雨が降って降って、家の前の道路が水浸し。一応側溝の様子を見ておこうと外へ出たら、水の中に大きなミミズがいた。直径は一センチ近くありそうで、長さは二十センチを軽く超えている。
ミミズは鉢巻きのある方を前に水の中を移動している。泳げるようだ。水の中で呼吸ができるかと、しばらく見ていたが、頭や体を水面に上げるでもなく、目的があるかのように進んでいく。
土の上でよく見る体をくねらせる動きではない。伸びたり縮んだりの繰り返しの泳ぎ方に、アコーディオン、蛇腹、疎密波などの言葉を連想した。
ミミズには目がないから「目見えず」でミミズと呼ばれると聞いたことがある。このミミズは意思を持ってどこかに移動しようとしているようだが、匂いで目的地を判別しているのか、他に感知する術があるかと、興味深い。 こんなにもミミズに注目したことはない。ぬらぬらと薄橙色した肌も、うねうねと身をくねらせる動きも、可愛らしい生き物とは言えない。雨中の暫しの観察で、気持ち悪いと目を背けがちな生き物でもよく見れば面白いと気が付いた。
結構長く生きてきて、見るべきものはそれなりに見たと思っていたが、注意深く見れば、また見えるものが違う。発見がある。遠くへ出かけたり、お金をかけたりしなくても、新しい経験はできる。
(舞)

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