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2017年6月
空き家の増加は社会問題となっているが、津市でも特に危険な家屋を「特定空家等」として認定し、持ち主に解体など適切な管理を促すなど様々な対策を講じている。また7月からは、美杉町で行ってきた「空き家情報バンク制度」の対象を全市域に広げ、利活用の面からも対策を講じているが、未登記空き家の所有者特定の困難化などもあり、今後、少子高齢化の進行に伴って問題が加速・深刻化しそうだ。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、平成25年度で全国の空き家数は約820万戸で空き家率は 13・5%という結果が出ており、それに伴い「空き家対策特別措置法」が一昨年に制定されている。
この法律によって、全国の市町村が危険な空き家を「特定空家等」に認定することができ、段階を踏めば住宅に適用される税の優遇制度を外したり、最終的には解体などの行政代執行(かかった費用は持ち主が負担)を行うことができるようになった。
津市も同法施行に合わせて「津市空家管理台帳」を整備。外観調査を実施し、市内の3924戸を台帳に登録。所在地・所有者・登記情報(土地・建物)などの情報を空き家対策に係わる部署や各総合支所で共有することで迅速な対応を行う体制を構築している。特措法の施行以来、空き家問題を扱う報道も飛躍的に増加していることもあり、市民の空き家に対する関心も高まっている。同法施行前の平成25年度が33件だった相談が昨年度では111件まで増加。今年度も5月末で11件の相談が寄せられている。
台帳に登録されている空き家のうち、特に危険で倒壊の恐れや周辺住民に被害を与えたり、著しく景観や衛生上の問題となっているものの「特定空家等」への認定も積極的に実施。外観調査と市民からの相談によって151件が認定を受けている。持ち主との協議の末に解体などの改善に至ったのが20件、法に基づく指導を受けたのが8件、税の優遇措置が受けられなくなる勧告を受けたのが1件、改善に向け所有者と協議中が36件となっているが、一番多いのは所有者確定調査中の87件。
特措法によって税情報を使って空き家の所有者とコンタクトを取り易くなっているが、それに伴って浮上しているのが相続や未登記によって所有者の特定ができない空き家の存在だ。特に相続の場合、代を重ねるほど、相続人の数が膨大となり、津市でも空き家の相続人が北海道や沖縄で暮らしており、自分が相続していることすら知らなかったというケースも発生している。
土地と建物の登記が別名義の場合は、より所有者の特定が困難になっている。空き家は個人の財産である以上、所有者全員の許可を得ないと対応ができず、今後もこの問題は増え続けることが確実なことを考えると、国が新たな法整備などを行うことがあるのは明白だ。
いわゆる空き家問題は、近隣住民の生命にもかかわることにも繋がりかねないだけに、確実な対応が求められるが、言わば対症療法に過ぎず、空き家が使えるうちに利活用を促す施策と両輪と言える。そのような施策としては、津市は三重県宅地建物取引業協会などと連携し、美杉町内の物件を田舎暮らし希望者に紹介する空き家情報バンク制度である程度の実績を上げてきた。そこで、来月に新たに協定を結び、同制度の対象を市全域まで広げる予定だ。また三重県の施策で移住促進のための空き家リノベーション支援事業補助金を行っており、県外からの移住者が空き家の改修を行う場合に補助金を出している。しかし、この制度は県内全域でもまだ利用者が少なく、津市での利用例もまだない。
特効薬と呼べるような対策は今のところ無く、行政は相続に伴う登記の確認や適正管理について改めて呼びかけたり、相談会を開くなど地道な施策が中心となる。また、空き家問題は持ち主側の責任であることは間違いないが、解体に応じない人の大部分が、費用の工面に苦慮をしているという現実もある。今後、ますます高齢化が進む中で我々にとって、もっとも身近でもっとも頭を悩ませる問題へと発展していくことは確実だろう。
2017年6月29日 AM 5:00
夏休みの3日間、みんなでカッコいいダンスと思い出をつくろう!
津市一身田上津部田の三重県総合文化センター多目的ホール(フレンテみえ1階)で8月4日~6日10 時~15時、M祭!2017キッズ・アート・フェスティバル『みんなあつまれ!ダンスワールド』が開催される。
プロのダンサーと一緒にダンスをつくり、舞台で発表するイベント。主催は三重県総合文化センター。
▼対象=小学生で、8月4日~6日の3日間全てに参加できる人。
▼練習、創作…8月4日・5日10時~15時。講師は秀和代さんほか(ヒデ・ダンス・ラボ)。
▼本番…8月6日、「M祭!2017」のステージで2回公演①11時~11時半②13時半~14時。
この発表公演は誰でも観覧できる(入場無料)。
▼参加費=無料。
▼定員=30名。
▼申し込み方法=事前申し込み制。※申し込み多数の場合は抽選。
受付期間は6月23日~7月14日必着。
電話・FAX・HP・メール・窓口で受け付ける。
▼申し込み・問い合わせ先=三重県総合文化センター内の三重県生涯学習センター(3階事務室)☎059・233・1151、FAX059・233・1155、HP=http://www.center-mie.or.jp/manabi/、メール=manabi-kouza@center-mie.or.jp
月曜休館。
開館時間は9時~19時。
2017年6月29日 AM 4:56
津を拠点にラテンの名曲を中心に演奏活動しているボーカル・ユニット『シエンプレ』と名古屋・岡崎を拠点にする『ロス・モレノス』の津城復元応援ジョイント・コンサート「セイ アミーゴⅣ」が6月20日、三重県総合文化センター小ホールに満員の聴衆を集めて開かれた。
『シエンプレ』は今年で結成4年。南山大学在学中にラテングループとして全国的に名を馳せた林敬天さんとクラシックピアノ・合唱畑の藤堂千秋さんが出会い、これにパーカッションの森和広さんが加わったグループ。森さん経営の東丸之内の鰻のつたや倉庫で練習を重ね、昨年あたりからこのグループならではの美しく情熱的なアンサンブルに磨きがかかってきた。
この日のステージは、急用で森さんが出られなくなったため急きょデュオ編成となったが、その穴を埋めて余りある素晴らしいステージとなった。
ラブソングとして知られる「ベサメムーチョ」の原曲、病床で死期を迎えた夫と妻が今生の別れのキスをする様子を目撃した当時15歳のベラスケスが作曲した「幼い少女のベサメムーチョ」。日本では加藤登紀子で大ヒットした「百万本のバラ」の原曲、周辺大国からの侵略に晒され続けてきたバルト三国ラトビアの民族的試練を背景にした「マーラが与えた人生」。そして藤堂さんがソロで演奏した、さだまさし作詞作曲の法然上人800御遠忌記念曲「いのちの理由」…特にこの3曲は切々と歌い上げ聴衆の胸を打った。
第2部では『ロス・モレーノス』が、林さんの南山時代のラテン仲間とあって林さんが司会しつつ時々演奏にも加わり、「ラ・マラゲーニヤ」「その名はフジヤマ」などお馴染みのラテンの名曲を演奏。アンコールでは「キエンセラ」、そして世界的にヒットしたラブソングとしての「ベサメムーチョ」の2曲で締めくくり盛大な拍手を受けた。
終演後、感動の余韻冷めやらぬ大勢の人が津城復元に浄財を寄せた。主催者からの寄附金と合わせ総額は5万9332円だった。
2017年6月29日 AM 4:56