2021年6月

「伊勢乃国 安濃津結喜会」

「伊勢乃国 安濃津結喜会」

三味線と尺八のユニット「伊勢乃国 安濃津結喜会」=津市藤方=が東日本大震災後の10年間の演奏ボランティア活動をまとめたロビー展「東日本大震災の人々から学ぶ」が、百五銀行橋南支店で開かれている。会期は6月30日まで。
同ユニットは、三味線の小島牧水さん(本名・小島誠伺さん・71)と妻で都山流尺八奏者の小島尚山さん(本名・小島玉子さん・67)が11年前の2008年4月に結成。二人は共に元教員。音楽と楽器演奏をライフワークとする。昔からヴァイオリンを弾いていた牧水さんは2005年から秋田県の三味線奏者に師事。両楽器ともフレットを持たないという似た特徴もあり、ツボを取りやすく民謡などを短期に弾けるようになった。ユニット結成後は県内各地でゲストティーチャーやPTA行事などで講話と共に演奏活動をしていた。
大震災が発生した2011年の11月から被災地への演奏ボランティアを始めたのは、陸前高田市に職員を派遣していた当時の松阪市長の後押しがあったから。
地震で被災地までの多くのアクセス道路や鉄道は寸断されており、宿泊施設も使えなかった。そこで、小島さんは自身が所有する6人が就寝可能なキャンピングカーに楽器と日常品を積み込み、2日間かけて岩手県陸前高田市に到達。以来毎年、同県と宮城県、福島県の被災地を1回に2~3週間かけ、学校や老人福祉施設、災害復興住宅など約20か所で演奏慰問に取り組むと共に地元の人々と交流を深めてきた。また、被災地の復興の経過をリアルに見て、感じてきた。
9回目の2019年は津市で行われた東日本大震災復興支援チャリティ交流会での募金を陸前高田市を訪れて寄託した。
10回目となるはずだった昨年はコロナ禍で自粛
したが、今年3月11日はFM三重が陸前高田市からライブで情報発信する放送枠への出演依頼を得て、同市へ10回目の訪問。現地から復興の現状を電波に乗せて聴取者に説明した。また、松阪市・津市で開催した演奏会の募金も届けた。
今回のロビー展は、写真やパネルなどを用い、10年間にわたる復興の変遷や現地の人々との心温まる交流の様子、被災者の心境を詳細に伝える内容。報道されている事実とは違う本当の被災地の姿を感じる事ができる。
牧水さんは「震災は理不尽。復興が進んでいるが、10年経っても未だに2万5千人が自宅に帰れない。置き去りにされている現実を知っていただけたら。一方で、震災を乗り越えて一生懸命に生きる人々から勇気をもらった」と話している。

「歳時記」を手に写真家・北出正之さん

「歳時記」を手に写真家・北出正之さん

桂畑地蔵踊り(美里)

桂畑地蔵踊り(美里)

南長野かんこ踊り(美里)

南長野かんこ踊り(美里)

写真家・北出正之さん=66・津市白山町=が6月1日、三重の祭りと民俗行事をまとめた写真集「祭時記」を月兎舎から発刊した。
北出さんの写真歴は50年。学生時代に生態写真など科学写真の分野に興味を持ったのがきっかけ。百五銀行に勤務する傍らも余暇を利用してネイチャー写真や心象風景をモチーフとする創作活動を続け、公募展での入選・入賞や写真展の開催を重ねる。
広報課に在任中に三重をテーマとする広報・広告業務に携わったことで郷土に対する想いを一層深くし、地域に根ざした被写体を主眼に、特に近年は祭りや民俗行事の撮影に傾注。その取材活動は計700回以上、写真に収めた祭事の総数も500件を超える。
コロナ禍の影響で生活様式の急激な変化が求めらる中、「本来、人が生きてゆくための心の拠り所である《祈り》を具現化した祭りや民俗行事が置き去りにされるような風潮が強くなりつつある」と懸念を抱くようになった。
また、規模の縮小や簡略化に追い込まれるばかりか、存続が困難になった祭礼行事の幾つかも目の当たりにする中で、「民俗学の造詣がある研究者でもない、郷土を愛するばかりの一人の写真家の使命感から、21世紀初頭に於ける三重の祭りと民俗行事のアーカイブスとして次の世代に伝えるべく出版を発意しました」と動機を話す。
祭事を季節の順に「獅子舞」「迎春行事」「盆行事」といった章で分け、特徴的な祭りである「浅間祭」と、伊勢志摩・東紀州の漁村部の祭りを「海民の四季」として特立させた。また、収録した写真の多くは、訪れたその日、その時の祭りの印象を主観的な表現も交えて記憶し、伝えることを試みて撮影している。
巻末には撮影リストを掲載し、収録できなかった祭礼行事を含めて取材した510件全ての名称と撮影地、関連する社寺名とともに、延べ712回に及ぶ撮影年月日を収録。その時点で祭事が行なわれたことを記録に残すなど、資料としての充実も図っている。
「コロナ禍の今、感染症を克服する術は科学的な論拠に基づくことは当然ですが、祇園祭や天王祭に象徴されるように《祈る》ことで生きる力を得てきた長い歴史に思いを致す中で、《祈り》を本質とする祭りや伝統行事の役割が忘れ去られることなく、将来に向けて承継されることを願っています」と語っている。
B5横長判160頁(カラー144頁、モノクロ16頁)。税込2750円で県内の主要書店、アマゾン、月兎舎HPなどで購入できる。

カレーを食べながら夫が言う。「カレーの嫌いな人なんておらんやろな」「嫌いな人もいると思うわ」毎回同じ会話となる。
レストランでアルバイトをしていた学生の頃、カレーライスを食べられない人が存在すると知った。そういう人向けにハヤシライスに変更できるカレー食事券が販売されていた。
とはいえ、私の周りにはカレー好きが多い。私も家で作る普通のカレーが好きだし、コロナ前にはインドカレー専門店にもよく行った。カレーにナンが合う。
ところが、本場インドでは、ナンをあまり食べないそうだ。食べてもあのしずく型ではなく丸いナンだという。たいていはチャパティという発酵させないパンかライスをカレーに合わせるそうだ。
それを知るまで、私はインドでは毎日カレーとしずく型ナンを食べていると思っていた。旅番組などで、皿のライスとカレーを指で混ぜて食べているインドの人を見ても、ナンが主食と決めつけていた。
これは昔の「フジヤマ、ゲイシャ、スシ」と同じで、よくある先入観。ものを知らないと勝手に思い込む。テレビなどで情報を得ても、思い込みを修正しない。
インドのナンに限らず、いろんなことを私は先入観というフィルター越しに見ているだろう。知りたい。謙虚に情報を取り入れて、柔軟にものごとを考えたいと思う。 (舞)

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