宮﨑会長(右)から井端副部長(左)に要望書提出

宮﨑会長(右)から井端副部長(左)に要望書提出

三重県内の医師・歯科医師1,830人で構成する保険医の団体「三重県保険医協会」は19日、三重県庁を訪れ、県知事宛ての「新型コロナウイルスに係る緊急要望書」を提出した。
新型コロナウイルスの新規感染者数が全国で過去最多を更新し、これまで経験のない最大の感染拡大「第5波」に直面している中、医療供給体制は全国各地でひっ迫の度合いを増し、国民の命と健康が脅かされている。
地域医療を守るべく医療従事者は日常診療と並行して、日々懸命にコロナ患者の治療に従事している。三重県においても8月20日に新規感染者数が388人を超え、感染拡大のスピードは早く、ピークアウト・収束が見通せない状況となっている。
同協会は、5月から7月にかけて、「新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する緊急アンケート(第4弾)」と「新型コロナウイルスワクチン接種に関するアンケート」を実施し、会員医療機関の新型コロナウイルスに係る医療現場の実状把握に努めた。
また、「むし歯のある子ども」や「視力が低下した子ども」、「肥満傾向児・痩身傾向児」が増加しているとの医療現場からの報告もあり、昨年の全国一斉臨時休校に伴う生活習慣の変化や運動不足が児童・生徒の健康に影響した可能性も考えられ、その実態を把握するために2月から3月にかけて、県内の小中高等及び特別支援学校を対象に「医科学校健診後治療調査」と「学校歯科健診及び歯科治療に関するアンケート」を実施。
当日は、これらのアンケート調査結果をもとに同協会の宮﨑智徳会長、梅村忠司・鵜飼伸の各副会長から三重県医療保健部の井端清二副部長に要望書が手渡された。

要望内容は次の9項目
①県内の全ての医科・歯科医療機関に対して、減収補填策として支援金、給付金の支給
②全ての医療従事者を対象とした新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の給付の再度実施 ③新型コロナウイルスワクチン接種に協力する医療機関に対し、「新型コロナウイルスワクチン接種体制支援事業支援金」とは別に接種回数要件のない財政支援を実施 ④医療機関の業務負担軽減のため、ワクチン接種に関する行政窓口体制の強化
⑤ワクチン接種による健康被害につき、公的責任を明確にするため「予防接種健康被害救済制度」について、幅広く県民に周知する
⑥非常事態時に歯科医師がワクチンを接種することを認めるための法的根拠を明確にするように国への要請
⑦今秋に開幕する三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の開催を中止
⑧三重県保険医協会が実施した「医科学校健診後治療調査報告」及び「学校歯科健診及び歯科治療に関するアンケート調査報告」を県教育委員会はじめ関係各所と情報共有し、学校健診後・学校歯科健診後の受診率につき、各市町から県教育委員会へ報告されるシステムの構築
⑨子ども医療費助成制度の対象範囲を、通院・入院を含め義務教育修了(中学校卒業)までに拡大し窓口負担を無料化
これに加えて「三重とこわか国体・とこわか大会」の開催中止を強く求める要望書を県知事、県議会各会派、各市町長、地元選出の国会議員に提出した。