昨日の朝、パソコンが壊れた。電源を入れたのに、うんともすんとも言わない。側面の換気孔からのぞいてみると、小さな緑のランプが見えた。でも他には何の気配もなくて、パソコンはただの箱になった。
私は、一日のうちの何時間かをパソコンの前で過ごしている。文章を書いたり、SNSで発信したり、動画を見たり、メールを誰かに送ったり。それらのすべてができなくなった。
データのバックアップはUSBメモリに取ってある。しかし、すべてが別に保存してあるわけではない。こんな事態になるとは思わなかったから、ここ数週間のデータは、たぶん消えた。
人もこんな風に、ある朝突然具合が悪くなったりするだろうか。頭の血管とか、心臓の筋肉とか、どこかに突然の不調が起こって、昨日のように動けなかったり、昨日までのことが思い出せなくなったりするだろうか。
災害も同じだ。ある日突然地震や水害にあって、今までの写真や思い出の品などすべてをなくしてしまったりするだろうか。自分自身が動けなくなったりするだろうか。
バックアップが必要だ。事故や病気に備えて、身の回りを片付けておかねばならない。災害に備えて、非常持ち出しや備蓄をしておかなければならない。ある日突然ころぶのだから、何が杖となるかを考えて準備しなくては。      (舞)