関根正二《三星》1919年(大正8)年

関根正二《三星》1919年(大正8)年

津市大谷町の三重県立美術館で今月23日(土・祝)から企画展「関根正二展 生誕120年・没後100年」が開かれる。
関根は、現在の福島県白河市生まれ。幼少期に東京・深川へ移ると周囲の人達から影響を受け画家を志す。16歳で洋画家としてデビューし、1918年(大正7)の第5回二科展で新人賞にあたる樗牛賞を《信仰の悲しみ》、《姉弟》、《自画像》の3作品で受賞。「関根のヴァーミリオン」と賞賛された朱色、深い青緑などの鮮やかな色づかいと幻想性が溶け合った作品を次々と描いたが、病に冒され、1919年にわずか20歳と2カ月で生涯を閉じた。
関根の画家としての活動期間はわずか5年程で、遺された作品も決して多くないが、その画業は日本の近代美術館の成長とともに明らかにされ、また、2003年(平成15)には出世作《信仰の悲しみ》が国の重要文化財に指定されるなど、大正時代の個性派画家という評価がなされてきた。今展覧会は、近年新たに発見された作品・資料を含む、関根の作品約100点、書簡や資料約60点、関根に影響を与えた同時代の関連作家の作品や資料約50点で構成する過去最大規模の関根正二展となる。
会期は1月19日㈰まで。観覧料は一般900円 学生700円、高校生以下無料。

プレゼント

本紙読者5組10名に招待券を進呈。葉書かメールで、〒・住所・氏名・年齢を明記し、〒514─0028、津市東丸之内26─12、三重ふるさと新聞「関根正二展」係まで。締切は21日㈭。メールはfurusato@ztv.ne.jp

津市一志町田尻の一志総合支所西隣にある一志農村環境改善センターで
来年1月11日㈯13時30分~15時(受付13時~)、一志町歴史語り部の会主催の歴史講演会が開催される。共催=津市観光ボランティアガイド・ネットワーク協議会。後援=本紙。
講師は、同協議会会長を務める本紙会長・西田久光。著書「三重の社日信仰の今」出版を記念し語る。
▼資料代=100円(当日受付で支払う)
▼申し込み・問い合わせは一志総合支所地域振興課☎津293・3008へ。
申し込み時に氏名・住所・電話番号を伝える。

「偉人遺産と乱歩の妄想~龍はどこ」の一幕

「偉人遺産と乱歩の妄想~龍はどこ」の一幕

2日、津市芸濃総合文化センターで芸能文化による地域おこしを目的とした地域劇団「芸濃い劇団 燦」が、芸濃町の伝説や歴史を下敷きにした「この丗のような夢芸濃編」の「雨乞い伝説序章~龍の鱗」と「偉人遺産と乱歩の妄想~龍はどこ」を上演した。
芸濃地域文化祭の一環。劇団の母体は「芸濃町を芸濃い町にする会」。同町椋本出身で東京で活躍してきた文筆家の伊藤裕作さんが地元の仲間と設立。日本で唯一の「げいのう」の名前を生かした地域づくりをめざし、東京の様々な劇団の公演を誘致するなど質の高い実演芸術を鑑賞する機会を創出。その次の段階として生まれたのが、芸濃町在住・在勤者による同劇団。現在は役者や裏方を含め、小学生から高齢者まで50名以上が所属。
「雨乞い伝説序章~龍の鱗」は、芸濃町の長徳寺に伝わる伝説や横山池の完成にまつわる話などが盛り込まれた作品。
「偉人遺産と乱歩の妄想~龍はどこ」は、三重県出身の文豪・江戸川乱歩の作品「パノラマ島奇譚」が、巨大な摩崖仏が並ぶ石山観音、大金を費やして横山池を造成した駒越五郎八、伊勢茶の輸出で財をなした駒田作五郎をモデルに書かれたのではという伊藤さんの推論をベースにした作品。
団員たちの生き生きとした演技に観客たちから盛大な拍手が送られた。

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