泣き声がプールに響き渡った。子どもの泣き声には、誰もが反応してしまう。目をやると、三歳ほどの男の子が水泳コーチに抱かれていた。よほど水が怖いらしい。
「何もあんなに小さいうちから、水泳を習わせなくてよいのに」おばあちゃんたちは口々に言う。「まあ、かわいい」もう少し若い世代は懐かしそうに眺める。
他の子どもたちは楽しそうにぱちゃぱちゃしているので、きっとあの子もすぐに水に慣れるだろう。新しいことは不安なもの。まして幼い子ならその不安で泣いてしまう。
あの子を水泳教室に送り込んだのはどんなママだろう。私も三歳の子に水泳を習わせたからよくわかる。三歳にもなれば、十分大きくなったと思っていた。水泳の開始は半年後でも一年後でもよかったのに、あの頃はなぜか早く早くと思っていた。
他の子より早く靴がはけた。服のボタンがはめられた。自転車に乗れた。ひらがなが読めた。
今思えば、三歳でひらがなが読めようが、六歳であろうが、たいした違いはなかった。一年生に間に合えばよい。バタ足だって、自転車だってそのうちに誰もができるようになる。何をあんなに急いでいたのだろう。
でも、その早く早くは愛情の表れだ。親の一生懸命さが、子どもの成長を後押しする。子の成長を見る喜びが親を励ます。 (舞)

「平和の灯り」が並ぶ津観音寺境内の様子(昨年)

「平和の灯り」が並ぶ津観音寺境内の様子(昨年)

7月28日(金)18時半から津観音境内で『第21回7・28平和と感謝の祈り』がある。雨天は本堂で開催。主催=同実行委。後援=津商議所・津市観光協会。
昭和20年7月28日は旧津市市街地の大半が焼け野原となった津大空襲の日。この日を振り返り、犠牲者を追悼・供養、また、焼け野原となった廃墟の中から現在の街の復興に尽力した先人に感謝し、津の歴史・文化を後世に継承しようと平成9年から毎年行われている。
平和の灯り(ろうそく)献灯=1本千円・当日申込み、「鎮魂の鐘」「平和の鐘」の打鐘(朝8時から)、津市民戦災犠牲者追悼法要、平和の鐘打鐘のあと平和を願うミニコンサート「荒井眞道社中による一弦琴演奏」もある。恵日山観音寺☎059・225・4013。

キャリア形成について語る前葉市長

キャリア形成について語る前葉市長

津市一身田中野の三重短期大学で18日、平成29年度「キャリア形成セミナー」が開かれ、前葉泰幸市長が「津市でのキャリア形成の可能性」と題して講義を行った。
同セミナーは、学生の進路選択に役立てることを目的に24年度から毎年実施されている。今年度は法経科と生活科学科の学生217名が受講。  市長は、東大卒業~現職までの自身のキャリア形成を、各段階を黒板に書いた丸に例えて説明。各段階で得たものは大学を卒業したり仕事を辞めたあとも残るとして「皆さんのこれからの人生の中で、色んなことが起こります。自分の思うような就職ができるかどうか分かりませんが、三重短大で得たものは厳然と残る。丸が今よりも小さくなることはない。これに自信を持ってください。
また、丸がだんだん大きくなるのは支えてくれるものがあるから。それは家族、友人だと私は思います。皆さんも家族や友人を大事にしてくださいね」と話した。続いて津市の職務経験者採用や、多様な産業について説明し、三重や津での就職の魅力をPRした。

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