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発達障害のリアルを当事者・専門家らが語る対談連載。発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違うために幼いうちから現れる様々な症状。出生率は数十人に一人と言われる。今回は発達障害者の就労について当事者の母・山根一枝さん、飯田あゆみさんが語る(敬称略)。
山根 息子の政人(35)は三重大附属特別支援学校を卒業し、津中央郵便局などでの勤務を経て約4年前に上京。ヘルパーさんなどに見守りや支援をして頂きながら一人で暮らし、障害者枠で働いています。
彼は仕事をしたい気持ちが元々強かったので、高等部のとき新聞配達を経験。障害の有無に関わらず仕事さえしてもらえばお金は払いますと言われ、きちんと給料を頂き本人にとって良い成功体験でした。家庭ではおこづかいは家事をしたら渡すシステムで、お金はきちっと仕事をしなければもらえないことを叩き込み、今に生きています。
飯田 私は仕事で障害者支援をさせて頂いていますが、逆に、親が「障害がある子だからできなくても仕方ないんです」と守ってしまうことにより、「いただきます」など最低限のマナーが身に付かない場合もあります。そして子供の可能性を伸ばし切れていない様子なのに、親は子供を大手企業に入らせたいなど高望みしていたりする。 結果、就職後に本人が困るんです。社会はマナーまでは支援してくれませんから。
(次号に続く)
2019年11月28日 AM 4:55