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この暑い昼日中の公園に人影が見えた。十代と見える男の子が二人と女の子が一人。スケートボードの練習をしている。
上半身をひねり両足を左右に振りながら前進する。でも数回でボードから外れ足をつく。再びコンクリートを蹴りながらボードに乗り、体を揺らす。ボードに乗って平面を進むだけでも簡単ではないようだ。
今回のオリンピックでストリートというスケートボード競技の存在を知った。手すりや縁石の上を滑り、その技を競う。街中の道路でやるなら迷惑この上ないだろうが、競技となると面白い。「命がけで遊ぶオモチャ」と表現されるボードを、選手たちは自在に扱う。まるで靴裏にボードが貼りついているかのようだ。
オリンピックでは、男女ともに金メダルを獲得した。こんな若い子が金メダルをとれるなんて。賞金やスポンサー契約など、ボードに乗ることで大金を稼げるなんて。驚くばかりだ。
それもあってスケートボード熱がこんな田舎の公園にまで及んできたのだろうか。不良少年の危ない遊びのイメージが、真昼の公園の健全なスポーツに変わったみたい。
ヘルメットは必要ないのか、熱中症は大丈夫かと聞いてみたくなったが、命がけで遊ぶオモチャだからこそ面白いと返されそうで、それは止めた。私は老婆心の持って行き場がない。
(舞)
2021年8月12日 AM 10:39