2021年6月

中澤弘光《絵葉書『美人と感覚』より 嗅(女学生)》1905(明治38)年 木版・板

中澤弘光《絵葉書『美人と感覚』より 嗅(女学生)》1905(明治38)年 木版・板

三重県立美術館で企画展「美術にアクセス!─多感覚鑑賞のすすめ─」が開かれている。会期は8月1日まで。
美術を目で鑑賞するとき、見る「私」と見られる作品の間には距離が生まれるもの。
「私」が自分から作品に〈アクセス〉するためには、どのような工夫が必要なのか?今展覧会では、障がいのある人向けの教材やプログラムにヒントを得ながら、触覚や聴覚を活用した鑑賞や、想像力でさまざまな感覚を結びつける鑑賞を提案している。
展示物は、これまで開発した教材や、五感に関わる同美術館の所蔵作品(油彩画、彫刻、版画等)約50点で、同美術館が目標とする「誰もが利用しやすい環境」を整える第一歩となる展覧会となっている。
一部の彫刻や一部の絵画の触図(凹凸のある簡易図)に触ることもできる。
6月26日㈯、7月3日㈯、22日(木・祝)、8月1日㈰の14時から17時は、触れる作品の数が増える。
休館日=月曜日。開館時間=9時半~17時(入館は16時半まで)。観覧料=一般700円 学生600円、高校生以下無料。
問い合わせは同美術館☎059・227

2100。

美しく咲くあじさいの花

美しく咲くあじさいの花

津市戸木町の伊勢温泉ゴルフクラブ内にある福祉と環境を融合した花園「かざはやの里」が恒例の『あじさいまつり』を開催中。7月25日まで。
広大な敷地にアジサイ29種7万7千株が植えられており、社会福祉法人・正寿会が運営する障害者施設の職員や利用者も管理を手伝っている福祉園芸の実践の場。
今年は例年よりも花が咲き始めるのが早く、青、ピンク、白など色とりどりの花々が見頃を迎えている。屋外なので、コロナ禍でも出かけ易く人気を博している・
また、7月1日からは剪定した枝を挿し木用として入場者に無料配布する。入場には利用者たちへ支援費として500円が必要(高校生以下や障害者手帳を持っている人は無料)。
今年は開園時間を8時~19時まで延長しているので、仕事帰りの人も楽しめる。
問い合わせ☎059・255・5755。

沙羅双樹「ナツツバキ」の花

沙羅双樹「ナツツバキ」の花

津市河芸町上野の円光寺の境内で、「沙羅双樹」とも呼ばれているナツツバキが咲いている。見頃は今月末頃まで。
沙羅双樹は釈迦が入滅する際に、床の近くにあり、仏教とのゆかりの深い花。朝に咲き夜には散る「一日花」であることから、平家物語では儚さの代名詞としても取り上げられている。
ただし、フタバガキ科サラノキ属の熱帯植物であるため、日本では温室以外での栽培が難しい。各地の寺院などに植えられている沙羅双樹は、ナツツバキのことを指す。
同寺のナツツバキは、24年前、住職と檀家が当時知名度が低かった寺の目玉にしようと50本植えたもの。うち12本が順調に育ち、毎年多くの人が花を楽しんでいる。
坂倉賢芳住職は、「平家物語で名前は御存じの方も多いと思うが、実物を是非見て欲しい」と笑顔で話す。

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