津市内のボランティアガイド13団体で組織する「津観光ガイドネット」の会員が、「道の駅津かわげ」内にある情報発信コーナーで、2016年4月の開駅当初から当番制で毎日、来場者に観光案内を行っている。
2019年9月までに案内した人数は3万4000人以上。熱心な活動で、津市の観光振興に貢献している。
案内は毎日9時半~16時に実施。現在は1日1人~2人体制で、2018年度は63名のガイドが当番に参加した。
同コーナーでは、市内各地域のパンフレットが種類豊富に用意されているほか、名所や行事などを紹介するDVDを上映。
コーナーを訪れるのは県外からの観光客が多く市内全域のことや、市外の観光地へのルートについても質問があり、ガイドたちは同ガイドネットの研修会などで学んだ知識や、積極的に集めた市内外の観光情報を生かして対応している。
津城跡や高田本山専修寺などの名所や、花見・紅葉スポットを紹介したり、津名物のうなぎについて話すことも。
また、当番は来場者に聞かれたことなどを日誌で共有し、きめ細やかなおもてなしに生かしている。
12月20日に当番を務めた安濃津ガイド会会員の朝倉征子さん(79)は、観光以外のことに関する質問にも、タブレット端末も使ってできる限り応えているそう。
「それとなくお声がけしてその方の興味のあることについて教えてもらったり、話を繋げるのが好きなんです。『津は、いっぱいええとこあるでな~!』とPRさせてもらっています」と朝倉さん。
2019年12月31日 AM 4:55
11月27日13時過ぎ、国道165号の終点である雲出本郷町交差点付近に私は立っていた。新たな旅の始まりに胸が躍る。
まずは、道路の終起点を示す道路元票を探すがそれらしいものは見あたらない。道路によってはモニュメントなどを設置しているので、少し寂しい。より多くの人にこの道がどこを起点に、ここまで続いているかを知ってもらうきっかけになるので、小さなものでもあればと思う。
最初に、国道165号とこの旅の趣旨について改めて振り返ろう。165号は津市雲出本郷町交差点から大阪市梅田新道交差点までを結ぶ実延長130㎞超の国道。旅のルールを箇条書きで説明しておくと…①出来る限り今使われている現道を一人で歩く②全ての行程を一気に歩くのは無理なので一日で歩ける分で数日の行程に分割③自動車専用道や危険と判断した個所は、側道や迂回路で代替④基本的に歩く箇所の事前下調べなし。
ご存じない方も多いと思うので少しだけ補足すると、3年前から昨年初頭まで本紙で「国道163号をゆく」という連載を行った。これは同じく津市に終点がある国道163号を、起点の大阪市まで120㎞の道程を全て踏破し、その旅路における出来事や旅情をつづったものである。
再び徒歩旅を企画した最も大きな理由は、163号の連載を読んで頂いた方から「次はどの道を歩くの?」と声をかけて頂く機会が非常に多かったこと。そして、私事ながら令和2年は数え年42歳の本厄を迎えるからだ。厄というのは天の与えた試練で、新たな挑戦をすべきと都合よく捉えれば、これほどおあつらえ向きの理由はない。
そうなると私の中で、163号と同じく終点が津市にある165号が真っ先に思い浮かんだが、165号の起点は163号と同じ梅田新道交差点なのが少し気になった。というのも、以前の旅でゴールである起点付近の風景は目に焼き付いており、「この道はどこへ続いているのだろう」というワクワク感に乏しいように思えたからだ。
しかし、以前の旅に思いを巡らせると、ゴール以上に道中の方が遥かに思い出深かったことに気づく。165号と163号は起点まで交わることはないため、全く異なる風景をお伝えできる確信が持てたことでも、何の憂いも無くなった。
そろそろ話しを旅に戻そう。私は晴れやかな気持ちで国道165号の終点から目的地である遥か西を一瞥。静かに歩き始める。(三重ふるさと新聞報道部長・麻生純矢)
2019年12月31日 AM 4:55
津市の雲出本郷町に終点がある『国道165号』、津市で暮らす人々の生活に欠かせない重要な幹線道路。津市から奈良県桜井市までの区間は、長谷寺をめざす初瀬街道がルーツ。関西から伊勢参りで訪れる人々に古くから利用されてきた道で、国道となった現在の始点は大阪市北区の梅田新道交差点。以前に全区間を踏破した国道163号に続き、国道165号の踏破を試みる。 (本紙報道部長・麻生純矢)
国道165号は、国道1号や国道163号を始めとする7つの国道の終点と起点が集まる梅田新道交差点から国道23号と交差する津市の雲出本郷町交差点を結ぶ総延長130㎞超の国道で三重県、奈良県、大阪府を結んでいる。
三重県から奈良県にかけての区間は、旧伊勢国と旧大和国を結ぶ初瀬街道がルーツ。関西から伊勢参りに向かう人が利用したり、逆に伊勢国から関西に向かう人々も然りで、国学者・本居宣長の菅笠日記にも、街道を歩く旅の様子が描かれている。街道の終着点である初瀬(現在の桜井市初瀬)にある長谷寺は全国にも、その名を知られる名刹である。
本紙では20周年企画として一昨年夏より今年の初頭まで、国道163号線の全区間を踏破する連載を行ない、多くの反響を得た。そこで平成から令和へと大きく時代が変化していく中、この街の記憶を残すと共に、普段何気なく通っている国道の未知なる姿をお伝えすべく国道165号の全区間の踏破を試みる。
京都府の南端及び奈良県北部を通り、大阪府へと入る国道163号をめぐる旅と終着点自体は同じ場所だが、当然ながらそこに至る道程は全く異なっている。
この地域で暮らす人々にとって、名張市より西に位置する奈良県内から大阪府にかけての様子は特に新鮮なものとして映るかもしれない。
国道163号を巡る旅(約120㎞の行程を6分割した上で踏破)で確信したのは、20世紀後半から現在までモータリゼーションが台頭し続ける中、すっかり姿を消してしまった徒歩の旅の味わい深さ。移動に多くの時間を費やした昔の人々と同じ時間感覚を共有することで、様々な事象が浮かび上がることもある。そして、多くの人々がそれぞれの思いを抱えながら、踏み固めてきた結果できあがった道が今ここに存在している理由や、そこで繰り広げられた歴史やドラマを掘り下げることもできる。
また、ゆっくりと流れる景色、温度、湿度、におい、肌触りなど、五感を通じた体験も徒歩の醍醐味。そういった一本の道を通じた体験を、前回の旅と同じく連載を通じて綴っていく。
2県1府にまたがる100㎞を越える徒歩の旅は〝既知〟から〝未知〟を探しに行く道程でもある。起点の津市から梅田新道交差点を遡るもう一つの物語が始まる。
(連載は次号の新年号よりスタート)
2019年12月12日 AM 5:00