NHKにファミリーヒストリーという番組がある。各界の著名人の家族の歴史をたどり、本人がその感想を語るという構成になっている。
毎回、有名だったり偉大だったり個性的だったりする先祖が紹介される。戦国武将だの、大実業家だの。やはり、素晴らしい先祖がいるから、何かに秀でた人が生まれるのかしらんと思ってしまう。
何ほどのことも成し遂げていない私の先祖はどんなだろうと考えてみる。父と母、祖父と祖母、曾祖父と曽祖母。三代さかのぼれば、十四人の先祖がいる。四代でおよそ百年として、化政文化の頃まで二百年さかのぼって八代だと五百十人の先祖がいる計算になる。
五百十人もいるなら、りっぱな人も含まれるかもしれない。藤堂の殿様や本居宣長や松浦武四郎とつながっていたりして。NHKが調べれば、私の先祖だって華々しいかもしれないと思うのである。ところで、現代社会での人物評価では、身分や家柄より本人の能力や業績、人格を重視することになっている。もちろんそれほど単純ではなく、親の七光りがものをいうのは政治や芸能の世界でもよく見る通り。
こういう時代にファミリーヒストリーとして先祖を取り上げることにどういう意義があるだろう。りっぱな政治家の子孫はりっぱにやり遂げると言いたいのかもと思うのはうがちすぎだろうか。       (舞)