今年の春からNHKのBSでドラマ「おしん」の再放送をしている。
子どものおしんが粗末な筏で冬の川を下るシーンや、母の泉ピン子が堕胎しようと雪の積もる川に浸かるシーンは何度も見たような気がするが、私はこのドラマをリアルタイムで見ていない。だから、世界各国でも評判になり、テレビ史に輝くこのドラマを新鮮な気持ちで楽しんでいる。
山形の小作の娘おしんの境遇は、想像もできないほどの過酷さであった。腹いっぱい食べられるようになるのが、幼いおしんの生きる目的。
現在、ドラマの舞台は伊勢や津。戦争の時代のおしんと家族を描いている。おしんの苦闘は続いている。
私はきょう大根めしを炊いた。おしんの大根めしは大根八割にクズ米二割だそうだが、私の作る大根めしはいつもの味ご飯に大根を少し加えるだけなので、普通に美味しい。
今でも社会に格差はある。田舎と都会、貧乏人お金持ちとの間で、教育や就職の機会に大きな差があるのは、よく言われることである。庶民はいつの時代も、身の丈にあった生き方を余儀なくされる。
それでも私は、良い時代に生きていると思う。美味しい大根めしを腹いっぱい食べられるし、戦争を知らないままここまで来たし。再び、おしんの時代に戻らないよう切に願っている。 (舞)
2019年11月28日 AM 4:55
今、世界中で大人気のデイズニーの長編アニメーション映画の「シンデレラ」を見ているとドキドキわくわく、そしてホッとします。わたしは小さい時に絵本の「鉢かづき」「竹取物語」等が好きで何度も読み返して楽しい空想の時間を過ごしました。
「シンデレラ」の話はどのようにして誕生したのかが気になりました。この物語は 世界中によく似た話が多くあり、時代や地域によって姿を変えて伝承され、各国の歴史と文化を垣間見る事ができます。童話作家としてフランスのシャルル・ぺロー、ドイツのグリム兄弟やハルフ、そしてデンマークのアンデルセンをあげる事ができます。まずペローの作品に「シンデレラ」「長靴をはいた猫」などがあり、人の優しさや生き方を示していて、読んでいると気持がなごみます。
物語は全てハッピーエンドで終わります。グリム兄弟の作品は「狼と七匹の子やぎ」「赤ずきん」「白雪姫」「灰かづき」等があり〝人の強欲な心はダメよ!〟と教えています。
アンデルセンの作品には「みにくいアヒルの子」「人形姫」「マッチ売りの少女」などがあり、深い人生の真実にかかわる話です。ハウルの作品には「出世」「変なおばさん」があり、〝人は正直に生きるんだよ〟と伝えています。
シンデレラ物語の原点は紀元前五~六世紀から存在しており、これを元にして古代エジプト時代に「ロドピスの靴」の話が作られ、それを十七世紀後半に活躍したペローがヨーロッパの伝説を集めた童話の中の一つとして「サンドリオン、ちいさなガラスの靴(シンデレラ)」として発表しています。これがディズニー映画の原作になっています。
このペローのシンデレラに登場する邪悪な人は改心して物語はハッピーエンドをむかえます。十八世紀初頭にグリム兄弟はペローの童話をベースにして「灰かぶり」(灰かぶりとはシンデレラの意味)を世に出しています。亡くなった母親の墓に植えられている木がドレスや靴を与えてくれます。義理母が欲深い義理姉の足を削ったり、意地悪した罰として鳥が目をつっついたりの残酷な場面が書かれています。それは心のあり方を述べています。
これらの物語の共通点は①継母のいじめ②助ける人の出現③パーティー(宴会)④主人公の心のあり方⑤結婚(めでたし)の形です。
さて日本に伝わる話としては平安時代の「落窪物語」が貴族や武家の間で読まれています。清少納言が枕草子の中でこれを絶賛しており、まさに日本の最初のシンデレラ物語だと思います。
江戸時代には御伽草子(昔話と絵本を結びつけたもの)と呼ばれて「姥皮」「鉢かづき」「糠福と米福」「お銀小銀」等の継子いじめ話が残っています。灰には再生や呪力があるといわれ、山姥は福の神で幸せを運び込む神です。
江戸時代後期には「桃太郎」「浦島太郎」「かちかち山」などの子供用の絵本(赤本)が絵入りの大衆向けの読み物となり流行しました。明治時代になると文明開化と共に海外からの民話が輸入されて小説にもなっています。
坪内逍遥の「おしん物語」はシンデレラ=おしん、王子様=華族の若様、魔法使い=弁天様、舞踏会=園遊会、ガラスの靴=扇などに置き換えて出版されています。当時の日本にはまだ靴という文化がなかったので扇にしたのでしょう。楽しい夢を与えてくれています。
明治期の学校では教科書に昔話が導入され唱歌となり、今も人々に歌い継がれて歌は生きています。紙芝居は幕末、明治初期の写し絵から作られています。そして今は「金太郎」「桃太郎」等はスマホのコマーシャルに、シンデレラの話は「イエス〇〇クリニック」のコマーシャルの一つとしてアレンジされ、もてはやされています。
ディズニーのシンデレラの映像や美しい音楽を聴くとすべての事に美しくやさしくありたいものだと思いました。語り伝えられていく日本の歴史観や道徳や文化をふまえて、次の世代に繋がれば嬉しいなあと思いました。
(全国歴史研究会、三重歴史研究会、ときめき高虎会及び久居城下案内人の会会員)
2019年11月28日 AM 4:55
20日、松阪肉牛〝七保肉牛〟の女王を決める『第15回大紀町七保肉牛共進会』が、度会郡大紀町野原のJA伊勢奥伊勢・度会経済センター肉牛出荷場であった。主催=同町七保肉牛共進会。
同共進会は旧七保村、旧大宮町時代から数えて今年で65年目。今回は七保和牛部会の肥育農家12名が未経産牛48頭を出品した。
早朝より、審査委員長である県畜産研究所大家畜研究課の岡本俊英主幹研究員らが、一頭ずつ厳正な審査を実施。昨年の松阪肉牛共進会でも七保の肥育農家が上位を占めるほどレベルは高く、今年も肉質・肉量を兼ね備えた素晴らしい仕上がりの牛が揃った。
そのような中で、最高賞の優等1席には同町打見の西村節生さん(85)肥育の「まみ」号695㎏が輝いた。孫の西田裕哉さん(30)と、牛の肥育を行っている西村さんは「最高の気分。孫が牛舎の仕事を一通りこなしてくれるので、動ける間に様々なことを伝えていきたい」と満面の笑み。
審査委員長の岡本主幹研究員は講評で、「ハリのある肉付きで体重もしっかりあり、体のバランスも素晴らしい」と称えた。
今年も出品された牛は津市北丸之内の精肉店・朝日屋が全頭購入した。
朝日屋の香田佳永社長は「モモ・カタなど体のバランスが良い。農家が丹精込めて育て上げた牛なので、しっかりとした値で買わせて頂きたい」と話した。
この48頭は、12月12日から朝日屋で開催される「名牛まつり」にて通常価格で販売される。
2019年11月28日 AM 4:55