2021年2月

いよいよ医療従事者等への新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったが、津市民の間でも、接種はいつから、どんな場所で受けられ、どのような手続きが必要なのかといったことに対する関心が高まっている。特に、最初に接種の対象となる65歳以上の高齢者については、広大な市域を持つ津市で移動手段の限られる層に漏れなく行き届くような場所の確保といった課題もあり津市も準備に奔走している。

 

2月8日に開室された津市の健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種推進室にも、市民から「いつから、誰が、どこで、どのようにワクチンの接種が受けられるのか」という質問が寄せられている。現在、調整中だが、現段階で想定している内容を一つずつ説明していく。
津市の人口は12月末現在で約27万6000人。予防接種法に基づき、ワクチンが病気の蔓延(まんえん)を防ぐために緊急の必要がある「臨時接種」に位置づけられており、全市民が対象となるが、津市で使われる予定のファイザー社のワクチンは16歳以上が対象になっているため、16歳未満への接種は行われない。費用は国費で負担されるので無料。県や市の職員を名乗り、ワクチン接種が受けられるという名目で現金を要求する不審電話も確認されているため注意が必要。法律によって対象となった妊婦を除く16歳以上の人には、感染蔓延を防ぐために接種の努力義務が課せられるが、あくまで希望制で罰則などはない。
ワクチン接種のスケジュールは現在、医療従事者等への接種が開始されている。次に先行して接触を行うのは65歳以上の高齢者8万1500人。3月中に接種に必要なクーポンが送られ、受け取った高齢者は開設予定のコールセンターやインターネットを通じて最寄りの会場を選んで接種を受ける。接種時にはクーポンと身分証明書が必要。ファイザー社のワクチンは1回目の接種から3週間後に2回目の接種を行う必要があるため、再度予約を行って接種を行うという流れ。64歳以下の人には、4月以降にクーポンが送られ、5月から接種を開始。ただし、64歳以下の人では、接種を受けられる優先順位が設けられる。最も優先順位が高いのは、基礎疾患を持つ人で診断書提出などの必要は無く、自己申告すれば優先して受けられる。続いて高齢者施設等従事者、60~64歳の人、59歳以下の順。
接種を行う場所については、公共施設(地域の公民館、体育館など)と商業施設などで調整を進めている。ただし、市域が広い津市特有の問題も浮き彫りになっており、65歳以上の高齢者に先行して接種を行う際、接種場所に3週間に2回足を運ぶ必要があることからも、公共の交通機関が利用しづらい中山間地域で暮らす高齢者に対する配慮なども必要となるだろう。接種に当たる医師や看護師の人員確保についても課題となっており、医師会に協力を求めているが、きめ細やかな対応を行おうとすると、必然的に必要な人員も増えるジレンマもある。また、接種場所を確保した際も三密を避けながらスムーズな接種を行うためには課題も残されている。
あくまで、これらは現段階の予定で、細部の変更やワクチンの確保状況によっては、接種の予定がずれ込む可能性もある。感染拡大防止のためにも、出来るだけ迅速に多くの市民がワクチンを接種する必要がある。優先的に接種が受けられる高齢者はその家族も接種を手助けできるように、準備をしておくなど、市民一人ひとりが正しく情報を把握して動くことも大切といえる。
ワクチン接種全般に関する質問は厚生労働省の相談対応コールセンター0120・761770。
津市コロナウイルスワクチン接種推進室☎059・229・3353。

見頃を迎えたしだれ梅

見頃を迎えたしだれ梅

津市藤方の結城神社で「しだれ梅まつり」が開かれている。
南朝の忠臣・結城宗広公を祀る同神社は紅白のしだれ梅約300本が咲き乱れる東海地方屈指の梅の名所。現在ちょうど見頃を迎える。
また、同神社は宗教・宗派の壁を越えた霊場めぐり『伊勢の津七福神』の福禄寿霊場でもあり、3月4日14時からは七福神の他の6寺社(四天王寺=栄町=・津観音=大門=・円光寺=河芸町上野=・初馬寺=栄町=・高山神社=丸之内=・安楽寺=一志町波瀬)と共に「観梅祈願祭」を開催するが、今年は新型コロナ感染予防のため、七寺社の神職と住職のみで執り行う。
期間中の毎日、眺梅者の家運繁栄と健康を祈願する梅花祭も開催。梅園の拝観料は大人500円、小人(小中学生)200円。しだれ梅まつり開催中の開苑時間は9時~17時。今年は感染拡大防止のため、茶屋での飲食の提供は中止。
問い合わせ☎059・228・4806。

映画上映などを通じて、津市と縁の深い映画監督、小津安二郎を顕彰する「彼岸花映画祭in津」の第6回が4月10日㈯13時~16時10分(開場12時半)、津リージョンプラザお城ホールで開かれる。主催=同映画祭実行委員会、共催=津市・三重大学、後援=中日新聞社、㈱ZTV、本紙、ほか。
小津安二郎は、日本を代表する映画監督。「世界のOZU」として20世紀の文化芸術分野における世界最高峰の一人として認められている。普遍的テーマである「家族」を見つめ続け、家族こそが人間とその生活の原点であることを、映画を通じて訴えている。
中でも『東京物語』(1953年)は2012年、英国Sight&Sound誌で世界の監督が選ぶ映画の第1位に輝いた。小津の世界的評価は、没後に長い時間をかけて高まっていき、生誕110年の2013年には世界三大映画祭(カンヌ、ヴェネチア、ベルリン)で小津作品が上映されるという快挙も成し遂げた。
1903年12月東京で生まれた小津は、9歳の時に父の故郷である三重県松阪へ転居し、旧制宇治山田中学を卒業後、飯高町の宮前小学校で一年間、代用教員をしてから松竹蒲田撮影所へ入社している。小津の母も祖母も生粋の「津」の人で、津は小津の映画表現の根本にかかわる美意識を育てたところと言える。
今回、第3部(14時半~16時10分)で上映される小津の映画は「お早よう」(1959年・カラー94分」のデジタルリマスター修復版。出演は佐田啓二、久我美子、笠智衆、ほか。映画「彼岸花」につづいて野田高梧と小津が書いた脚本を、小津が監督した大人と子供の世界を描いた一篇で、郊外の新興住宅地を舞台に元気な子供達にふりまわされる大人達を、そこはかとなく笑いを誘うやわらかいコメディタッチで描いている。
第1部(13時~)は「魅惑の映画音楽コンサート」。演奏は津市出身のピアニスト・兼重稔宏さん。第2部(14時15分~14時半)は映画解説「小津安二郎と三重」。
参加申込は、往復はがき、またはメールで①「映画祭参加希望」②郵便番号③住所④名前⑤電話番号⑥希望人数(1人または2人)を記入し、3月19日㈮まで(必着)に申し込み。応募多数の場合は抽選。入場無料(定員300名は会場の収容定員の半分)。
申込先は、〒514─0062、津市観音寺町760─18、彼岸花映画祭事務局「吉村方」。メールはhiganbana1958@gmail.com(件名に「映画祭参加希望」と記入)。
問い合わせは事務局☎080・4547・2015。

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