新聞の川柳欄を楽しみにしている。川柳は人や社会を見つめ、風刺したりユーモアをまぶしたり。俳句より直接的な表現をするところが面白い。今朝の川柳欄には政治ネタが多かったが、私はそういうものより日常生活を切り取った川柳が好きだ。読んでいてくすっと笑ったりよく見ていると感心したりする。
今朝目に留まった一句は「咳をしたからひとり」。放哉の「咳をしても一人」のもじりで、一人居の静けさの中に響き渡る咳の孤独感が、コロナ禍の人間関係に置き換えられている。
川柳の魅力はこんな風に自由であることだ。五七五の十七音に自由な題材、自由な考え、自由な表現をはめ込み川柳になる。ただ、自己満足に陥らないこと。他人が読んで不快になったり、意味が伝わらなかったり、自慢話に聞こえたりではいけない。共感が得られよう客観的に句を見る姿勢が大事だと思う。
保険会社のサラリーマン川柳にはいつも感心する。こういうものの見方があったのかと気づくこともしばしばだ。今年は「会社へは来るなと上司行けと妻」がコンクールの一位で、コロナ時代を背景にサラリーマンの悲哀を表現し笑わせる。
こういうコロナネタは十年も経てば何のことかわからなくなるだろう。でも時事ネタがあるから川柳はいつも新しい。今を生きる人に寄り添える。(舞)