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アユなどの淡水魚を食い荒らす「カワウ」は全国の被害総額が最大100億円にものぼると言われ、三重県内でも昨年度約3600万円ほど被害が出ているが、他の獣害と比べると県や県内の大部分の市町で目立った対策が取られていない。その一方、フンによる生活被害が津市内でも発生するなど、決して市民も無関係でない一面もある。
全国各地の内水面漁協は、アユ釣りなどの遊漁権の販売で主な収入を得ており、誘客のために川に大量のアユを放流しているがそれを狙って飛来するカワウとの戦いが繰り広げられている。
被害は全国内水面漁業組合連合会の推計では年間約100億円と試算される一方、内水面漁業は海面漁業と比べると、それのみで生計を立てている人がほぼいないことから、積極的に対策に取り組む自治体は少ない。
三重県が行っている対策で主なものは、三重県内水面漁業組合が猟友会の協力を得て行っている駆除や追い払いへの補助と、県内各地のコロニーの定点観測で生息数のとりまとめの2つ。空を飛び、広範囲を行き来するカワウの対策は、他の獣害と異なり、いたずらにコロニー(営巣地)を刺激すれば分散したしまうだけでなく、一都道府県で個体数を管理していても正確な実情が掴めず、県域を越えた連携の必要性が実証されている。そこで、県も近隣15県による協議会で情報共有を行っている。
津市内でも雲出川古川の河口付近に県内最大級のコロニーが存在しているが、津市で鳥獣害防止計画の対象にはなっていない。今年も2100㎏のアユを放流した雲出川漁協が猟友会に依頼し、現在捕獲や追い払いなどの対策を行っている。
カワウは、漁業被害以外にも一般市民を巻き込む糞害を引き起こす。コロニーにある樹木がフンを浴びて真っ白になった上で枯死し、景観が悪化したり、その被害がコロニー周囲の民家や歴史的建造物にまで及び問題となることも。岐阜県海津市の千本松原でもカワウが営巣し、国も対策に苦慮をしている。
津市でも、この問題が発生した。平成26年秋に津市一身田平野の団地に隣接する民有地の雑木林にコロニーを形成。近隣住民は、空から降り注ぐ真っ白いフンや悪臭、鳴き声に悩まされ続けることになった。民有地で行政が勝手に手を出せないこともあり、対策は困難を極めたが、地元自治会の懇願を受け、昨年11月に津市が地権者の同意を得た上で、対策を実施。カワウのコロニーの分裂で、周囲に新たな被害を出さないため、専門家の指導で慎重に対応。地権者の同意の基に、草刈り機やチェーンソーで大きな音をたて威嚇しながら、段階的に木を伐採。今年始めにはコロニーを消滅させることに成功。三重大の協力でドローンも飛ばすなど、最先端の対策も実施した。この際、県の定点観測で集めたデータを活用し、県内各地のコロニーへの飛散状況を確認するなど細心の注意を払った。
これは特殊な事例で同様の問題が起こる可能性は低いかもしれないが、民有地の場合、地権者が取り組むという大原則だけでは、適切な対応が取れず、行政による協力が不可欠なことも浮き彫りとなったといえる。
滋賀県などの対策先進県では企業と連携し、専門知識を持った者が音のしない空気銃による狙撃と、カワウが食べた魚の種類や量をデータ化し、野鳥としての保護と個体数調整を両立させた戦略を練るという手法で成果を出している。
ここまでの対策は、相応の費用が必要なため、早急に取り組むべき段階ではないかもしれないが県が正確な状況を把握するのは、各市町で問題が発生し、迅速な対処が求められる場合に重要となる。しかし県は、定点観測の回数を年3回から昨年度より年1回へと減らしている。
内水面漁業は、ユネスコ世界無形文化遺産に登録された和食に欠かせない食材の供給や自然環境への貢献から、国も振興に向けた法律をつくるなど、再評価されている。 市民にも決して、無関係な問題ではないため、どう係わっていくかを冷静に見つめ直す必要があるのかもしれない。
2017年7月20日 AM 5:00
美杉地域で行われていた空き家情報バンク制度を津市全域で展開するため津市と公益社団法人「三重県宅地建物取引業協会」=菅尾悟会長=、公益社団法人「全日本不動産協会三重県本部」=東辻広行本部長=は10日、津市役所で協定の調印式を開いた。
この制度では、所有者が不要となった空き家を登録し、その物件の利用希望者とのマッチングを行っている。所有者と利用者が間接交渉を行う際に、両協会が仲立ちを行うという形。今回、対象を津市内全域とするへだけでなく、空き店舗にまで広げ活性化をめざす。
調印式で、前葉泰幸津市長は「空き家対策は、危険な空き家を特定空家としていくだけでなく、管理の良い健全な空き家を人の住む建物にしていくかが課題」と挨拶。菅尾会長は「津市の特色を生かし、残して良い物件を見極めながら、お手伝いをしていきたい」と続いた。東辻本部長は「人が住むところなので、質が高くなければ需要がない」と現実的な観点から行政に協力を求めた。
2017年7月20日 AM 4:56
先月末、アウトレットモール「ジャズドリーム長島」=桑名市長島町浦安=に、レストラン東洋軒=津市丸之内=が手がける新店舗「ミオ バール バルケッタ」がオープンした。
同店はイタリアの街角にあるバール(食堂と酒場を兼ねた飲食店)を彷彿とさせる佇まい。店名の「ミオ バール」はイタリア語で「私の行きつけのバール」という意味で、こだわりの料理を気軽に楽しめる。
看板メニューはイタリアのナポリでも大人気の「揚げピッツァ」。小麦粉に米粉を加えた特製生地をヘルシーな米油で揚げており、サクサクもちもちでクセになる美味しさ。トマト、バジル、モッツァレラチーズの絶妙なハーモニーが楽しめる「マルゲリータ」480円が一番人気で、多彩な顔ぶれを用意している。
一人でも楽しめる「小さなピッツァ」も同店ならではのメニュー。揚げピッツァと同じ小麦粉と米粉を使った生地を薄いミラノ風に仕上げており、サクサクの軽い食感とたっぷり乗った具材の美味しさが堪能できる。注文が入ってから焼き上げるので、焼きたてなのも嬉しい。こちらも一番人気は、「マルゲリータ」630円で、デザートピザまでバラエティ豊富。
揚げ物の「フリット」は食べ歩き用に開発した専用容器で提供。6種類から選べるディップソースをつけて味わう。食感の異なる3種類のポテトが楽しめる「MIXフライドポテト」Mサイズ480円、海老やタコといった海の幸を贅沢に使った「フリットディマーレ」Mサイズ980円など、どれもひと手間かけた美味。 また、ドリンクもコーヒーや紅茶だけでなく、ビール、ワイン、カクテルなどのお酒も充実。ランチ、ティータイム、ディナーと、あらゆるシチュエーションで利用でき、全メニューをテイクアウト可能。海外リゾートを思わせる雰囲気のモールで、揚げピッツァやフリットなどを食べ歩きしながら、ショッピングと洒落込んでみては。
文中の価格は全て税別。営業時間はジャズドリーム長島に準ずる。
問い合わせ☎0594・45・1928へ。
2017年7月20日 AM 4:56