来年3月14日に北陸新幹線が金沢駅まで延伸開通し、東京・金沢間を2時間28分で結ぶことで多くの観光客の誘致が期待される石川県金沢市を訪れた。商業活性化や市街地活性化についての知識習得が目的で、同市や金沢商工会議所、9つの商店街、銀行などが4600万円を出資して平成10年10月に設立したTMO(まちづくり機関)の㈱金沢商業活性化センターの取り組みや商店街を視察した。
 観光バスで朝7時に出発した一行は北陸自動車道を通って14時に金沢商工会議所に到着。先ずは㈱金沢商業活性化センター代表取締役の篠田健氏と同ゼネラルマネージャーの髙本泰輔氏から同市の歴史的・地理的背景などの基本的なデータの説明を受けた後、空き店舗が増加していた商店街の一角に同社が平成13年に建設した商業施設「プレーゴ」の取り組みについてレクチャーを受けた。
 同市の中心市街地・商店街は、平成5年から相次ぐ郊外型のショッピングセンターやショッピングモールなどの大型商業施設の進出で全国の商店街同様、苦戦を強いられてきた。
 「プレーゴ」は敷地面積約1700㎡、建物面積約900㎡、広場面積約300㎡、通路約50mの平屋建て(一部2階)。事業費約4億円(国2億、県1億、市1億)。TMOが地権者と事業用定期借地権契約を結んで借りあげた上で、同TMOが各フロアをテナントに貸している。
 開業10年目の平成24年3月に外壁、ウィンドウ、サイン類などを改修してリニューアル。入居テナントは国内外の有名ブランドの服飾店やメガネ店、カフェやレストランなど現在8店舗。中には北陸地方では同施設のみというブランドの誘致にも成功。商店街のファッションリーダー的な役目も果たしており、年間約12万人が訪れ、売上高は約5億5千万円を数える。
 また、同TMOが平成19円から金沢駅と商店街、中心市街地を結んで運行している100円バス「金沢ショッピングライナー・まちバス」や駐車場運営の好調な事業成果の説明も受けた後、香林坊・片町・タテマチ・柿木畠・広坂の各商店街を現地見学したり、片町商店街振興組合では「金沢中心商店街まちづくり協議会(5タウンズ)」会長の諸江洋氏から商店街の現状と課題についての説明も受けるなどして市街地・商業活性化に関する知識を深めたほか、翌日は兼六園なども見学し、北陸の秋も楽しんだ。