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いよいよ医療従事者等への新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったが、津市民の間でも、接種はいつから、どんな場所で受けられ、どのような手続きが必要なのかといったことに対する関心が高まっている。特に、最初に接種の対象となる65歳以上の高齢者については、広大な市域を持つ津市で移動手段の限られる層に漏れなく行き届くような場所の確保といった課題もあり津市も準備に奔走している。
2月8日に開室された津市の健康福祉部新型コロナウイルスワクチン接種推進室にも、市民から「いつから、誰が、どこで、どのようにワクチンの接種が受けられるのか」という質問が寄せられている。現在、調整中だが、現段階で想定している内容を一つずつ説明していく。
津市の人口は12月末現在で約27万6000人。予防接種法に基づき、ワクチンが病気の蔓延(まんえん)を防ぐために緊急の必要がある「臨時接種」に位置づけられており、全市民が対象となるが、津市で使われる予定のファイザー社のワクチンは16歳以上が対象になっているため、16歳未満への接種は行われない。費用は国費で負担されるので無料。県や市の職員を名乗り、ワクチン接種が受けられるという名目で現金を要求する不審電話も確認されているため注意が必要。法律によって対象となった妊婦を除く16歳以上の人には、感染蔓延を防ぐために接種の努力義務が課せられるが、あくまで希望制で罰則などはない。
ワクチン接種のスケジュールは現在、医療従事者等への接種が開始されている。次に先行して接触を行うのは65歳以上の高齢者8万1500人。3月中に接種に必要なクーポンが送られ、受け取った高齢者は開設予定のコールセンターやインターネットを通じて最寄りの会場を選んで接種を受ける。接種時にはクーポンと身分証明書が必要。ファイザー社のワクチンは1回目の接種から3週間後に2回目の接種を行う必要があるため、再度予約を行って接種を行うという流れ。64歳以下の人には、4月以降にクーポンが送られ、5月から接種を開始。ただし、64歳以下の人では、接種を受けられる優先順位が設けられる。最も優先順位が高いのは、基礎疾患を持つ人で診断書提出などの必要は無く、自己申告すれば優先して受けられる。続いて高齢者施設等従事者、60~64歳の人、59歳以下の順。
接種を行う場所については、公共施設(地域の公民館、体育館など)と商業施設などで調整を進めている。ただし、市域が広い津市特有の問題も浮き彫りになっており、65歳以上の高齢者に先行して接種を行う際、接種場所に3週間に2回足を運ぶ必要があることからも、公共の交通機関が利用しづらい中山間地域で暮らす高齢者に対する配慮なども必要となるだろう。接種に当たる医師や看護師の人員確保についても課題となっており、医師会に協力を求めているが、きめ細やかな対応を行おうとすると、必然的に必要な人員も増えるジレンマもある。また、接種場所を確保した際も三密を避けながらスムーズな接種を行うためには課題も残されている。
あくまで、これらは現段階の予定で、細部の変更やワクチンの確保状況によっては、接種の予定がずれ込む可能性もある。感染拡大防止のためにも、出来るだけ迅速に多くの市民がワクチンを接種する必要がある。優先的に接種が受けられる高齢者はその家族も接種を手助けできるように、準備をしておくなど、市民一人ひとりが正しく情報を把握して動くことも大切といえる。
ワクチン接種全般に関する質問は厚生労働省の相談対応コールセンター0120・761770。
津市コロナウイルスワクチン接種推進室☎059・229・3353。
2021年2月25日 PM 4:25