Chojiさん(自宅にある、蔵を生かしたスタジオで)

Chojiさん(自宅にある、蔵を生かしたスタジオで)

横浜市出身で津市美杉町在住のシンガー・ソングライター・Chojiさん(44)は、自らの古民家での生活や田んぼでの米作りといった、自然と共にある暮らしや営みの中で生まれた音楽を演奏。「美杉・里山音楽舎」としてコンサートなどを企画し、音楽と里山をキーワードに、地元の人と、都会から訪れる人の交流拠点を築いている。
Chojiさんは20年以上前に音楽活動をスタート。ギター・ピアノを演奏し、全国各地でライブを行ってきた。
以前は〝都会派〟の音楽を作っていたというChojiさん。和歌山県の過疎集落での音楽活動を機に、2011年から現地の耕作放棄地の再生活動に携わり、米づくりの魅力にはまった。そして4年前に美杉町で料理と歌のコラボイベントを行った際に偶然、町内の築150年以上の趣きある古民家を空き物件として紹介してもらい、近所に親戚が何軒か在り心強いこともあって、3年前に妻でマネージャーの宏美さんと共に移住してきた。
温かい人柄の近隣住民や大家との交流を楽しんでいて「家を買ったというよりは、大家さんから家を継いだという感覚」だそう。
自宅近くのカーブがあるなど変形している田んぼで、米づくりを始めて今年3年目。和歌山での経験も生かした緻密な作業で、地元のベテラン農家からも高く評価されている。カーブを生かして、苗を、中央に作った島を囲むように円状に植え、田植え後には島をユニークなステージとして使い、コンサートを開催。地元と都会の参加者が交流し、地域の伝統行事同様、地元の昔ながらの営みを自然に紹介できる場となっている。
一緒に暮らす鶏やヤギも近所の人気者だとか。
コロナの影響により出演予定だったイベントの中止が相次いでいるが、空いた時間に自宅の倉庫2階を音楽会場に改装する工事を行うなど、活動の更なる充実に前向きに取り組んでいる。
「僕たちも各地を往来して色んな出会いや体験がありますが、(コロナ収束後は)自分たちの活動をきっかけにして、皆さんにも同じような体験をしてもらえれば」。