2014年12月

 津市は、「対話」と「連携」によるまちづくりを推進するための機構改革の一環で、来年度、市民部対話連携推進室と政策財務部地域政策課を統合し市民部に『地域連携課』を設置。同課では既存の市政懇談会や地域インフラ維持・補修事業などを行うほか、新たに市内各地域の担当職員を配置する。さらに、統合で両部署の情報管理が一元化されることによって、市民目線の施策がより迅速に実現することが期待される。

 津市では「対話」と「連携」によるまちづくりを推進するため、また行財政改革を進める中で、市民にとって遠い存在となってしまった各総合支所の在り方を改善し、地域の要望に即応するため、市役所の機構改革に取り組んできた。
 その一環で、対話連携推進室と、地域政策課を何れも平成24年度に設置。
 このうち対話連携推進室では旧津市内の地域から寄せられる要望や課題に関し、関係各部との連絡調整業務を担当。また市長と自治会などが市政について直接話し合う「市政懇談会」を毎年実施している。 
 一方、地域政策課では、各支所から、地域の要望や課題のうち本庁が担当するものについて連絡を受け、関係各部との連絡調整を行っている。さらに同25年度に「地域インフラ維持・補修事業」を開始。年度初めから各地域の要望に迅速に応えるため、今まで本庁に集約していた予算を予め各支所に一部シフトし、その執行権限を支所長に移し実施している。
 そして来年4月、両部署を統合し、市民部に『地域連携課』を設置する。統合により、現在、この2つの部署がそれぞれ管理している、旧津市内の地域の要望と、各支所から寄せられる要望に関する情報が一元管理される。そのため、例えば、旧津市とほかの旧市町村にまたぐ課題が発生した場合、よりスピーディーで広い視野での対応が可能になるだろう。 
 また、前葉泰幸市長は、今月2日の市議会定例会で同課について、中学校区程度などの単位で市内各地域の担当職員を配置すると共に各地域で市長・市政懇談会を発展させた懇談会のようなものを定期的に行い、市長と担当者、両方のレベルでフォローする体制を構築したいとの考えを発表。
 これらが実行されれば、行政と地域の距離が大幅に縮まることが期待できる。但し実現には、組織の体制以上に、いかに運営するかが重要だ。現在、この2つの部署には計12人の職員が所属、地域連携課設置に際し職員を増員する予定。増員人数はまだ不明だが、同課の業務は膨大。統合後の体制を最大限生かすには、十分な人数の職員配置と、職員一人ひとりが市民と積極的に交流し、要望を受けた際は実現の可否に関わらず綿密に対応するなどして地道に信頼関係を築くことが欠かせないだろう。

演奏会に向け練習に励む団員達

演奏会に向け練習に励む団員達

 松阪市嬉野権現前町の嬉野ふるさと会館で28日(日)14時~(13時30分開場)、三重県を中心に活動する一般マーチングバンド『The Saltydogs』=杉山由衣団長=が結成10周年を記念し、第5回演奏会を開く。 
 トランペッター、ロジャー・グラップ氏をゲストに迎え、幅広い年代の人が楽しめる特別プログラムを披露する。
 同団の谷口郁美事務局長は「この演奏会は、耳だけでなく目でも楽しむことができます。ぜひ、会場で私達の音楽を間近で感じてください」と話している。
 入場は無料だが整理券が必要。整理券の申し込みは=〒・住所・氏名・人数を、郵便で、〒514─0044 松阪市久保町110、ヴィラマーサ101号、谷口郁美さんへ、または☎090・6590・4279、メールmarchingsalty@gmail.comへ連絡。

倒木を切り登山道を整備

倒木を切り登山道を整備

 8日、津観光ガイドネットの『津10山』プロジェクトチームと一志町歴史語り部の会有志ら11名が、霊峰矢頭山に近い寺谷にある神宮寺奥ノ院跡への登山道整備作業を行った。
  『津10山』プロジェクトチームでは、近年、津市観光協会へ「津市に初心者でも楽しめる山はありませんか」との問い合わせが寄せられるようになったことから、津の新しい観光メニューとして地元の10山を選び昨年12月から調査登山を開始、初心者向けのガイドブックづくりを進めている。
 今回の神宮寺跡への登山道整備は、一志・美杉境界の矢頭山紹介の一環。神宮寺は矢頭権現を管理する別当寺院で、創建は鎌倉時代以前とされ、北畠氏や紀州徳川家も崇敬したが、明治初頭の神仏分離で廃寺となった。奥ノ院跡は矢頭峠越えの道路から約1・8㎞入った山中にある。跡地に建物はないが、鎌倉後期の作とされる蔵王権現像など3体の石像や石灯籠などがある。特に蔵王権現は大岩に深く半肉彫され、谷間で余り風雨に晒されない好環境からか保存状態が良い。
 ただ、寺跡への道順は500m先の砂防ダムを越えてから谷筋が複雑に入り組み、現在では非常に判りにくいのが難点。プロジェクトチームでは一時、ガイドブックへの掲載断念の声もあったが、「あの石像物を埋もれさせるのはもったいない」と登山道整備に乗り出すことになった。
 当日は道標杭、目印の黄色テープ、塗料、チェーンソー、カケヤ、鎌、鉈、ロープなどを用意。何カ所も道を塞ぐ倒木を処理、道標をつけながら進み、2時間半かけて跡地に到着。蔵王権現像の迫力を再確認し、昼食の後、帰路でも迷いやすい所を再チェック。テープや白のペイントで道標を追加、また一部、切った倒木を利用して丸木橋も設置した。
 ガイドブックは当初予定の12月出版から2月頃にずれ込みそう。

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