社日神の幟旗を立てる上出区の女性たち

社日神の幟旗を立てる上出区の女性たち

15日、津市白山町山田野の上出区で土の神のまつり「春の社日祭」が行われ、昨年7月、3年半に渡る県内全域調査の結果をまとめ『三重の社日信仰の今』を出版した津観光ガイドネット・西田久光会長らが調査した。
山田野の白山比咩神社(小林裕八宮司)には文政4年(1821)に建立された社日神碑が明治期に移設されている。五神名社日碑の簡易型と目される社日碑には社日・社日神・社日塚などのタイプがあるが、同神社の社日神碑は、同タイプのものとしては全国でも最古級。
上出区では全22軒を4組に分け、伝統的に各組の女性たちが春秋の社日祭を1回ずつ輪番制で担当、2年で一巡する仕組みを取っている。数年前までは参道入口の鳥居に「奉納社日神」の幟旗を立て、境内で餅や菓子をまき、集会所で会食するなど本格的な集落祭祀の形を取ってきた。少子高齢化から現在では当番の女性たちだけで幟旗を立て、神社に米と酒を供え参拝した後、「上出区社日祭」のシールを貼った菓子を集落全戸に配る形に簡略化されているが、津市内で集落として社日のまつりが江戸期より連綿と受け継がれているのは上出区のみである。
西田会長は1月11日、三重の社日信仰についての講演を行ったが、聴講者の一人、松阪ガイドボランティア友の会・伊藤伸一氏から松阪市内の五神名社日碑3基(郷津町・幸生町・西黒部町)の新情報を得て、追加調査を行っており、今回の上出区社日祭と合わせ追補②を作成。『三重の社日信仰の今』を購入済みの人を対象に、津駅前アスト津2階の津観光ガイドネット事務局(津観光協会事務局内)で配布している。
問い合わせは西田携帯090・3933・6061へ。